大怪獣ガメラのレビュー・感想・評価
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映画は大映
ゴジラに対抗して作られた意図はわかるし、身近な亀を巨大化する事で子どもの人気も出やすそう。あの時代なら亀を手に入れて家で飼って逃げられた子どもは山ほどいるはず(笑)
モノクロ作品で当時としては頑張っている。
火炎放射はホンモノだろうし(笑)
重いテーマは無しにして観る対象を子どもに振り切った感があるシリーズである。
子どもの多かった当時はそれで良かったのだろう。
大人になると細かいツッコミを入れてしまいがちだし…。
名作とお薦めしまくる作品とは思わないが、あの登場シーンの雰囲気は凄いと思う。
近日リマスターして公開されそうだから、劇場で観た人たちの感想を期待したい。
あ、あの子どもには「お前~!エエ加減にせぇ!」と拳骨くれてやりたい。
大怪獣ガメラの始まり
ちょっと前に観た平成ガメラ三部作が面白かったので昭和の方にも手を出してみました。うお!白黒だ!!
よくよく考えるとカメを大怪獣にしようって発想スゴいですよね!子供の頃から当たり前のようにいるんであまり考えたこともなかったのですが、そもそもこのガメラを思い付いた事自体がスゴいです。更に空を飛ぶとか!普通の思考じゃ考えも付かないです。
甲羅を背負っているだけあってガメラさんメチャメチャ丈夫です。でも、自衛隊の砲撃が効かないからってアメリカ軍に要請して核爆弾を撃ち込む⁉️あれ?非核三原則って当時は無かったんですっけ?
ガメラさんガンガン東京を壊していきます。おバカそうなパリピの若者が容赦なく踏み潰されるシーンにはちょっと笑ってしまいました。おー、東京タワーも倒した‼️って東京タワーの周りに大きい建物が何もない⁉️こういうシーンって当時がわかって面白いですね。でもZプランで石油を海に流すのは当時でもありなんでしょうか?環境破壊って認識は全くなかったのかな?
なんだかんだで白黒なだけに妙に迫力があってとてもガメラが不気味でした。ゴジラに負けじと頑張って作ったんだろうなぁって事が伺えて、なかなか面白かったです。
火を吹き、空を飛ぶ! ゴジラと対するニュー怪獣スター、ここに誕生!
本作のレビューはガメラ生誕50年の2015年に一度書いているが、その時はシリーズ纏めてと今後の怪獣映画への明るい期待について…というちょっと変わった切り口でのレビューだったので、改めて。
同時に、正直ガメラシリーズはゴジラシリーズほど詳しくなく愛着薄いが、何とか頑張って、これから追い追いシリーズレビューを。
という事で、1965年公開の記念すべき第1作目。
時は怪獣映画ブーム真っ只中。
東宝の怪獣王に対抗すべく、各映画会社こぞって挑むも、ことごとく不発。
そんな中で唯一、シリーズ化と人気を築き上げ、対する事に成功。
その魅力を、内容と共に。
北極のエスキモー集落を訪れた日本の動物学者・日高博士ら調査団。目的は、彼らの伝説でアトランティスに居たという巨大なカメの話を聞く為だった。
その時、国籍不明機が米軍機に撃墜される場を目撃。その機は原爆を搭載しており、大爆発を起こす。
氷の大地が大きく割ける。原爆の影響によって、氷の下から、エスキモーが恐れる“アトランティスの悪魔の使者”が目覚めた。その名は…、
ガメラ!
今となっちゃあ“正義のヒーロー怪獣”や“守護神”のイメージあるガメラだが、初出現時はゴジラと同じく恐怖の怪獣。何だかちょっと新鮮。
しかし、北海道で灯台から落ちそうになった子供を助けるシーンがあり、早くも後の片鱗が垣間見える。
北海道から日本に上陸。地熱発電所を襲う。
火を好み、火をたっぷり食らう。
平成ガメラはプラズマ火球だが、昭和ガメラと言えば、火焔放射。
よって、自衛隊の火器攻撃はかえって仇になる。
原爆で目覚めたので、原爆も通用しない。
硬い甲羅はミサイルをも跳ね返し、撃つ手ナシの無敵の大怪獣!
