快傑まぼろし頭巾
劇場公開日:1954年9月28日
解説
「恋しぐれ 浅間の火祭」を脚色した加藤泰の原作を「蛇姫様(1954)」の西条照太郎が脚色、「一本刀土俵入(1954)」の佐々木康が監督、「恋しぐれ 浅間の火祭」の三木滋人が撮影する。「霧の小次郎」の大友柳太朗、「犬神家の謎 悪魔は踊る」の千原しのぶ、「暗黒街の脱走」の三浦光子、「蛇姫様(1954)」の小島洋々のほか、永田靖、立松晃、加賀邦男、山口勇、星十郎等が出演する。
1954年製作/52分/日本
劇場公開日:1954年9月28日
ストーリー
鳥羽伏見に敗れた幕府は陸軍副総裁松平太郎の言により、伊豆山中に住む科学者香川春山が発明した強力火薬を手に入れるため、主税と目明し紋吉を派遣し、春山を江戸城に召した。然し春山は薩摩藩との間に密約があって秘法を明かさないので、幕府と結托する武器商ウィルスンの館に檻禁された。薩摩の益満と伊牟田も伊豆へ来た。神出鬼没の黒頭巾と称する男は、春山の娘雪江と弟子勘太に製法図を持たせて逃がす。ウィルスンの邸に忍込んだ黒頭巾は雪江と勘太がそこに捕えられていたのを助けるが、製法図を奪いかえした勘太は横浜の街中で主税一味に追われ、伊牟田と黒頭巾の活躍も空しく勘太は主税に捕われた。幕府は直ちにウィルスンの商館で火薬製造に掛るが、ここに住むインド人パールとは黒頭巾の変装だった。ウィルスンの妾お新は、かつて春山が長崎で芸者に生ました娘だったが、母を捨てられた復讐に春江と勘太を人買いの手に渡した。秘かに慕う黒頭巾に責められたお新は、後悔してそれを告白した。黒頭巾はシナ人に変装して魔窟に乗込んで二人を助けた。其頃ウィルスンの館ではお新が春山を救出し、紋吉や用心棒許永昌等と必死の争いをする。そこへ急をきいて伊牟田が斬りこんだが、ウィルスンの拳銃に立往生した時、黒頭巾が現われた。そして更に雪江と勘太から知らせを受けた薩摩屋敷から、益満以下の助勢がかけつけ、ウィルスンはお新に、主税は益満に斬られる。然し幕府の追手は益々数を増し、黒頭巾も危機に陥った時、討幕軍の先遣隊が続々と到着した。かくて春山の火薬は薩摩の手に渡り、官軍の堂々たる行進の中に、黒頭巾をぬいだ薩摩藩士村木弦之介の馬上豊かな姿が見受けられた。