「嵐の日には、死んだ人の魂がやってくる」学校の怪談4 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
嵐の日には、死んだ人の魂がやってくる
オープニングは海のそばにある尋常小学校が舞台のモノクロ映像。学校でかくれんぼをする子供たちなのだが、のどかでノスタルジックな雰囲気の中、突如津波に襲われるという話だ。そして大型台風の映像。町には防潮堤があるのだが、これもかつて大津波に襲われた経緯があってのことだろう。
子供たちによる海岸清掃の日、地元の子たちとも仲良くなった恒と弥恵(豊田)の兄妹だったが、小学校の児童会会長が砂浜でみつけた古いカバンを海に捨てたことから彼が神隠しに遭ったかのように忽然と姿を消したのだ。そして地蔵を傷つけてしまった少年も亡霊のような電車に引きずり込まれ、次々と子供たちが消えていってしまう。恒もついに子供たちの幽霊に誘われるかのようにいなくなり・・・
弥恵が仲良くなった文房具屋のおっさん(笑福亭松之助)は、実は1年前に亡くなっていたことがわかり、ショックを隠せない弥恵。しかし、彼が小学校ごと津波にのみ込まれた惨事の生き残りであることがわかり、幽霊と知りつつも、かくれんぼで隠れたままの子供たちを見つけることが宿命であると悟る。
今までのシリーズとは違い、学校の中という閉塞感はないし、ドタバタ感も全くないし、亡くなった子供たちとの楽しかった最後の想い出がキュンと胸に迫るものがある。死者を愛おしむ気持ちを灯籠流しで表現して、悲しく切ない津波の記憶を観る者に訴えてくるのです。ジュブナイル・ホラーとしてシリーズ最高の出来だと思うが、いかんせん演技がまずい。特に笑福亭松之助!また、兄思いの妹・弥恵の演技力はいいのだが、幽霊だとわかっても平気だったり、まったく怖がらなかったりと、これはキャラ設定がよくないような気もする。
クライマックスがかくれんぼを最後までやりとげること、なんてのはどこかで聞いた話だが、何の映画だったか思い出せない・・・まさか『ジュマンジ』ではあるまいしな・・・ちなみに戦前のアイスには“あたり”があったのだろうか?