劇場公開日 2023年11月11日

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陽炎座のレビュー・感想・評価

全16件を表示

4.0【”男の魂は要らぬ。”今作は、妖艶燦燦、幽玄耽美なる鈴木清順の唯一無二の世界を堪能する”表の世界と裏の世界”を描いた色彩鮮やかな二人の女の情念と、それに巻き込まれた哀れなる男達を描いた幽霊譚である。】

2024年11月16日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

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NOBU

2.0松田優作の会話劇。″新境地″ ?…そこまでではない。

2024年10月13日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

寝られる

1981年公開、日本ヘラルド配給。

1913(大正2年)に発表された泉鏡花の小説を原作とした、幻想的な映画。

監督:鈴木清順
脚本:田中陽造

主な配役
【松崎】:松田優作
【玉脇男爵】:中村嘉葎雄
【玉脇品子】:大楠道代
【玉脇いね(イレーネ)】:楠田枝里子

脚本の田中陽造は、日活ロマンポルノの全盛期を支えた脚本家として有名だが、
『セーラー服と機関銃』、
『上海バンスキング』、
『めぞん一刻』
などの成人映画以外の作品も手掛けている。

◆松田優作と中村嘉葎雄、
◆松田優作と大楠道代、
◆松田優作と楠田枝里子、
上記の組み合わせによる「会話劇」である。

その会話がもどかしい(笑)。

セリフ回しが、まるで武者小路実篤の『愛と死』を読んでいるような錯覚に陥る(笑)。

いまの日本人と少し違う。
『愛と死』を初めて読んだ時、
古さではなく、むしろ、なにか神聖な感じを受けたものだ。

この作品のセリフは、大正時代?を強く意識している。
イントネーションやアクセントではなく、
言葉遣いが違う。
観る側は、この違和感に慣れるか、あきらめるしかない。

製作陣の、
「大正期の空気を醸し出したい」、
という強い意思を汲み取ることができる。

1.松田優作はミスキャストではないか?
Wikipediaでは、
「アクション俳優として勇名を轟かせていた松田優作に、
監督が直径1mの円を描き
『この中から出ないような演技をしてください』と指導し、
彼の新境地を開かせた作品」
と紹介されている。

10年おきくらいに、何度も本作を観る機会があった。
しかし私は、一度たりとも
松田優作の ″新境地″ を感じられないのだ。

松田優作は、本作のために役柄を作りこんだりはしていないと思う。

もちろん、アクション映画ではないから
多少のアジャストはしているだろうが、
『家族ゲーム』とは違う次元だ。

本作での松田優作は、
誰もが知る松田優作であり、
『野獣死すべし』や『蘇える金狼』となにも変わらない。

2.美しい映像と音楽
「武満徹 ″風″ 」なのか、
単に「雅楽」なのか、
浅学な私にはわからないが、
雅楽器を用いた音楽が、作品全体に謎めいた雰囲気を醸し出す。

3.『ほおずき売りの婆さんを怖がるように』
とにかく、全編を通じて
わけの分からないセリフ、シーンが多い。
この世界観を受容できるのか、できないのか。

まとめ

◆大正期のムードを満喫したい方
◆夢野久作や小栗虫太郎、中井英夫が好きな方
◆鈴木清順を無条件に崇拝する方

大正浪漫のかほりを感じてゐるのです(笑)。
そのような皆さま向けの、ニッチマーケット向けマニアックな作品。

つまり、わたしの☆は、2.0

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Haihai

3.5生者と死者が交わる境界にある迷宮劇場

2024年5月27日
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『ツィゴイネルワイゼン』よりも分かりやすく、より死者との関わりが深くなった内容です。劇作家の男が三度偶然に逢った女性との現実とも幻想ともつかない迷宮のような恋愛に取り込まれていくお話しです。主人公のファム・ファタルが彼のパトロンの妻なのか、彼が出会った別の女性はパトロンの前妻の亡霊なのか、ミステリアスでいて怪奇的な展開が妙に心惹かれます。一方、途中から登場する原田芳雄のキャラの必然性がイマイチ理解できず、彼が関わる人形のエピソードと本筋のつながりが分かりにくいです。その分、田舎芝居の舞台を借りた、あの世劇場・陽炎座のシーンは生前の罪を裁かれているようでインパクトあります。ここでも鈴木清順の好みなのか、ケレン味たっぷりの劇中劇がでてきます。役者では、松田優作がこの異常とも言えるキャラに人間味を与えています。大楠道代のファム・ファタルも魅力的でした。

