男はつらいよ 寅次郎紙風船のレビュー・感想・評価
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柴又帝釈天、川甚入口って言うバス停があった。 僕はこの映画で笑った...
柴又帝釈天、川甚入口って言うバス停があった。
僕はこの映画で笑った事や泣いた事は一度も無い。
【温かいとらやという家族を持つ寅さんが、如何に幸せな男なのかという事を丁寧に描いた作品。しみじみとした哀愁、郷愁が漂うシーン多き、佳品である。】
■今作で、寅さんが出会う人達
1.寅さんを良く知るテキヤのカラスの常(小沢昭一)
病床に臥せっており、見舞う寅さんに”俺に万一の事が有ったら、光枝を頼む”と告げる。
2.その妻で、今作のヒロイン、みつえ(音無美紀子)
両親の愛を受けれずに、不良だったと寅さんに告白する。気丈だが過去に哀しみを抱え、更に常も病気で失う。
3.家を飛び出したハッチャけているが、実は哀しみを胸に抱き、相部屋になった寅さんに惹かれ、一緒にテキヤの仕事を手伝う愛子(岸本加世子)
という、どこか寅さんの境遇に似ている人達だが、決定的に違うのは寅さんには、いつ帰っても寅さんの身を案じている温かくも盤石な砦の如き”家族”が居る点である。
<今作は、面白いシーンもいつものように多数あるが、みつえを演じた音無美紀子さんの落ち着いた風情から漂うどことない哀愁が印象的な作品である。
それと対比する形で、寅さんが帰る温かき場所がある事に気付き、みつえとの所帯を持つ事も考え、真面目に働く決意をする珍しきシーンがある作品でもある。>
大事なトコでヘタレる寅次郎は愛すべきキャラクターです。不採用通知を...
大事なトコでヘタレる寅次郎は愛すべきキャラクターです。不採用通知を読んで貰って『とんだ3枚目だね』と言ったシーンが印象的でした。
絶頂期の岸本加世子の異常な程の可愛さだけでも観る価値あります。とても良かったです。
切ない田園風景
なぜ山田洋二の描く寅さんと寂しい田舎の風景は見るだけで泣けてくるのだろう・・今回は福岡県朝倉市の田園風景、秋月の城下町、夕暮れと寺の鐘がなぜか、子供のころの秋の夕暮れとお袋の夕飯、団欒を思い出す。。。岸本佳代子のきゃぴきゃぴ感も可愛くてよかったです。
男はつらいよ紙風船
今回の話は奥が深くて素晴らしい。(10回は観てるが)
脚本としてシリーズ中評価高いですね。
まず、マドンナ音無美紀子はテキ屋稼業で寅のような男には慣れていてよく理解している。
そして、勝手に好きになって実は相手のいるマドンナということもない!
浅丘ルリ子や竹下景子いしだあゆみもそうだったが相手がヒョロっと出てくるマドンナはつまらないし寅が気の毒すぎる。観ている方もちょっと冷めるんです。
今回の音無美紀子はそんな中でもテキ屋の未亡人。リリーと似たような生き方だ。しかも気立てがよくて働き者男を立てる苦労人タイプ。
そんなマドンナが出てくるこの紙風船。
まずダブルマドンナでストーリー展開が今どきでは当たり前な手法だが、この時代ではよく練られている。
岸本加世子と音無美紀子という世代の違う立場とキャラクターの陰と陽のコントラストがおみごと。
岸本加世子は家出少女て天真爛漫。仲良くなれば抱きついてくるし、はしたない振る舞いも若い女らしいワチャワチャヤンキー娘によくいるタイプ。
音無美紀子は、影のあるワケアリ熟女(もう少し若々しさがあってもいいが)看護疲れとテキ屋で大変なので仕方ないか。
この二人が鉢合わせすることもなくストーリーが進むから落ち着いて観れる。(面倒くさいからね)
音無美紀子は寅のテキ屋仲間で死んだ夫の家を出て東京へ出てくるところから盛り上がる、知らせを受けた寅は会いに行く。とらやに食事に誘って急接近になるがだんだん素っ気なくなる…。
テキ屋の妻で苦労ばかりしてきた音無美紀子は東京の旅館で自立しながら前に進んでいる。
そんな彼女のこれからの人生を再びテキ屋稼業の自分が壊すわけにはいかねぇ!
真っ当な仕事をして世帯を持つことを夢見るがそれも難しいことはよくわかっていた寅はこれ以上彼女に迫らないと決めたのだろう。
ヤクザな寅がネクタイまで締めて面接試験に挑戦までさせたマドンナの魅力はシリーズ中秀作であるのだ!
あぁ男はつらいよ…。
vol.28 ノーベル賞の夢。同窓会騒動、定番の一揉め。切ない悪い...
vol.28
ノーベル賞の夢。同窓会騒動、定番の一揉め。切ない悪い寅です。そして旅へ。
「夜明け」って駅(町)があるんだ、風流。岸本加世子、ナイスキャラです。兄、地井武男も。
マドンナは音無さん、色香漂う。煙草はいけません(笑)所帯持つ宣言騒動。照れ照れの寅が笑える。最後の会話、互いの真意、理解は?
