大怪獣ガメラのレビュー・感想・評価
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特撮はいろいろ工夫されて作られてるなー、と。
ピアノ線が一ヶ所だけ見れた。実際の映像やらミニチュアやら、とにかくいろいろ工夫されて作り込まれてるなー、と感心。火の量が半端なく白黒でも大迫力。火星に行ったらガメラは死んじゃうんじゃないかとも思って子供の気持ちに疑問。まあ、ゴジラに対抗したガメラがファンを作れたからOK 。
映画は大映
ゴジラに対抗して作られた意図はわかるし、身近な亀を巨大化する事で子どもの人気も出やすそう。あの時代なら亀を手に入れて家で飼って逃げられた子どもは山ほどいるはず(笑)
モノクロ作品で当時としては頑張っている。
火炎放射はホンモノだろうし(笑)
重いテーマは無しにして観る対象を子どもに振り切った感があるシリーズである。
子どもの多かった当時はそれで良かったのだろう。
大人になると細かいツッコミを入れてしまいがちだし…。
名作とお薦めしまくる作品とは思わないが、あの登場シーンの雰囲気は凄いと思う。
近日リマスターして公開されそうだから、劇場で観た人たちの感想を期待したい。
あ、あの子どもには「お前~!エエ加減にせぇ!」と拳骨くれてやりたい。
初めての東宝特撮への挑戦
1954年のゴジラから11年もの間、怪獣映画は東宝特撮が独占してきた
米国のレイ・ハリーハウゼンがダイナメーションと呼ばれる人形をコマ撮りアニメーションで動かした数作に怪獣が登場する作品はあるが、その他には海外でも国内にも怪獣映画の競合は無かった
東宝特撮はそれ程に無敵だった
しかし11年も経てば、東宝特撮に対抗しようという動きは当然でるだろう
東宝特撮だけに美味しい思いをさせるのは悔しい
特に劇場主は映画会社に対策を要求したはずだ
それが本作が生まれた動機だろう
とにかく怪獣映画をだす
対象は?
ゴジラなどの東宝特撮をこれまで観て来たのは誰か?
団塊の世代は20歳代
怪獣映画はもう卒業してるだろう
だから狙うのはその上の30歳代だ
彼らの子供が小学生になってきた頃だ
ならば彼らが子供を連れて怪獣映画を観に来れるものを撮れば良い
このように企画が作られたのは間違いない
大人も楽しめるストーリーでありながら、子供も退屈せずに怪獣登場シーンを楽しめる
むしろ子供を狂言回しにしてストーリーを進行させ子供に自分達の怪獣映画であると思わせる
これがガメラのコンセプトと言える
カメをモチーフに、火を噴かせる、甲羅の手足の部分からロケット憤炎を出して回転して空飛ぶ円盤となって飛んでいく
眠りを覚ました理由こそ原爆だが、ゴジラのようなメッセージ性を持たせる意図はさらさらない
荒唐無稽なほど良いのだ
アトランティス伝説を持ち出したのは、ずっと後年の平成ガメラで活きることになる
脚本の高橋二三の腕は確かで大変に面白い
肝心の特撮はゼロベースではなく、怪獣映画ではないものの、特撮要素のある作品は大映でも何本か作られていた
とはいえ、東宝特撮のスタッフにノウハウを聞いて作られたとのことで、テイストは東宝特撮とあまり変わらない
むしろほぼ同じ
厳密には東宝特撮に一日の長はあれど、一般観客からすれば大した違いではない
白黒作品であることを割引いても遜色ない出来映えだ
東宝特撮のノウハウを大映のスタッフに教えることを黙認した円谷英二の器の大きさには感動する
しかし日本の特撮技術は逆に同質化競争になっていくのだ
怪獣映画といジャンルに限定され、同じ特撮技術のルーツを持つ特撮映像で競争を繰り返していけば、粗製乱造に陥いることになるのは火を見るより明らかだ
その事の危険に気付くのは、なんとこの大映だった
自社の独自性をもった特撮とは何か?
それを大映はすぐに答えを出してくるのだ
それは翌年1966年4月ガメラの次回作大怪獣決闘 ガメラ対バルゴンの併映作品だ
タイトルは大魔神である
超ひさびさに観て改めて気がつきました
ガメラの24時間足止め作戦はシン・ゴジラでの列車爆弾の元ネタだったのですね
なぜ火が好きなのか・・・
エスキモー部落にまで“冷たい戦争”の波が押し寄せている。当時の世界状況をよく描写してある冒頭部分。もちろんソ連を想定してあるんだろうけど・・・あくまでも某国だ。アトランティス大陸の悪魔の使者ガメラ。エキスモーに伝わる伝説の怪獣だ。日本船ちどり丸は座礁、乗組員も消えてしまったのだ。
新潟県でも目撃。見たのはおじいさん役の左卜全。そして北海道。灯台守も息子である小学生の俊夫くんは飼ってた亀を捨ててこいと叱られるが、そこで巨大なガメラと遭遇。灯台から落ちそうになった俊夫くんをガメラが助けてくれるのだ・・・あれ、もしや子供好きなのか?その後俊夫くんは捨てた亀のチビがガメラになったのだと信ずるのだ。
地熱発電所を利用してガメラを倒すことはできないのか?東大の動物学者日高(船越)は35万キロワットの電流で退治できないものかと試すもダメ。自衛隊の攻撃によって裏返し作戦が成功。しかし引っ込めた手足から火を吹き、円盤となって飛び去ってしまう。
東京タワーをも壊したガメラが次に現れた場所は石油コンビナート。火が大好きなガメラは腹を空かして世界各国で餌を漁っていたのだという。そして、伊豆大島で開発中のZ計画。アメリカ、ソ連をはじめ、国境を越えた世界の科学技術を結集したプランを利用することとなる。火を使ってなんとかおびき寄せる科学者たち。そしてガメラは火星へとロケットに積まれ打ち上げられる・・・
アメリカ軍に要請して核ミサイルを撃ち込んでもらうとか、自衛隊が熱帯地方での戦争を想定して冷凍爆弾を開発してるとか、初代ゴジラとは時代も違うが、自衛隊が戦争することを容認しているかのような内容。最終的にはZプランという平和的な解決法を取るので印象は薄くなってるけど、やはり時代がそうさせたのだろうなぁ・・・
特撮と荒唐無稽な話!昭和だね。
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