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シネマディクト

4.0主演の二人より

2024年2月18日
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鑑賞方法:映画館

難しい

主演を越える
助演の加賀まりこ
ですね。

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こえん

5.0わからない作品に対して

Mさん
2024年2月1日
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拒絶反応を示すことが多いのだが、時々無性に魅力を感じることがある。
鈴木監督がいくつの時の作品なんだろう。
とても魅力的な作品。(たぶん)傑作!

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M

5.04Kデジタルリマスター版を観て

2023年12月16日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

寝られる

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ユート

2.5わからない…

2023年12月3日
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鈴木清順を観ることはもう無いだろう
と思ってしまうくらいに楽しめなかった。

唯一良かったのは、
初めて松田優作の魅力が分かったこと。
終盤のもぬけの殻感は良かった。

あと加賀まりこはずっと加賀まりこだった…。
素晴らしい存在感。
(「ツィゴイネルワイゼン」の樹木希林然り)

その他は全く意気投合できなかった…。

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JYARI

4.0歌舞伎や人形浄瑠璃の要素が垣間見られる異色作

2023年11月19日
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鑑賞方法:映画館

「夢二」(1991年)、「ツィゴイネルワイゼン」(1980年)に引き続き、鈴木清順監督生誕100周年記念でデジタルリマスター版が上映された「陽炎座」(1981年)を鑑賞。 「大正浪漫三部作」と言われているものの、本作の舞台は「大正から昭和に変わった東京」と銘打たれていたので、「大正浪漫」に数えていいのかなとも思う。ただ話の始まりは、大正天皇が崩御された1926年だったし、改元はこの年の12月25日だったので、まあ大正時代のお話と言っていいのでしょう。

三部作を通じて、原田芳雄や大楠道代などが共通して出演しており、役柄や風体も似通っているため、話の筋が異なっていてもなんとなく他の作品を引き摺ってしまいました。ただ本作の主役は松田優作で、こちらは三部作中「陽炎座」にしか出演しておらず、中村嘉葎雄とともに作品の主軸を担っていました。どちらかというとアクションスターのイメージが強い松田優作ですが、本作では実に静かなもので、中々新鮮でした。

また、三部作全般に言えることですが、場面の入れ替わりが唐突な感じで、ジーパンならずとも「なんじゃこりゃあ」と思うこともしばしばありましたが、本作を観て思ったのは、これって演劇的手法を取り入れているんだということ。舞台劇と違うのは、舞台の場合は場面を転換をする際にそこそこ時間が掛かるので、観ている方もそれと認識して心の準備をするものの、映画においては瞬時に舞台転換出来るため、いきなり場面が変わると所在が分からなくなってしまうことがありました。でも本作は、セリフ廻しも舞台劇っぽい部分が多々あり、そのためいきなりの場面転換もそれとして認識することが出来た感じでした。

それにしても大正時代というのは、どういう時代だったんでしょう。大正浪漫三部作で描かれているのは、どちらかと言えば”上級国民”とか知識人層の物語でしたが、和服を着る人が多数を占め、風習や社会制度においても、まだまだ江戸時代のそれを色濃く残した時代として描かれていました。大正12年(1923年)の関東大震災後の混乱を描いた「福田村事件」などは、一般庶民の姿を描いていましたが、髪型こそ髷は結っていないものの、こちらも時代劇で観る江戸時代とそんなに変わらない雰囲気を漂わせていました。

いずれも映画であり、ドキュメンタリーではないため、どこまで大正の意匠が正確に反映されているかは測りかねますが、仮に1930年代から40年代に掛けての戦争の時代がなかりせば、現代の様子もかなり変わっていたんだろうなと、思ったところです。