が! 火に強いという事は、寒さに弱い。
冷凍爆弾でガメラの動きを封じ、その間に通常爆破でひっくり返す事に成功。
カメはひっくり返れば動く事が出来ない…のは、普通のカメのみ。
頭手足を引っ込め、回転して空を飛んだ…!
大映にだって優れた特撮技術があり、『釈迦』などそれを駆使した特撮大作も作られている。
「ならば、何故怪獣映画が作れない…?」
「ゴジラのような怪獣映画を!」
当初はネズミの怪獣の予定だったが(特撮ファンなら知っている幻の企画『大群獣ネズラ』!)、色々トラブル続きで制作中止に。
そこで、当時の大映社長・永田雅一の鶴の一声。
「カメの怪獣を飛ばせ!」
そして誕生したのが…、
火を吹き、空を飛ぶ。
陸海空全て活動範囲。
それでいてヒロイックな面も。
松竹ギララや日活ガッパとは一味違う、この魅力!
ゴジラと人気を二分する怪獣スターになったのも頷ける。
昭和シリーズの中心的存在となった本編監督の湯浅憲明は、特撮映画をちょっと冷めて見ていたとか。ピアノ線が見える、火や煙が出ていない。…
でも実際にやってみて、その難しさを痛感したという。
そんな苦労や試行錯誤、元々の高い特撮技術もあって、特撮シーンはなかなか。クライマックスの東京襲撃シーンなど、白黒の映像も相まって、堂々たる見せ場になっている。(ちゃっかりゴジラより先に東京タワーを破壊している)
火焔放射は実際の火を使用、回転ジェットはアニメーションなど、スタッフのアイデア駆使した特撮表現もユニーク。
怪獣映画としては王道だが、人間ドラマ部分ははっきり言って、1954年『ゴジラ』に遠く及ばず。
チープでツッコミ所多々。
その最たるは、ガメラに助けられたカメ好きの少年。
「ガメラは本当は悪い奴じゃないよ!」と一見大人たちに訴え続ける純真な子供のようだが、攻撃や危険な場に忍び込んだり、邪魔ッ!!
挙げ句の果てに、あんなにガメラを助けようとしてたのに、ラストはあっさりと「ガメラ、さよなら~!」って、何なんでしょう、この子…。
さて、撃つ手ナシの人類は、日本・アメリカ・(当時の)ソビエトなど国境を越えて立ち向かう。
人類の叡知を集結させた“Zプラン”。
火でガメラを誘導し、あっという間に伊豆大島に作られた巨大カプセルの中にガメラを閉じ込め、宇宙へ飛ばす事に成功。
人類の勝利!
しかし、ガメラは再び帰って来る。
恐怖の怪獣としてではなく、我々がよく知る魅力を伴って。
本作のガメラもいいが、でもやっぱりガメラは、ヒーローで守護神の方がしっくり来る。
初めての東宝特撮への挑戦
1954年のゴジラから11年もの間、怪獣映画は東宝特撮が独占してきた
米国のレイ・ハリーハウゼンがダイナメーションと呼ばれる人形をコマ撮りアニメーションで動かした数作に怪獣が登場する作品はあるが、その他には海外でも国内にも怪獣映画の競合は無かった
東宝特撮はそれ程に無敵だった
しかし11年も経てば、東宝特撮に対抗しようという動きは当然でるだろう
東宝特撮だけに美味しい思いをさせるのは悔しい
特に劇場主は映画会社に対策を要求したはずだ
それが本作が生まれた動機だろう
とにかく怪獣映画をだす
対象は?
ゴジラなどの東宝特撮をこれまで観て来たのは誰か?
