「谷崎の世界は伝わらず… (でも、受賞)」鍵(1959) jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
谷崎の世界は伝わらず… (でも、受賞)
ちょっと 癖のある原作の映画化の割には、腰が引けているような市川 昆
剣持(二代目 中村 鴈治郎)の興奮も妄想も 何も伝わらない
鴈治郎も 助平親爺の風体は整えたものの、躊躇が見える…
(あんまり 女性に興味なさそうな人でもあるし)
腰が引けてる監督に 仕事振られてもね!
剣持の人間的本質と興味が、主題であるのに 踏み込まず、暗喩や鴈治郎の解釈に逃げている
まだ 若い仲代達矢が、薄っぺらな若い医師を好演している
(現在の老いた 仲代の方が、ずっと美しいことにも 驚く!)
北村谷栄は この頃からもう、老婆を演じている!
京マチ子の眉毛の角度に ビックリ!
眉毛で魔性を表現したつもりだろうか
「陰翳礼讚」のままの 日本家屋の佇まい(障子、瓦、竹林等)と 京マチ子の色っぽさは、谷崎文学と共に
外国人受けし、カンヌ国際映画祭特別賞、ゴールデングローブ賞(外国語映画)をゲットしてることにも
驚き!
おかしみもある原作だと思うが、何だかとても 陰気な物語になってしまった…
市川 昆のイマイチな、勘の悪さ みたいなものを感じる
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