最後は映画の話から随分と離れてしまいましたが、演劇、特に歌舞伎や人形浄瑠璃的な要素が垣間見られた独特の作風を魅せてくれたということで、評価は★4とします。

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鶏

4.0見えるけど存在しない陽炎を存在証明にする冒頭から面白い

2023年11月16日
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つとみ

3.0現実と虚構が入り交じる独特の世界観

2023年5月4日
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鑑賞方法:映画館

泉鏡花の同名小説を原作に鈴木清順監督、松田優作主演の映画。
シュールな世界で、現実と虚構が入り交じり、着物の女優たち、襖絵など様々な美術や踊りが不思議で独特の世界観を作り出している。実験的な映画とも言えそう。
松田優作の飄々としたした風貌で一人常識的な人間を演じている。不気味で意味不明な人たちの男と女の関係に引きずり込まれる松田優作。

あまりのめり込めなかった。

広島市映像文化ライブラリーには結構の観客がいたが、多くは男性であった。

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M.Joe

4.0幻想×幻想

2022年8月3日
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現実と夢が少しずつ混ざり合い、最後は夢に飲み込まれるような作品。

小説にいい感じで設定改変とエピソード追加がされてるけど、お稲さんをドイツ人にしたのは謎。他の小説ネタも入れられてそうだけど、泉鏡花に詳しく無いから分からないのが残念。

品子さん表情もお着物も素敵でうっとり。
退廃的で妖艶な映像も大変好みでした。

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セツ

3.0大正浪漫

2022年4月29日
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鈴木清順映画は夜中によくテレビでやっていた。不気味な演出はトラウマ的に頭に残っている。前衛的な前時代表現により大正イメージは歪められたかもしれないとも今になって思う。話自体は総じて感じ入るところはなかった。
特筆すべきは松田優作のひょろっとした風体。時代のついた風景によくはまる。まさか楠田枝里子が女優をしていたとは、改めての発見。

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Kj

3.5夢であった方がいいのだ

2020年3月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

大楠道代 35歳
加賀まりこ 38歳
楠田枝里子 29歳
彼女達がオバサンと見えるなら、まだ本作を受け入れる準備が出来ていないと思う

自分もかってそうであったから全く本作の価値がわからなかった

彼女達がなんと美しいのか、エロシズムに溢れているのかと驚嘆して食い入るようにその美しさを貪ることが出来るような歳になって、やっと見えてきたように思う

前景で行われる演技の背景には血みどろの凄惨な場面を詳細に描いた障壁画が大きく見せられる
女性の情痴の果ての愛憎の怖さ
それが、これでもかと展開中されているのだ

本作は松崎が覗く人形の裏、からくり眼鏡のようなものだ
彼女達への欲情の果ては恐ろしい結末が待っている
夢であった方がいいのだ

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あき240

2.0泉鏡花作品

2019年4月14日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 どこまでが幽霊なのかわからない。心中マニアと春画と人形。玉脇がらみの女がつきまとう。楠田絵里子の貴重なヌードはほんの一瞬。大楠さんもいい!

 歌舞伎の世界とかおどろおどろしい世界観は結構よかったのに、ラストが冗談っぽくて全体的にコメディ仕立てなイメージが残ってしまう・・・もっと艶っぽくしてくれたらいいなぁ。

 終盤に背景として出てくる血なまぐさい絵が雰囲気でてました。

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kossy

4.0恋愛喜劇

2019年1月31日
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鑑賞方法:VOD、映画館

興奮

知的

難しい

前にも増して奇妙奇天烈なパラレルワールドのようにも映る場面の切り替えなど、編集のテンポが良く清順美学の世界観に魅了される。

終盤、俳優の存在感そっちのけで子供たちの舞台を永遠と見せ付けるような演出にブッ飛び過ぎて呆気にとられてしまう!?

滑稽でトボけた演技を披露する松田優作の後半から異様な人物に変わる様はおどろおどろしい。

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万年 東一

5.0

2014年11月1日
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興奮

永遠に夢のような映画。
松田優作といえばハードボイルドなイメージですが、この映画ではシュールな紳士。
彼の新境地を開いた作品ですね。
映像がどこを止めても絵になるような美しいエロティシズム。
初めてみた時に衝撃すぎて理解不能だったため、2回3回とみていくとどんどんハマっていく。
鈴木清順の魔法にかけられた139分。

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前菜