「脚本は橋本忍ですが、大きな改変や脚色は見られず、普通に映画化されています」女殺し油地獄(1957) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
脚本は橋本忍ですが、大きな改変や脚色は見られず、普通に映画化されています
女殺し油の地獄
1957年11月15日公開、東宝 カラー作品
ご存知、近松門左衛門の1721年初演の人形浄瑠璃が原作です
河内屋与兵衛
二代目中村扇雀与兵衛
シッカリとダメ男を演じてくれます
目の色の演技が良かったです
徳兵衛
二代目中村鴈治郎
さすが、そのものになりきってます
妻のさわが豊島屋に現れて金を落としたのを見つけてからの演技は見ものです
お吉
新珠三千代
お歯黒をして出演しています
まだ27歳なので、できるかぎり年増の人妻に見えるようにしています
いい女感は出しても性的なものを感じさせるようには一切撮られていません
脚本は橋本忍ですが、大きな改変や脚色は見られず、普通に映画化されています
与兵衛の市中引き回しのシーンから始まります
千日前屠場とは、ビッグカメラが今建っているところだそうです
初段 野崎参り
屋形船は大阪城の北にある八軒屋浜から寝屋川を遡り徳庵から住道を経由して、現在のJR野崎駅の南の観音浜まで運行されていたそうです
屋形船での初夏の行楽の楽しさが映画化のメリットとしてしっかりと写されます
その後は
二段河内屋、三段豊島屋と普通に続きます
殺害シーンはもっと映画らしい演出がされるものと期待したのですが、さほどのことは無くすこしガッカリです
ネズミの一件はなく、与兵衛が自首したことになっています
インチキ祈祷師が胡散臭い味をだしていて面白いです
大阪弁が早口で応酬されます
全員ネイティブなので興醒めするような言葉遣いはありません
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