「現実の延長線上にあるファンタジー」お引越し HKさんの映画レビュー(感想・評価)
現実の延長線上にあるファンタジー
両親の別居を背景に女の子の成長を描いた物語で、とにかく映像が面白い。
歩いたり、走ったり、自転車、バイクや自動車に乗ったり、
様々な景色、バリエーションの移動シーンを挟みつつ、
心身ともに彷徨いながら最後は美しい詩的な異世界に足を踏み入れる。
映像は複数の角度から切り替える画面構成を極力抑え、
やや窮屈で違和感がある感じでも一つのフレーム内に収めて、
特別ではない内容の会話のシーンでも印象的で余情があって、記憶に残る。
また全般にクローズアップ等による過度な強調も抑えられて
ドキュメンタリーっぽい雰囲気もあり、
後半の幻想的な描写も突然ではなく、現実と地続きの延長線に表出、
表現されているので余計に感動。
映画館で集中してみると、
以前テレビでさらっと見たときにはわからなかった気づきも多く、楽しく見ました。
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