団塊の世代は20歳代
怪獣映画はもう卒業してるだろう
だから狙うのはその上の30歳代だ
彼らの子供が小学生になってきた頃だ
ならば彼らが子供を連れて怪獣映画を観に来れるものを撮れば良い
このように企画が作られたのは間違いない
大人も楽しめるストーリーでありながら、子供も退屈せずに怪獣登場シーンを楽しめる
むしろ子供を狂言回しにしてストーリーを進行させ子供に自分達の怪獣映画であると思わせる
これがガメラのコンセプトと言える
カメをモチーフに、火を噴かせる、甲羅の手足の部分からロケット憤炎を出して回転して空飛ぶ円盤となって飛んでいく
眠りを覚ました理由こそ原爆だが、ゴジラのようなメッセージ性を持たせる意図はさらさらない
荒唐無稽なほど良いのだ
アトランティス伝説を持ち出したのは、ずっと後年の平成ガメラで活きることになる
脚本の高橋二三の腕は確かで大変に面白い
肝心の特撮はゼロベースではなく、怪獣映画ではないものの、特撮要素のある作品は大映でも何本か作られていた
とはいえ、東宝特撮のスタッフにノウハウを聞いて作られたとのことで、テイストは東宝特撮とあまり変わらない
むしろほぼ同じ
厳密には東宝特撮に一日の長はあれど、一般観客からすれば大した違いではない
白黒作品であることを割引いても遜色ない出来映えだ
東宝特撮のノウハウを大映のスタッフに教えることを黙認した円谷英二の器の大きさには感動する
しかし日本の特撮技術は逆に同質化競争になっていくのだ
怪獣映画といジャンルに限定され、同じ特撮技術のルーツを持つ特撮映像で競争を繰り返していけば、粗製乱造に陥いることになるのは火を見るより明らかだ
その事の危険に気付くのは、なんとこの大映だった
自社の独自性をもった特撮とは何か?
それを大映はすぐに答えを出してくるのだ
それは翌年1966年4月ガメラの次回作大怪獣決闘 ガメラ対バルゴンの併映作品だ
タイトルは大魔神である
超ひさびさに観て改めて気がつきました
ガメラの24時間足止め作戦はシン・ゴジラでの列車爆弾の元ネタだったのですね
ゴジラより先に東京タワーをぶっ壊した!
ガメラ・シリーズ第1作。
サンテレビ「アフタヌーンシアター」で鑑賞。
ゴジラと人気を二分する、ガメラの記念すべきデビュー作です。当時は特撮怪獣映画の黄金記で、各映画会社がこぞってブームに便乗しており、多くの作品が生み出されていました。
大映も参戦し、口から火を吐く、両手両足を収めて回転しながらジェット噴射で空を飛ぶ、動物性を強調して四足歩行であるなど、ゴジラには無い特徴を持つ怪獣が誕生しました。
ガメラを語る上で外せない要素として、いちばんに子供が挙げられるでしょう。ガメラは常に子供の味方。本作は人類とガメラの戦いが描かれるので悪役扱いですが、灯台から落ちた少年を救う場面もあり、その片鱗が垣間見えました。
昭和シリーズでは作品を経るごとに子供目線を重視した作風が顕著となりました。後の平成三部作などでもそれは踏襲されていました。「怪獣映画を観るのは主に子供」と云う信念を徹底したからこそ人気を獲得し続けているのかも。
そのためかシリーズを通して、他の怪獣映画でよくあるような、科学者が怪獣を倒す決定打を発見すると云うような、大人が活躍する場面が殆どありませんでした。子供が着想したアイデアを大人が実行する、と云うスタンスでした。
本作ではまだ大人の活躍が目立ちましたが、Z計画のとんでもなさは子供が思いつきそうなユニークさがありました。科学考証を度外視し子供に夢と希望を与えるようなファンタジーに徹した作風は昭和シリーズ全てに通底しています。
本作の白眉は、なんと言ってもガメラの東京上陸シーン。その迫力はゴジラ・シリーズに負けていないと思いました。猛烈な火炎放射によって街は火の海に。本家のゴジラより先に東京タワーをぶっ壊すと云う偉業を達成しました。身長差273メートルを腕力のみで倒壊させるなんてすごい馬鹿力です。
