男はつらいよのレビュー・感想・評価
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いつの間にか消される♥
あそこの旅館はもう昭和の藻屑と化す。
見ていて悲しくなる。
1969年公開のこの映画。寅さんが20年ぶりに故郷に帰ってきたと言う事は、家出してのが1949年。終戦後4年。なんか違和感を覚える。タンカバイだけで、戦後の混乱期を乗り越えられたのだろうか?摩訶不思議。それになぜ今更戻る?!
ドラマを見てから
少年寅次郎が最終回され、その続編が男はつらいよになる。ドラマを見ていたから登場人物は分かりやすかったです、寅さんのドタバタぶりは本当に笑えます。こんなに面白いとは思いませんでした。今回は妹さくらが旦那になる博と結婚するまでを描いています。最初のマドンナはお寺の娘さん、ドラマにも出てきました。これから色んなマドンナが出てくるんですね、楽しみです。
寅さんの真髄
"男はつらいよ" シリーズ第1作。
Amazon Prime Videoで鑑賞(HDリマスター版)。
テレビドラマは未見。
恥ずかしながら初鑑賞。これまで何度もテレビで放送されていたが観る機会に恵まれず。そもそも興味が持てなかった。
年を取ったせいか(と言ってもまだ20代だが)、人情喜劇がしっくりハマり、観ていて安心出来るようになった。
昔ながらの雰囲気が好き。と云うわけで本シリーズに手を出すことにした。今年はちょうど50周年だし丁度良い。
寅さんが20年ぶりに柴又に帰郷するところから物語がスタート。おいちゃんとおばちゃんへの帰還の口上の後、妹・さくらとの再会の場面でうるっとさせられた。
博にスナックで偉そうに恋愛指南するも自分は冬子に対して実践出来ないのが寅さんらしい。目線で語ろうにも「目にゴミでも入ったの?」と言われてしまう始末。
さくらと博の披露宴の席で息子との間に遺恨有りな博の両親をイケすかないなと思っていたが、スピーチで口にした子への想いと後悔に涙。志村喬の胸に沁み入る名演である。
1作目にして、シリーズの基本的なフォーマットが確立していたとは驚いた。テキ屋稼業の名調子が炸裂するシーンでは、気持ちいいくらいの言葉の機関銃に魅せられた。
寅さんの優しさと江戸前な気っ風の良さに、虜にならない人なんていないんじゃないかな、と…。これこそが「男はつらいよ」であり、寅さんの真髄なのかもしれない。
[以降の鑑賞記録]
2020/01/18:Hulu
2021/08/01:Blu-ray(4Kデジタル修復版)
2024/08/27:Blu-ray(4Kデジタル修復版)
※修正(2024/05/07)
素晴らしかった
寅さんの口上のキレがすごい。さくらがかわいい。前田吟が青年でイケメンだ。寅さんの子分が団子屋で働いていたのだが給料は出ていたのだろうか。
69年の東京はそれほど古さを感じなかったが、渡し船があった。さくらがお見合いしたホテルは、ホテルニュージャパンではないだろうか。
初めて見ました。
前から気にはなっていたのですが、映画の寅さんを最初から最後まで見たのは初めてでした。寅さんの長セリフ、流暢な口上には驚きました。
舞台出身の役者さんが多いせいか、登場人物も個性的で、滑舌も声もすばらしかったです。特にマドンナ役の人の声が素敵でした。結婚式のお父さんのシーンでは泣いてしまいました。昔の知らない役者さんですばらしい人はたくさんいるんですね。倍賞千恵子さんもとてもきれいでした。見てよかったです。
寅さんのいる柴又
遂に、レビュー2000本!
見た映画で書けるものがあったら覚え書き程度でもいいから書く事を日課とし、書き続け、
そして今入院中暇で暇で、思い出しレビューとして異常にペースを上げ、
とにもかくにも、2000本!
さて、2000本目、何の作品を書こう?
別にそのまま思い出しレビューでも良かったんだけど、せっかくなんだし、特別な作品を。
かと言って今新作観れる状況でもなく、ならば自分が特に好きな作品を。
そしてこの作品が浮かんだ。
『男はつらいよ』
自分にとってはゴジラシリーズと同じくらい大切な作品。
勿論、シリーズ48作全部見てる。
いやそれどころか、全作何回見た事か。
今土曜日にBSのチャンネルで放映してるが、どのシリーズ、どの場面から見てもスッと入っていける。
それくらい、自分の体に染み込んでいる。
もうちょっと寅さんの思い出を語らせて貰うと、大人になる少し前まではまるで興味無かった。同じ松竹喜劇なら『釣りバカ日誌』の方が好きだった。
それがいつぞやちょいと見てみたら…、ドハマりしたという訳。
以来、寅さんはバイブルである。
さてさて、幾ら何でもここで全作レビューする訳にはいかないので、記念すべき第1作目を。
驚きなのは、この第1作目ですでにその後のスタイルが確立され、面白味が濃縮されている点である。つまり、
寅さん、柴又に帰ってくる。
最初は和気あいあいだが、次第に気まずくなり、喧嘩になり、旅に出る。
旅先で、訳アリのマドンナに一目惚れ。
再び柴又に帰ってきて、マドンナ絡む一騒動の末、失恋。
寅さん、再び旅に出て、旅先から便りを送る。
…というもの。
もはやマンネリではない。
ここまで一貫すりゃ、期待の定番。
第1作目なのでちょっと違うとすれば、寅さんが帰ってくるのが若い時分に家を飛び出して以来、実に久々である事。
だから周囲の反応も、その後の「あら、お帰り」程度じゃなく、大騒ぎ。
寅さんの雰囲気も若々しいと言うより、自己チューで、破天荒で、威勢のいいチンピラ風。
その後徐々に人情と親しみ易い人物になっていったけど、この頃はまだ暴れん坊だった。
文字通りの愚兄賢妹、さくらが何と可愛らしい。
久し振りに再会した際の、「お兄ちゃん…?」「そうよ、お兄ちゃんよ!」は名シーンである。
ひろしも、おばちゃんも、タコ社長も、皆々若かった!
