劇場公開日 1984年11月17日

お葬式のレビュー・感想・評価

全32件中、21~32件目を表示

5.0懐かしさで胸がいっぱい

2023年5月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

公開時、映画館で見たのかどうかも覚えていない。でも映画館で見ることができました。「午前十時の映画祭」ありがとうございます。

自分が記憶していた以上に伊丹十三テイストがたっぷり入っていたのが新鮮で爽やかだった。食へのこだわり、旺盛な好奇心と探求心、知的な蘊蓄、細やかな観察眼、「日本人」とかなり異なるドライで洗練された美意識と笑い。伊丹十三役の侘助役が山崎努だから一度で二度美味しい!山崎努はこの役をどう思ったのか知らないけれど彼以上の適役はいないと思う。

映画の前半、特に冒頭での台詞や言い方は昔の邦画みたいだった。静かで淡白でなんだか小津安二郎みたい。宮本信子はとても清々しい。亡くなった父の娘で二人の男の子の母親で侘助を愛する妻で母に寄り添う娘。可愛らしく明るくあたたかく演じていた。のちの映画などに濃厚に出てくる台詞や表情の癖がまだない時代。

モノクロ撮影担当は浅井愼平なのかー!お通夜前の準備の様子を子ども含めて映した手持ちカメラ・モノクロ映像は大好き!味があって爽やかでいい!

菅井きんさん、良かった。黒澤明「生きる」では赤ちゃんをいつもおんぶした若い母親役でここでは長く連れ添った夫を亡くした妻。喪主としての挨拶よかった。何気ない表情、動き、視線、そして台詞。演技とはこういうもんなんだと(私は役者でないけれど)伝えてくれたような気がした。

コロナのせいか(おかげか)人を沢山呼んで、お手伝いの人も沢山いるようなそんな昔ながらの通夜も葬式(告別式)もなくなってしまった。宗旨とか戒名とかお布施とか手順とか数珠(値札のついた数珠を取り寄せ選ぶモノクロシーン、高価な数珠が多くてびっくり!)に火葬場、それから今はもう見かけなくなった宮型霊柩車。全てしっかり映ってるし、ある程度説明もされているので、かつての関東・標準型お葬式はこんなんですよ~の記録映画にもなっている!公開当時の観客の反応は笑いと共感、今はへぇ~、そうなんだ~、よくわかんない、だろうか?

葬儀屋役の三代目江戸家猫八さんは芸達者!サングラスの黒レンズ入れて全部で3つのレンズ合体メガネ、笑ってしまうけれどかっこよかった。葬式に誰も履いてこない黒白コンビの靴も「待ってました!」 今、お孫さんが五代目江戸家猫八の襲名披露を寄席でなさってますね。おじいちゃんを超えるほど長生きして動物の声真似を元気に続けて欲しいです。

財津一郎(病院への支払いが想像を遥かに超えて安かったので受付で思わずヘラヘラ笑ってしまう、のと、足が痺れてびっくりかえる所、共に絶品の演技!)、大滝秀治、佐野浅夫、笠智衆、藤原鎌足、津川雅彦、岸部一徳、尾藤イサオ、小林薫などなど男性俳優を挙げただけも錚々たる面々。そしてその場その場の状況を適切に把握し動く、或いはわざと場違いに動く女性達。そういう女性の前で男はなあ・・・というのがこの映画のポイントの一つかもしれない。

一方で大人の映画だなあとも思った。今の俳優さんは若く見えるから?キャスティングや演出の問題?幼いのか若いのか、ひたすら私的個人的世界の中に居るから?そしてこの映画が「昭和」で固められているから?理由はわからない。とにかくこれは大人の映画だった。

いい男でかっこよい「モノンクル」の伊丹十三さんにまた会いたい💕

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talisman

4.0生前のご厚誼

2023年1月22日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

俳優同士の夫婦(山崎努と宮本信子)が主人公、妻の父親が突然亡くなり、母親の意向で夫の家で葬儀を行うことに。
もちろん、いろんなことが起きるが、なんとかなる・・・そんなもんだ。
公開時、この手があったのか、と伊丹十三監督の才能に拍手。

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いやよセブン

5.0自分のお葬式は自分で見ることはできないが・・・

Mさん
2022年10月10日
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以前見た時には全くよさがわからなかった今作品。今回は、一つ一つが心に残った。
懐かしい俳優さんをいっぱい見ることができたが、もうずいぶん昔の映画になるのですね。
中でも笠智衆さんが出てくると、それだけで、「見た甲斐があった」と思ってしまった。

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M

5.0佐野浅夫さんを偲んで

2022年7月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

知的

佐野浅夫
2022年6月28日没
享年96

過去に何度も鑑賞
1984年の作品
伊丹十三名義監督デビュー作
監督と脚本は『タンポポ』『マルサの女』『ミンボーの女』の伊丹十三

俳優井上雨宮夫婦は伊豆に住んでいたが2年前に東京に引っ越し元の邸宅は別荘になった
三河に住んでいた千鶴子の両親の隠居先として住んでもらうことに
父が東京の大病院で検査をしてもらった帰り伊豆の別荘で体調が悪化しタクシーで病院に行ったがそのまま帰らぬ人に

