男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日のレビュー・感想・評価
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地上げか!懐かしい。今じゃ、裏社会も困窮す。
『医者が患者を向かいに来る』なんて現実的な話ではない。デフォルメの範疇じゃない。
自宅で安らかな死を望むのは嫌だ。機械に生かされていても、病院で死にたい。
この考え方があのPLAN7◯に繋がる。
残念ながら、医者はそんなに聖職ではないし、そう考えては駄目である。
リテラシーは勉強しただけでは身につかないと僕は思う。
初見かと思ったが、やっぱり二回目の様だ。全くストーリーを覚えていなかったが、短歌が登場して、二回目と分かった。
兎に角、昔を温故知新で語れた最後の時期なのだと思う。
勉強は何の為にするか?他人に騙されない様にする事。
しかし
現在は良い会社に就職する為と思われているのかなぁ。
人生の筋道を立てるために…。
「男はつらいよ」シリーズ第40作。
Huluで「HDリマスター版」を鑑賞。
原作(俵万智「サラダ記念日」)は未読です。
またまた夢のシーン無し…。
もしかしたらもう無いのかしら…?
信州小諸で女医・真知子(「柴又より愛をこめて」のマドンナと名前被り(笑))と出会って一目惚れ。姪の由紀ちゃんとも仲良くなって、進路で悩んでいる満男も由紀ちゃんと同じ早稲田大学に入りゃあいいんじゃないかと考えて、寅さん下見に行く(笑) 由紀ちゃんを探して親切な学生・茂くんに案内してもらった講義室で、いつも通りの寅さん節でもって特別講義(「寅次郎頑張れ!」のワットくんが起こした騒動について)(笑) 大爆笑をかっさらうんだからなぁ…。純粋な少年のような一面を持っている寅さんだからこそ成し得る技なのかもしれない。
真知子と出会うきっかけとなった老婆が危篤という知らせを受けて、茂くんの運転する車で由紀ちゃんと共に駆け付けるも間に合わず…。真知子は、入院するのを嫌がって想い出が染み付いた自分の家で死にたいと言っていた老婆を無理矢理入院させたことを悔いていました。誰かの人生の終幕に、医師であるとは言え、他人である自分たちが介入して良いものだろうか…? そんな真知子にそっと寄り添う寅さん。真知子の方も寅さんに死に別れた夫の面影を見ており…。ということでいつもの癖が発動して、自分から身を引くことにしたのでした…。
――
寅さんも歳を重ねて来たせいか、人生にまつわる名言・金言を言うようになって来ました。自身の人生経験から出る言葉だけに、真っ直ぐ心に刺さって来るから心地好い…。
満男が成長し、思春期真っ只中です。進路について絶賛お悩み中なのでございます。そんな彼の疑問に、前作に引き続いて真摯に答えようとする寅さんなのでした…。
「何で勉強なんかしなきゃいけないのかなぁ…?」
「人間、生きてりゃいろんなことにぶつかるだろ? そんなとき、俺みたいな勉強してないヤツは振ったサイコロの目で決めるとか、そのときの気分で決めるしかない。でも、勉強したヤツは自分の頭できちんと筋道を立てて、はて、こういうときはどうしたらいいかなと、考えることができるんだ」
…勉強したことなんて役に立たない、なんて言う人が多いけれど、生きていくために必要な考える力を養うための訓練なんですよねぇ…。長年の経験から、寅さんはそれをよく分かっているからこその、上記の言葉なんですなぁ…。
【余談】
とらやからくるまやに店名変更。
思い返せば、変わったのはそれだけじゃなくて…。
年代も現在に近付いて来て、風景も馴染みのあるものが増えて来ました。都会の風景なんか特にそう…。
長寿シリーズならではですよねぇ…。時代の変化を切り取る…。「男はつらいよ」シリーズの歩みは、そのまま戦後日本の歩んで来た道のりと同じなんだなと思いました。
それでも寅さんは変わらない。それはもしかすると、誰もが求める理想的な生き方を体現しているからなのかも…?
