「リリーは、プロポーズしてくれるのを待っている」男はつらいよ 寅次郎相合い傘 Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
リリーは、プロポーズしてくれるのを待っている
冒頭の海賊の話は、寅さんが映画館で寝ている時にみた夢。
北海道で再会したリリー(浅丘ルリ子)と楽しく過ごす寅さん。しかし、言いたいことをハッキリ言う男勝りなリリーに、思わず言い返して傷つけてしまう大人げない寅さん。
氣心が知れているリリーには本音でぶつかっていくところがある。
二人が本当に仲のいい証拠として、喧嘩別れしても明るく賢いリリーが再び寅さんに会いに来ては、すぐ仲直りしラヴラヴモードになる。しかし寅さんは、いつも一線を越えない。
エロくないところが彼の魅力でもある。
寅さんは相手の幸せを願う良い人だが、自分が幸せにしてやる自信がないため、自分と結婚したいと望む女性が目の前にいても、はぐらかして逃げてしまう。
終盤の雷雨はリリーの心の涙のようであったし、リリーの氣持ちを考えると観ているこっちまで泣けてくる。
ラストは、寅さんの明るく元気な姿で終わる...きっとリリーもケロッとしているのだろう、二人は似た者同士なのだから。
演出もストレートで、内容に没頭出来るカメラワークや脚本の良さは流石である。
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