劇場公開日 2024年12月27日

「傑作!痛いくらいリアル、そして幻想的!」お引越し やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0傑作!痛いくらいリアル、そして幻想的!

2024年12月29日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

この作品を4Kリバイバル上映されるまで見逃していた(知らなかった)ことに後悔してます!たぶん子持ちの家族の方が鑑賞されたら、私みたく身につまされ胸が辛くなる人も多いかもしれません。

関西弁(京都弁?)ですし、人物の配置からして名作「じゃりン子チエ」の実写版かと思い、ヒューマンコメディを想像して最初気楽な感じで鑑賞しはじめたんですけど、全く逆でした。

最初の三角テーブル(こんなんどこで買う?)のシーン、「関係崩壊した夫婦間の凍てつき重い空気の中で、必死に場を和ませようと要らんこと話す、レンコ(若き田畑智子さん)の姿」が印象的でした。この違和感アリアリの雰囲気を一瞬で表現しこの家族の関係性を明確に示す演技は、父役の中井貴一さんは勿論素晴らしかったですが、びっくりしたのが妻なずな役の桜田淳子さんの演技です!もう、名演って言っても良いくらいの迫真の演技じゃないでしょうか。冷徹な妻(笑)と優しい母の演じ分けがあまりに自然過ぎてちょっと恐ろしいくらいでしたよ。思えば作品公開ほぼ同時期に彼女の身辺で起こった出来事により、彼女の芸能活動が実質不可能になってしまったことが悔やまれてなりません。

シナリオも秀逸で夫婦間の関係崩壊の理由が、ステレオタイプで分かり易い「男の浮気」とミスリードさせつつ、「妻の不倫」も匂わせつつ・・・一番厄介な「感情的な嫌悪感の継続による人格否定」に落ち着いちゃうのが、リアルすぎで男性側として個人的に胸が痛いです(笑)。

各々のアイデンティティやプライドの保持の為に大人になると何だか難しい手順や駆け引きが必要なのに対し、レンコの小学校の男友達が「レンコが転校したら困るわ〜」って、なんの飾りもなくストレートに自分の言葉として伝えているのを観て、ほんま良い友達やなあ、と胸が熱くなりました。

物語終盤は、古来から続く日本の祭りをモチーフにしつつ幻想的なシーンで締め括られていて、レンコの自立が暗示されてて良かったと思います。

この機会にぜひ映画館でご鑑賞ください!

やまちょう
talismanさんのコメント
2024年12月31日

のんちゃん映画、追いかけま~す!

talisman
talismanさんのコメント
2024年12月31日

いい映画でした!家族3人、それぞれの俳優が素晴らしい!三角テーブル見ただけでギクッとしました。桜田淳子の役者ぶりに私も感動しました

talisman