【余談2】
御前様は、自宅にて座っているシーンのみの出演となりました。笠智衆の体調が思わしくなく、撮影場所も笠自身の自宅なのだとか…。これも長寿シリーズならではと言える出来事。御前様を見られるのも、あと少し…。
筋道を立てて選ぶ自分の人生
シリーズ40作目。
昭和最後の寅さん。
本作のタイトルは言うまでもなく、当時大ベストセラーとなった俵万智の歌集『サラダ記念日』から。
本作は見てなくともタイトルだけは聞いた事ある方も多いのでは? ひょっとしたら、シリーズで最も有名なタイトルかも。
俵万智の歌も要所要所で引用されている。
旅先は、信州小諸。バス停で老婆と知り合い、一晩お世話になる。
亭主とは随分前に死に別れ、子供たちは東京住まいで、一人暮らし。
笑わせていると、突然誰かに手招きし始めるおばあちゃん。死んだじいさんがそこに居るという…。
まさかのホラー!…なんてね(笑)
意外と怖がりの寅さん。
翌朝、町の病院から女医が訪ねてくる。
実はおばあちゃんは身体が悪く、入院しなければならないのだが、終の住処は我が家と決め、頑なに拒否。
が、寅さんが説得し、入院する事に。
半ば強引に入院させた事に悩む女医。
その美人女医さんに一目惚れ。
今回のマドンナ、女医の真知子を演じるは、三田佳子。
本作の前に大河ドラマで女医を演じていたらしく、女医役がぴったり。美しい大人の女性像も寅さんマドンナにぴったり。
寅さんを家に招き、東京で早稲田大学に通う姪の由紀もやって来て、由紀が短歌好きという事もあって楽しい短歌談話を。
由紀役は三田寛子で、W三田のWマドンナ。
やがて寅さんは柴又へ、由紀も東京に帰る。
途端に寂しい独り身になる真知子。
旦那とは死に別れ、一人息子は東京の母親の元に預けている。
母親からはちょくちょく再婚の話が。
今の女医の仕事を辞める事は出来ない。
一方で、仕事に忙殺し、自分の人生や女としての幸せを犠牲にしている。
仕事か、自分の人生の幸せか。
三田佳子が苦悩や悲哀、大人の女の魅力も滲ませる。
しんみりする作風のようだが、勿論寅さんらしい笑いも。爆笑ポイントは2つ。
柴又に帰った寅さんは、由紀を訪ねて早稲田大学へ。講義室で居眠りして目が覚めると、産業革命の講義中。始まる寅さん爆笑講義。シリーズ20作目『寅次郎頑張れ!』で中村雅俊が演じた“ワットくん”が話題に。
真知子も東京の実家に里帰りし、由紀と共に柴又を訪ねる。待ちくたびれた寅さん、「遅いんだよ、バカ!」と怒号。実はこれ、遅い博に対して言ったつもりなのだが、そこにやって来たのが真知子たち。あっちもびっくりだが、寅さんはもっとびっくり。
楽しいひと時も束の間、真知子が信州小諸に戻ってすぐ、おばあちゃんがいよいよ…。
寅さんも駆け付けるが、間に合わず…。
殊更ショックを受ける真知子。寅さんの肩に泣きすがる。
再び悩む。人の死に立ち合う時に悲しく苦しい気持ちを抱えたまま女医の仕事を続けるか、辞めて平穏な自分の人生を生きるか。
そんな時、急患が…。
本作から“とらや”の店名が“くるま菓子舗”に、新しい従業員の三瓶ちゃんが登場。
シリーズも40作代になると、OPの夢が無かったり、御前様もラストにワンシーンだけの登場になったり(笠智衆の体調不良)、満男も受験生として悩みに悩む。
そんな満男に対し、伯父さんからまた一つ、名言が。
満男が聞く。「どうして勉強するのかな…?」
「人間長い間生きてりゃ色んな事にぶつかるだろう?
そんな時俺みたいな勉強してない奴は、振ったサイコロの目で決めるとか、その時の気分で決めるしかない。
でも、勉強した奴は、自分の頭で筋道を立てて、こういう時はどうしたらいいかと考える事が出来る」
名言集『寅次郎サラダ記念日』より。
とてもよかった
三田佳子が息子を放置気味に育てていて、後に彼が覚せい剤に手を出し世間を騒がせることを予感させられる。劇中でひろしが『サラダ記念日』的な歌集を作っていて、三田寛子がのちの俵万智であるかのような仮想SFみたいだった。短歌がしばしば現れるのだけど、あんまりピンとこなかった。
尾見としのりが活きのいい早稲田の学生で、満男が受験で進路を悩む。寅が瀕死のおばあさんの自宅に行くのが2回目。
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