男はつらいよ 寅次郎恋やつれのレビュー・感想・評価
全4件を表示
10作以上になると『鑑賞やつれ』になるね
『矢切の渡しを渡って柴又に訪れる』?
『江戸川の土手を国道6号線に向かって去っていく。』
この土地を知らない人が演出したのがよくわかる。
よくよく考えると、兄妹のインセスト・タブーの夢でいつも始まる。
僕は薄気味悪く感じる。
そして、無理やり人を不幸にして、すったもんだして、蒸気機関車の汽笛で括る。それが
10作以上になると『感傷やつれ』になる。
歌子さんは相変わらず自己中で空気が読めない鈍い頑固な女性に見えるが。
まぁ、歌子さんだからで、吉永さんは、
今は亡き我がオジキがファンでジョン・コルトレーンのポスターの横に彼女のポスターが飾られていた。
そして、最後はほとんどいつも『ピーピング・トラ』で終わる。
つまり『フーテン』じゃなくて、『フリークのトラさん』じゃない。
追記で思う事は『サクラ』の役目は、このストーリーの狂言師兼仕込み役なんだろうね。
今、幸せかい?
"男はつらいよ" シリーズ第13作。
Huluで鑑賞。
歌子ふたたび。寅さんと2年ぶりの再会となりましたが、その間に彼女の人生は激動していました。人生って、本当に何が起こるか分かりません。マドンナのその後が描かれるのも、シリーズ物ならではの持ち味だなと思いました。
歌子と父親(宮口精二)の和解シーンは涙無しに観られませんでした。親の心子知らず、反対に子の心親知らず、とはよく言いますけれど、気持ちは言葉にしなくちゃ本当のところは伝わらない。不器用が災いしていた部分もありましたが、擦れ違っていてもやっぱり親子は親子でした。
幸せとは何か。永遠の課題です。果たして裕福ならば幸せなのか。否それだけじゃない。それぞれに幸せの形がある。
些細なことだっていいと思うのです。日々の暮らしの中に、ちょっとした幸せを見つけることだって出来るはず。
しかし、思い通りにならないことが殆どでしょう。自分はなんて不幸なんだと世間を呪いたくなることもあるでしょう。
どんなに悲しくて、どんなに大変で、どんなに辛いことがあっても、いつか「あの頃は良かったな」と振り返ることが出来るように、これからの人生を生きていきたいです。
※修正(2024/05/24)
幸せを願って
シリーズ13作目。
OPの夢は、寅さん遂に嫁を貰い、柴又に帰る。
が、時既に遅く、おいちゃんおばちゃんは…という、おいちゃんおばちゃんが聞いたら怒りそうな夢。
しかしこれ、案外正夢。
…あ、いえいえ、おいちゃんおばちゃんが鬼籍に入ったっていうんじゃなくて、
序盤の柴又帰り。夕食時、寅さんから何やら重大発表があるとか。
島根の温泉津に旅し、そこの温泉旅館の番頭してたという寅さん。
そこで出会ったのが、絹代という女性。夫が蒸発し、二人の子供を抱えながら働く苦労人。
いつもながら一目惚れ。
てっきり所帯を持つ事を決めたと勘違いしたとらや一同と揉めるが、寅さんは、もし行く行くはそうなったとして、いい女(ひと)かどうか、まず会って貰いたい。
さくらとタコ社長(珍しい!)が同行し、再び温泉津へ。
が、寅さんが柴又に戻ってる間、蒸発してた夫が帰ってきたという!
序盤で早くもフラれ…。
連いて来て貰ったさくらたちに置き手紙を残し、旅を続ける。
島根の津和野を旅する寅さん。
そこで、思わぬ人物と再会!
かつて想いを寄せた歌子であった…!
『柴又慕情』に続き、吉永小百合が歌子役で再登場。
勿論話も後日譚である。
陶芸家の青年と結婚し、岐阜・多治見に行った筈なのに、何故ここに…?
津和野は夫の故郷。
実は歌子の夫は、亡くなったばかり…。
夫の故郷で夫と死別した後も、夫の実家で暮らし続けているという…。
姑や小姑に挟まれ、肩身の狭い日々…。
出会った時から、歌子は何処か幸薄かった。
父の反対を押し切り、自分の人生を歩み始めた筈が…。
再会も束の間、後ろ髪を引かれながらも、別れる…。
柴又に帰って来ても、歌子の事が気になって、心配で、やつれ気味の寅さん。
そこへ、歌子がやって来る!
意を決して夫の実家を去り、東京に戻ってきたという。
寅さん、これには大喜び!
暫く、歌子はとらやで厄介になる事に。
と言っても、何もしない訳にはいかない。
寅さんは、何もしないでとらやにずっと居ればいいなんてバカな事を言い出すが、歌子は仕事を探す。
児童養護の仕事を見つけるが、その仕事先は伊豆大島…。
歌子にはもう一つ、問題が。
言うまでもなく、父との関係。
父とは結婚で家を出てから会ってない。
夫が死んだ時も、父はハガキを送っただけ。
溝が深まるばかりの父と娘。
父は私の事など何も思っていないの…?
ある日、さくらは歌子の父の家を訪ねる。
小説家の仕事が忙しく、ろくにもてなしも出来ない歌子の父。
でもさくらは、とても不器用なだけで、本当は娘の事を…と、感じる。
別の日、今度は寅さんが歌子の父を訪ねる。
娘に謝れ!…とか、失礼な事を言うだけ言って来たという。
差し出がましい事を! とらやの恥さらし!…と、大喧嘩。
しかし、寅さんのこういう余計なお世話が背中のひと押しになる事がしばしば。
何と、歌子の父がとらやにやって来る。
久し振りの父と娘の再会。
父は、不器用で感情を伝えるのが下手な自分に否があるとし、娘に謝り、娘の幸せと娘が自分で選んだ道を歩んで行って欲しいと、心からの愛情を見せる。
父と娘の確執は涙と共に解消された。
『柴又慕情』のレビューでは触れなかったので、改めてここで。
歌子の父を演じるは、『七人の侍』の寡黙な侍で知られる宮口精二。
名演を見せ、この父と娘の和解のシーンは、本作屈指の感動名シーン。
伊豆大島の児童養護施設で働き始めた歌子。
旅立つ前、歌子を訪ねていた寅さん。
寅さんなりの歌子との別れ。
今度こそ、歌子の幸せを願ってーーー。
平成に入ってから、吉永小百合が三度歌子役で登場する案があったという。
残念ながら実現ならず。
見たかった!
まあまあだった
寅さんの見せ場があまりなく、最も存在感を発揮したのが吉永小百合のお父さんではなかっただろうか。そのお父さんは、さくらと寅に別々に家に押しかけられてたまらなかった。パッとしない話だった。
全4件を表示