おいちゃんは初代の森川信。
変わらぬは、御前様くらいか。
さくらにお見合いの話が。
が、おいちゃんがぎっくり腰で行けなくなり、寅さんが同席する事に。
このシーンが寅さんを実に表している。
最初は真面目にしていたが、お酒が入っていく内に、愚行や失態をさらけ出す。
さくらが可哀想になるくらい、情けない。ホント、駄目男。
おいちゃんの言葉を借りるなら、「バカだよ、あいつは…」
でもね、何だか寅さんの気持ちも分からなくもない。
相手はインテリな面々。
片やこちらは…。
寅さんは自分でも、自分が愚かな人間なのは充分分かっている。
だからそんな引け目を感じたんだろうね。
後、これは深読みかもしれないけど、さくらがもしその家に嫁に行ったとして、本当に幸せにやっていけるか…?
この縁談破綻は、結果オーライになった訳である。
マドンナは、御前様の娘。が、婚約者が居てあっさりフラれるが、後々に同役で再出演する。
本作のハイライトは、さくらとひろしが結ばれるまで、だろう。
当初寅さんは、大事な妹を、小さく汚い町工場で働く若造にやれるかと大反対。が、二人の密かな両想いを知って…。
若者カップルの恋の指南も後のシリーズの定番。
ちょいとまた寅さんが二人の恋路に面倒かけるけど、これがまた結果的に二人をくっ付ける事となる。寅さん、グッショブ…?
さくらは本当に好きな人と結ばれたんだから、誰よりも感謝してるだろうね。ありがとう、お兄ちゃん。
兄は妹を思い、妹は兄を思い…。
結婚式。
ひろしの両親が出席。この父子、ちょっと確執あり。
が、スピーチが泣かせる!(志村喬、名演!)
ラストには早くも満男が誕生。シリーズ後期で、彼の恋路がメインになろうとは、そりゃあこの時誰も予想も出来ない!
山田洋次の演出は、落ち着いた真摯な演出というより、なかなかエネルギッシュ。
それが寅さんというキャラにピタリと合っている。
寅さんのテキ屋の売り文句も絶口調。
テンポもいい。
熱く、笑わせ、ホロリとさせて…。
渥美清が亡くなり、シリーズが終了して22年経つ。
先に言った通り、TVでやってるとついつい見ちゃう。人を惹き付ける、寅さんの人柄としか言えない魅力。
寅さんファンと言っておきながら、未だ柴又に行った事無い。なかなか行ける機会が無くて…。
一度でいいから絶対行きたい。あの世界、あの空気をこの身で感じ、とらやの撮影が行われた老舗の団子が食べたい。
この悲喜こもごも、日本人が日本人たる人情は永遠。
さくら、ひろし、おいちゃん、おばちゃん、満男、タコ社長、御前様、源ちゃん、彩ったマドンナたち…。
そして寅さん。
その温もりは、ずっと柴又にあり続ける。
いずれ、シリーズ全作レビューしたいなぁ…。
1969年が全然古くない。
倍賞千恵子が抜群にいい。今回は特にさくらが主役とも言える回だ。車寅次郎は、渥美清という唯一無二の喜劇役者がいたから成り立った。そのことが改めて感じられた。下品極まりないくせに、なぜか憎めない。
全編に昭和の香りがする。しかし、まったく古臭くないのだ。これはデジタルリマスターのおかげかもしれない。そして、寅次郎の滑舌のよさ、しかしよく聞くとたいしたことはしゃべっていない。
役者の皆さんが皆若い。若いのに、作品としては、きちんとできすぎている。山田洋次のすごさだろう。男はつらいよ第1作というだけあって、寅次郎が、暴れるシーンがいくつかあった。なんか新鮮だった。
もちろんいまはこんなのどかな世界はない。
団子屋の裏に下町の零細工場があるという設定と、お寺のお坊さん、古本を売るテキ屋。工場の工員たち、丸の内のサラリーマンたち。
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