男はつらいよ 拝啓 車寅次郎様のレビュー・感想・評価
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89年クリスマスイブは牧瀬さんと一期一会♥妄想だよ
長浜じゃなくて彦根に友人だった人がいる。彼はこの映画と同じ仕事を今でもしている(様だ)。ネットでその老け具合が分かる(分かっていた)。
だがしかし、その後の気配が更新されなくなった。
さて。
彼の結婚式は彦根にあるホテルだった。その前日の夜に彼のはからいで、その配偶者になる方の実家がある余呉湖へ、夏の気配が訪れる時訪問した。
僕が東京から来たと言う事を知っていたので、彼女のご両親は手厚く振る舞ってくれた。
しかし、彼女のご両親との関係は、その晩と結婚式での一期一会だった。
でも、
一期一会の家族の方との出会いは、その年の夏を演出してくれた。
それは帰りの車での事。
車を川が流れる傍らに止め、車灯を消した。さて、
川の上に重なる光の流れが、道に並行して走っていた。
蛍川だった。
夏が始まったと思った。もう、40年前の琵琶湖の夜の出来事である。
いつの間にか、とら屋がくるま屋。いつから?
女の幸せ・不幸せ…その間を泳ぐのが男。
「男はつらいよ」シリーズ第47作。
Huluで「HDリマスター版」を鑑賞。
満男が無事就職して半年。仕事について悩んでいた矢先に、大学時代の先輩から手紙が届き、地元の山鉾祭を見に来ないかと誘われました。相談したいこともあるらしく、休暇を取って一路琵琶湖の畔の街・長浜へ…。
偶然、寅さんも長浜にいました。当地で出会った写真家の典子と意気投合。左腕を脱臼した彼女を介抱するなどして距離を縮めていきましたが、彼女にはすでに夫と娘がいて…。祭の日、夫が典子を連れ戻しに来て…。
一方、満男は先輩の家に厄介になっていて、先輩の妹・菜穂に恋心を抱いていました。祭の日、勇気を出して「付き合ってる人いるの?」と訊くも煮え切らぬ返事…。そこへ寅さんが通り掛かり、素晴らしい助言をくれました。「いたっていいじゃねぇか。そいつと勝負すりゃあいい」。菜穂にも「こいつを頼むぜ」と言って、人混みに消えてしまう寅さんなのでした…。
先輩が言っていた“相談”というのは…「妹をもらってくれねぇか?」…やっぱりねぇ…(笑) 菜穂の気持ち次第だと満男は言いましたが、当の菜穂は不快感を示し、女の幸せは結婚だなどという旧弊的な考えを押し付けられたくない、自分の幸せは自分で選び取りたいと反発。兄とグルになった満男も嫌いだと言って、一旦は振られた形となった満男なのでした…。
そしてお正月―。
失恋の後遺症で年明け早々クサクサしていた満男の元に、振られたと思っていた菜穂が訪ねて来た! すっかり機嫌が治ってしまい、土手の階段を軽快に駆け降りる満男。その顔には満面の笑みがあったのでした…。
――
娘と歩いている典子の幸せそうな様子を見て、「俺の気は済んだ」と言い、彼女に会わずに身を引く寅さんの背中に漂う哀愁が堪りませんでした。
【余談】
タイトルは「拝啓天皇陛下様」のオマージュ?
鉛筆のシーンは営業マン必見!
靴の営業という仕事に自分が向いてないんじゃないかと悩んでいる満男に対して、寅さんは「この鉛筆売ってみな」と営業の心得を説明するシーンがいい。脚本があるんだろうけど、この売り方は上手い。だけど60円が20円になっちまった。
寅さんは琵琶湖のほとりで人妻写真家のかたせ梨乃と出会い、満男は先輩の妹である牧瀬里穂と出会う。実は、先輩は満男に妹と結婚を前提に付き合ってみないかと相談をもちかけてきたのだった。祭りがかなり映画に取り入れられ、子ども歌舞伎の雰囲気も伝わってくる。祭りをこれだけ長く撮ったのもシリーズ初じゃないでしょうか。
細かいこと言うと、満男が長浜に着いた時に乗ったタクシーが数カットあるのですが、最初のカットでは乗務員証が無かった。こんなことに気づくのはタクシーばかりに目が行くせいだ。
もう一つ興味深かったのは真宗大谷派長浜別院大通寺。ここに加賀千代女の句があるという。満男は帝釈天のこともあってか寺が嫌いだったようですが、長浜に行くことがあれば訪れてみたい寺だ。代表句「朝顔につるべ取られてもらい水」
かたせ梨乃の役は人妻。別れてもいないし、夫を愛してないというだけ。どうも寅さんのマドンナとしては成立しないような中途半端なエピソードだったし、満男と牧瀬里穂との縁談話も中途半端で終わってた。
拝啓渥美清様
シリーズ47作目。
晴れて就職した満男。靴の販売や卸をする小さな会社。働き始めてまだ半年だが、不得意な営業や残業にうんざり。
柴又に帰って来た寅さん。満男に鉛筆売りの実演をレクチャーしてみせる。鉛筆の良さや亡き母との思い出話を絡め、堅気の商売ではないが、物売りの大先輩に皆感心。寅さん、お見事!
