「離婚する親の状況なんて子供には関係ない」お引越し Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
離婚する親の状況なんて子供には関係ない
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総合:65点
ストーリー: 70
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 75
音楽: 65
親の離婚問題で大人の事情が理解出来ず、子供の立場で問題を見つめている。親に何があろうが、子供にしてみれば自分の責任でもないのに大きなものを失い生活が変わるということには変わりない。離婚します、はいそうですかというわけにはいかないだろう。状況を受け入れる過程が彼女の視線から描かれていて、それが彼女の演技とともに魅力的だった。彼女が出会ったお爺さんの息子が天国にいることをほのめかされて、天国に向かって「いただきます」と笑顔で言うなんて良い意味で意表をつかれた。大人だったらお悔みくらいしか思いつかない。一晩中娘を探し回って、でも朝にその姿を見つけても怒ることもなく笑顔で話しかける母親は、娘の気持ちを理解しているからだろう。
だが子供の感じる寂しさややるせなさを描くのはいいのだが、琵琶湖畔の旅で母親から逃げるようにして一夜を過ごし朝を迎える場面が20分くらい続くのは、長すぎてちょっと退屈を感じた。現実の世界からいきなり幻想的な世界になっていて見ていて少し戸惑ったし、ここをうまく短くまとめてくれていたらもっと評価出来た。
田端智子はこれが初舞台らしく、こんな子供の時から女優をやっていたとは知らなかった。
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