満男の活躍が目立ち始める。近所付き合いとか、本筋と関係ないところでほのぼのします。
寅さんはオープニングでノーベル医学賞をもらう。エンディングでは、商社の就職試験を受けた寅さんの合否通知が寅屋に届く。
BSテレ東で映画「男はつらいよ 寅次郎紙風船」を見た。
劇場公開日 1981年12月28日
渥美清53才
倍賞千恵子40才
音無美紀子32才
岸本加世子21才
地井武男39才
寅さんはオープニングでノーベル医学賞をもらう。
それはもちろんいつものように寅さんの夢の中の出来事だ。
旅先で偶然岸本加世子と知り合った寅さんはしばらく一緒に旅を続ける。
また、テキヤ仲間の妻である音無美紀子と出会う。
夫が病気で入院していると知り見舞いに行く。
テキヤの友人は寅さんに頼みごとをする。
「オレが死んだら妻を寅さんの嫁にしてやってくれ」
友人は、数日後に亡くなってしまう。
登場人物が簡単に命を落とすのは山田洋次監督が多用する手法である。
寅さんは東京で音無美紀子と再会する。
エンディングでは、商社の就職試験を受けた寅さんの合否通知が寅屋に届く。
岸本加世子の明るいはつらつとした可愛さが目を引く。
上映時間は101分。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
人情は紙風船の如き軽いものにあらず
"男はつらいよ" シリーズ第28作。
Huluで鑑賞。
旅先で出会った家出少女・愛子。寅さんの仲間の妻で未亡人となった光枝。久しぶりのダブル・マドンナ体制でした。
愛子にも光枝にも優しく寄り添う寅さん。愛子に対しては保護者のような立場でしたが、光枝とは死んだ夫とした約束事もあってついに所帯を持とうと決意しました。
双方共に抱えている事情があり、「なんとかしてやりたい」と考えた寅さんやとらやの面面の人情の厚さには、人間の美しい部分が籠められているなと思いました。
光枝も寅さんに惹かれている様子でしたが、いつもの寅さんの癖が発動し、所帯を持つには至りませんでした。一念発起して受けた就職試験にも落ち、再び旅の空。
旅の道中で愛子の故郷に立ち寄り、マグロの遠洋漁業に旅立つ彼女の兄を共に見送った寅さん。兄妹の姿に己の想いを重ねたのかとても温かみのある場面でした。
※修正(2024/06/15)
ボクの妻と結婚してください。
シリーズ28作目。
OPの夢は、ノーベル医学賞を受賞した寅次郎博士。が、世界の名医はノーベル賞より子供の命を選ぶ。その子供の母親は、かつての想い人であった…。
序盤の騒動は、
小学校の同窓会。偶々帰って来た寅さんは出席。
いじめっ子で不良だった為、小学校時代から超絶嫌われ者。そんな嫌われ者がやって来たのだから、後はご想像にお任せ。
べろんべろんに酔っ払って同級生に送って貰うが、散々悪態つく。同級生は涙ながらに言い返す。
寅さんの醜態は酷いが、少なからず同情も。周りは皆、真っ当に仕事し結婚しているのに、自分ただ一人だけ…。
旅先は、福岡。宿屋に泊まっていると、訳アリな若い女性・愛子と相部屋の頼みが。
別に寅さんは女性をどうこうしようって性格じゃない。相手が歳の離れた異性なら、懐深い保護者になる。
愛子も最初はガード堅かったものの、すっかり寅さんに懐く。グイグイな性格に寅さんもたじたじ。ひょんな事から暫く一緒に旅をする。
準マドンナ的な若かりし岸本加世子。やり取りが楽しい。
中盤、寅さんを追ってとらやに転がり込んできた愛子を連れ戻しに、長らくマグロ漁船に乗っていた兄がマグロを担いで怒鳴り込んでくる。荒々しく威勢がいいが、妹思い。出番は僅かだが、地井武男が印象的。これもまた、兄と妹の物語。
さて、本筋とマドンナは…
商売をしていると、一人の女が声を掛けてくる。
テキヤ仲間の女房で、光枝。音無美紀子がいい女っぷりを見せる。
話を聞くと、そのテキヤ仲間は病に伏しているという。
後日、見舞いに。
テキヤ仲間(演・小沢昭一)から、「俺が死んだら女房を貰ってくれ」と頼まれる。
安請け合いするが、後ひと月持たない事を光枝から知らされる。
程なくして、テキヤ仲間は亡くなり…。
光枝からハガキを貰い、東京で旅館の女中をしているという。
会いに行く寅さん。テキヤ仲間の例の話を真に受け、すっかりその気に。堅気の暮らしの相談や就職の面接を受けに行ったり(!)。
そんな時光枝から、例の話の事を触れられ、寅さんは…。
実に何度目か、堅気の暮らしや真っ当な仕事に就く機会。
合否の通知も届くも、結果は…。
結局また、夢幻を見ていただけ…。
思いの外、風情としみじみと、切なさや悲しさを滲ませる本作。
それでもラストは晴れ晴れとさせてくれる寅さんであった。
とてもよかった
岸本加世子が、寅がいなくなって追いかけてぴょんぴょん飛び跳ねるところなど、やりすぎで興ざめしてもおかしくないのに、かわいい。
「お前未成年だろ」
「18歳だよ!」
とアウトな年齢なのにOKになっていたのも時代を感じる。
とらやのトイレが離れであることが初めて分かった。
今回も寅は相手がOKサインを出しているのに、自ら引いて台無しにしてしまった。
岸本加世子との掛け合いが面白かった
BSジャパン土曜は寅さんより。
福岡で知り合った岸本加世子演じる若い娘とのストーリーが、他の作品とは違う面白さがあった。
寅さんには フーテンのことをよく分かっている女性が一番 と感じさせてくれた。
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