満男の下に、滋賀県・琵琶湖の近くの長浜に住む大学の先輩からハガキが。町で行われる祭りの誘いと、何やら相談があるとか。
休暇を取って、長浜へ。
一方の寅さんも琵琶湖の辺りを旅していた。
そこで、撮影旅行をする女性・典子と知り合う。
典子が転んで怪我をしてしまい、同じ宿に泊まる事に。
聞けば、人妻。夫婦関係は冷え切っている。この撮影旅行は年に一回のお楽しみ。
そんな典子に同情する寅さん。
翌日琵琶湖を回る約束をするが、夫が迎えに来て…。
かたせ梨乃がしっとりと大人の女性を演じる。
長浜にやって来た満男は、大きな旧家である先輩の家に泊まる。
そこで出会ったのが、先輩の妹・菜穂。
昼寝をしていた菜穂の顔に見とれ、起きた菜穂は激怒。
牧瀬理穂が強気な美少女を演じ、これまた魅力的で可愛らしい。
出会いは最悪だが、打ち解ければ意気投合。すっかり仲良くなる。
祭り見物中、「付き合ってる人とか居るの?」と聞く満男。はぐらかすように答える菜穂。
そこに突然話し掛けてきたのが、偶然再会した寅さん。
「居たっていいじゃないか。そいつと勝負するんだよ」
そう言い残し、満男は後を追い掛けるも、寅さんは人ゴミの中に消える…。
先輩からの“相談”とは、余りにも唐突な菜穂との縁談の話。
動揺する満男。
が、満男も菜穂もお互い気になり始め、名残惜しく満男は柴又に帰る…。
ところが、この縁談話は先輩が勝手に決めたもの。それを知って、またまた菜穂は大激怒…。
後日、満男は柴又にやって来た先輩からその話を聞かされ…。
寅さん不在のくるまやを訪れた典子。
帰って来た寅さんは、満男の運転で典子に会いに行くが…、
家の前で、子供と幸せそうな姿の典子を見て…。
もはや定番となった寅さんと満男の2段セット恋物語。
今回はどちらも淡く、儚く終わる。
またまた失恋同士となった二人。
「恋にくたびれた」と言う甥っ子を、おじさんは一喝する。
「燃えるような恋をしろ。大声出して、のたうち回るような、恥ずかしくて死んじゃいたいような恋をするんだよ」
物売りのレクチャーもいいが、やっぱり寅さんは恋の大先輩。江ノ電駅での二人の別れは本作の名シーン。
祭りの雰囲気や琵琶湖の風景も美しく、話も切なさの中に幸せや喜びを感じ、最終作を前に弾みを付けた。
本作出演前にドクター・ストップを受けた渥美清。
確かに肌につやが無く、声も枯れ始め…。
いつ尽きてもおかしくない余命で、次作でいよいよ“最後の寅さん”に臨む…。
満男は靴のメーカーに就職して渋谷などで営業を行う。 牧瀬里穂は...
満男は靴のメーカーに就職して渋谷などで営業を行う。
牧瀬里穂は当時『東京上空いらっしゃいませ』でめちゃくちゃ可愛いと思って何度も見るほど好きだったのだけど、現在のギスギスした感じの彼女を見ているせいか、あんまりかわいいと思えなかった。
かたせ梨乃が写真家で撮影旅行をボルボでする。
寅さんがますます弱々しくて切ない。元気な寅さんに会いたい。
そのために人間は生きてんじゃねぇのかなぁ。
映画「男はつらいよ」(山田洋次監督)から。
(何作目かわからなくなりました・・すみません。
とりあえず、レビューをしたかったので。(汗))
私は何のために生まれてきたんだろうって、考える時が、
誰にだってあるはずである。
私も、40歳を超えた頃からよく考えるようになったが、
結局は結論が出ずじまいで終わり、今に至っている。
ところが、ちょっとしたヒントをこの映画で見つけた。
「なんていうかなぁ、ほら、アー生まれて来てよかったなって
思うところが何べんかあるだろう。
そのために人間は生きてんじゃねぇのかなぁ」
これって、答えになっていないかもしれないけれど、
なるほどなぁ・・って思ってメモをした。
「○○のため」と定義しなくても、
とても幸せな気分に包まれて、アー生まれて来てよかった・・
と思うことは、何度もある。
そんな気分を味わうために、生きているらしい。
そんなこと言ったって、と反論する人もいるだろう。
しかし、きっと何度か、そう思う時がやってくる。
そう信じて、毎日を過ごすこともいいんじゃないのかな?
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