怪塔伝
劇場公開日:1951年3月17日
解説
製作は、「地獄の血闘」の小倉浩一郎、雑誌面白倶楽部連載の角田喜久雄の原作より、「消防決死隊」の八尋不二が脚色、「将軍は夜踊る」の丸根賛太郎がメガホンを取っている。出演者の主なものは、「地獄の血闘」の鶴田浩二の一人三役、「情艶一代女」の折原啓子、「千石纏」の月形龍之介、「エノケンの八百八狸大暴れ」の宮城千賀子などである。
1951年製作/85分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1951年3月17日
ストーリー
浅草馬道の小料理屋「初音」に働くみやのもとへある日一枚の紅絵を預けた若侍は、菅野新四郎といって、かねてみやが心をよせていた相手だった。その時不気味な老婆がみやの許へやって来て「三月五日の誕生日を気をつけなされ」といって去った。桜樹の下で弄り殺しにされる美女、その背後の白塔--が図柄であったが、この絵をめぐって、白塔一味と、新四郎、大岡越前守につながる忍者鉄斉などが動いているのには、十八年前にさかのぼる因縁があった。尾張藩士安財数馬が、将軍家跡目相続のもつれで将軍吉宗を狙撃して果たさず切腹したが、数馬の一子芳太郎は殺される筈のところ、上田主殿の計らいで一命を救われ姿を消した。その芳太郎の行方と、彼成人の暁一万石にて尾張藩へ復帰させるというお墨付きのありかが、一枚の紅絵にかくされているというのである。数馬の妾歌江の父一貫斉は歌江がその秘密を明かさず殺されてから狂人になったが、絵師であったので、沢山の紅絵を描きその一枚にその秘密をかくしたというのである。白塔一味は新四郎たちの裏をかき、紅絵の秘密を奪い、偽の芳太郎を仕立て本物芳太郎の幼い時からの許婚みやを三月五日に誘かいして無理に祝言をあげさせようとした。新四郎や鉄斉は身に傷を負ったが、みやや芸者小春などの献身的な努力で再起、白塔一味を壌滅させた。その新四郎こそ芳太郎で、みやとめでたく祝言をあげた。