ゴジラ・シリーズと比較されるのは宿命かもしれませんが、「二番煎じではないか?」と云う前評判を跳ね除けるかのように、本作は大ヒットを記録しました。以後、大映が倒産するまで毎年1本のペースで続編が製作されることになりました。
[余談]
それにしても俊夫くん、えげつない子供です。自分が捨てた亀のチビがガメラになったのかもしれないぞ、と時系列を完全に無視した思い込みをするし、ガメラの家をつくるんだと言って石ころをいっぱいリュックに詰めて来るし(足りるわけないだろ)、ガメラに突入する石油タンクに掴まってニコニコするのはいいけれど、助けに来たおじさんを手こずらせて爆発に巻き込まれそうになるし。頭を叩きたくなりました(笑)。
「ガメラは友達なんだ!」ととんでもない行動力で大島まで密航する気合いには危うく敬服しそうになりましたが、その後の行動にめちゃくちゃ腹が立ちました。大島に誘き出されたガメラに「来ちゃだめだ!」と一喜一憂していたにも関わらず、翌日には大好きなガメラを宇宙に追放するためのZ計画の施設を「すごいだろぉ!」とさも自分がつくったかのように姉に自慢しているんですもの。お前は二重人格なのか!
と、なんだかんだ書いて来ましたが、このような部分がやけに気になってしまうのは、童心を忘れてしまったと云うことの証明みたいに感じて、切ない気持ちになったことも事実。私も大人になったと云うことなのかしら。そう云うことであるならば、俊夫くんの方がまだマシなのかもしれません。
[以降の鑑賞記録]
2019/06/27:アマプラ(シネマコレクション by KADOKAWA)
※修正(2023/12/04)
なぜ火が好きなのか・・・
エスキモー部落にまで“冷たい戦争”の波が押し寄せている。当時の世界状況をよく描写してある冒頭部分。もちろんソ連を想定してあるんだろうけど・・・あくまでも某国だ。アトランティス大陸の悪魔の使者ガメラ。エキスモーに伝わる伝説の怪獣だ。日本船ちどり丸は座礁、乗組員も消えてしまったのだ。
新潟県でも目撃。見たのはおじいさん役の左卜全。そして北海道。灯台守も息子である小学生の俊夫くんは飼ってた亀を捨ててこいと叱られるが、そこで巨大なガメラと遭遇。灯台から落ちそうになった俊夫くんをガメラが助けてくれるのだ・・・あれ、もしや子供好きなのか?その後俊夫くんは捨てた亀のチビがガメラになったのだと信ずるのだ。
地熱発電所を利用してガメラを倒すことはできないのか?東大の動物学者日高(船越)は35万キロワットの電流で退治できないものかと試すもダメ。自衛隊の攻撃によって裏返し作戦が成功。しかし引っ込めた手足から火を吹き、円盤となって飛び去ってしまう。
東京タワーをも壊したガメラが次に現れた場所は石油コンビナート。火が大好きなガメラは腹を空かして世界各国で餌を漁っていたのだという。そして、伊豆大島で開発中のZ計画。アメリカ、ソ連をはじめ、国境を越えた世界の科学技術を結集したプランを利用することとなる。火を使ってなんとかおびき寄せる科学者たち。そしてガメラは火星へとロケットに積まれ打ち上げられる・・・
アメリカ軍に要請して核ミサイルを撃ち込んでもらうとか、自衛隊が熱帯地方での戦争を想定して冷凍爆弾を開発してるとか、初代ゴジラとは時代も違うが、自衛隊が戦争することを容認しているかのような内容。最終的にはZプランという平和的な解決法を取るので印象は薄くなってるけど、やはり時代がそうさせたのだろうなぁ・・・
特撮と荒唐無稽な話!昭和だね。
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