劇場公開日 1975年8月2日

「泣けるわ~馬鹿だね~寅さん」男はつらいよ 寅次郎相合い傘 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0泣けるわ~馬鹿だね~寅さん

2019年12月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 北海道で渥美清、浅丘ルリ子、船越英二の3人のロードムービー風に展開する作品。小樽では初恋の女性を一目見たくなった船越。知っている住所をもとに訪ねるが、そこにはいなかった初恋の女性。ご主人が亡くなったために引っ越して、喫茶店を経営しているという噂を聞く。船越演ずる兵頭は妻子を捨てたわけじゃなく、立ち直ろうとしていただけの男なのだ。

 兵頭からもらったメロンを切ったときに寅さんを数に入れてなかったところで家族の小さな諍いが始まるが、リリーのタンカを切るところは見事。まぁ、普通ならそこまで怒るべき問題じゃないのに、よほど見捨てられるのが怖かったのか、寅さんの隠れた一面を見ることになった。リリーにしても、寅さんの子供っぽいところを許容してる雰囲気なのがいい。

 冗談っぽかったけど結婚する気のあったリリー。妹のさくらが二人を結婚させようとプロポーズしてしまったみたいな雰囲気。この寅さんとリリーの意地の張り合いみたいなところもいいし、「お互い渡り鳥みたいなもんだ」とか「傷ついた美しい渡り鳥がちょっと休んでいただけ」って・・・第10作『夢枕』に次いで上手くいきそうだったのに。浅丘ルリ子の恥じらいながら「いいよ」と言うシーンが素敵。惚れてまうがな・・・48作の中では一番好きな作品。

kossy