「高倉健と森繁久彌の名演に浸る。」海峡 syu32さんの映画レビュー(感想・評価)
高倉健と森繁久彌の名演に浸る。
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東宝創立50周年記念作品。
Blu-rayで鑑賞。
青函トンネル開通の難工事に挑んだ人々を壮大なスケールで描く超大作。
自然に戦いを挑んだ人々の様子が胸熱の極みでした。
寒々とした飯場の様子や冬の津軽海峡の風景が、木村大作の見事なカメラワークで捉えられていて圧巻の一言でした。こちらまで体がしばれて来る…。
浸水や岩盤崩落シーンが圧倒的なスペクタクルなので、めちゃくちゃ心を打ちのめされました。何て困難な工事なのかと、果てしなさに呆然としました…。
過酷な環境下で奮闘する姿に心を揺さ振られました。
主人公は、高倉健演じる工事の現場責任者。未だ誰も経験したことの無い大事業に不撓不屈の心を持って挑みました。我慢強く堪えて堪えて、降り掛かって来る数々の困難を仲間たちと共に乗り越えていく姿は、まさに高倉健の真骨頂だなと思いました。
脇を固める吉永小百合や三浦友和などの豪華キャストの中でも出色なのが、森繁久彌演じる発破職人集団の棟梁だなぁ、と…。昭和の名優の演技が光っていました…。主人公の熱い想いに応える形で難工事に挑む姿はとても男らしくて、その背中に一生着いて行きたくなりました。浸水事故に遭遇し亡くなってしまいましたが、その意志を受け継ぎ工事完遂へのエネルギーに変えて邁進する主人公の姿がまたまた感動を誘いました…。
度重なるアクシデントを経験しながらも、最後の発破によりトンネルが開通した瞬間には思わず涙が零れました。前人未踏の工事に情熱を燃やし、途上で命を落としてしまった人や彼らを支えた人々の想いが、クライマックスの感動に繋がっているのだなと思いました。
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