慣れないお葬式に苦慮する俳優夫婦の知的コメディーの傑作
コメディーだが特におふざけはなくリアリティーを追求した人間ドラマ
ただただ葬儀を消化する模様を淡々と映像化してる
なんかためになった気がしてお得感
でも葬儀に参加する気にはなれない
面倒だからなるべくなら身内にはもっともっと長く生きてほしい

子どもの頃に初めて観たが緑の茂みに高瀬春奈の大きな白いお尻が一番印象的な映画
愛人登場はお葬式の映画に必ずしも必要とは思えないが高瀬のお尻が一番記憶に残っているのだからわからない

棺桶と一緒に記念撮影の一コマもなぜかユーモラスで印象的

侘助は義理の両親を「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼んでいる
千鶴子のいとこ兄弟の弟は兄を「シゲ」と呼ぶ
違和感を感じたがまあいいだろう
それにしても岸辺一徳がフサフサで若々しい

エンドロールも本編が続く
こういうのは好き

葬儀については何もわからない俳優・井上侘助に山﨑努
二人の息子を持つ侘助の妻で俳優・雨宮千鶴子に宮本信子
喪主を勤める千鶴子の母・雨宮きく江に菅井きん
心臓発作が元で亡くなり葬式をあげてもらうことになる千鶴子の父・雨宮真吉に奥村公延
三河に住む真吉の兄・雨宮正吉に大滝秀治
千鶴子の妹で二人の息子に妊娠中の綾子に友里千賀子
綾子の夫・喜市に長江英和
千鶴子のいとこ茂に尾藤イサオ
茂の弟・明に岸部一徳
雨宮家の親族・黒崎に佐野浅夫
雨宮家の親族・奥村に関山耕司
雨宮家の親族・榊原に左右田一平
侘助千鶴子のマネージャー・里見に財津一郎
侘助の付き人・青木に津村隆
侘助の愛人・斉藤良子に高瀬春奈
サングラスをかけた葬儀業者・海老原に江戸家猫八
浄土真宗の住職に笠智衆
火葬場職員・猪ノ瀬に小林薫
真吉のゲートボール仲間のおばあさん岩切に吉川満子
真吉のゲートボールの仲間で老人会会長に香川良介
真吉のゲートボール仲間に田中春男
真吉のゲートボール仲間に藤原釜足
侘助の別荘の隣に住む精神科の木村先生に津川雅彦
木村先生の妻に横山道代
葬式を手伝う花村夫人に西川ひかる
侘助の別荘のご近所で葬式を手伝うキヨちゃんに海老名美どり
寿司屋の職人でキヨちゃんの夫・フクちゃんに金田明夫
木に引っかかった紙幣を取ろうとした青年に利重剛
葬儀マニュアルビデオに出演した冠婚葬祭の先生に関弘子
病院の会計係に中村まりこ
侘助千鶴子のCM撮影に参加した助監督に黒沢清
電報配達人に井上陽水

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野川新栄

4.0葬儀屋の知り合いを作っておくのが一番!

2021年7月1日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 公開当時も画期的な発想の映画ということでかなりの話題になった伊丹十三初監督作品。日頃、葬儀に関して考えたこともなかった家族が突然のことであたふたする風景、知らなかった風習、久しぶりに会う親戚の反応が新鮮に映る。

 棺おけの値段、病院での料金、坊さんに対するお布施など。頼りになるのは葬儀屋だけ。実際にもこんなところなんだろうなぁ~。いざというときのための葬儀マニュアルという位置付けだけど、コメディタッチなので葬儀に詳しくない人が必見の作品なのでしょう。

 突然森の中でのセックスシーンは賛否両論あるけど、愛人高瀬春奈の肉感ボディと腋毛が最も印象的。まぁ、無くてもいいシーンだけど、庶民的な腋毛とお尻がリアル感を増す効果であったのか。伊丹監督のこだわりなのか、何なのか、今後の他の作品にも見られる特徴の1つだ。

 井上陽水が郵便配達人で登場していたり、寅さんへのオマージュなのか、笠智衆が坊さんで登場したりする面白さもある。「“数え”というのはお腹の中に入ったときから数える」などといったウンチクも。

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kossy

5.0【停滞していた近代邦画に、ニコラス・レイ監督作品に出演し、エッセイスト、デザイナーとしても超一流のマルチな才能を発揮していた、天才伊丹十三監督が新風を吹き込んだ傑作。】

2021年1月24日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館、TV地上波

笑える

興奮

幸せ

ー 中学生時代から、伊丹十三氏のエッセイを愛読していた。
 特に「ヨーロッパ退屈日記」「女たちよ!」「再び女たちよ!」の三冊は、今でも時折目を通す。大袈裟ではなく、百回以上は読んでいる。即ち、再読に耐えうる程、面白いのである。
 その伊丹十三氏が映画を製作したと聞いた私の両親は、”その内容を深く知る事もなく”中学生の私と共に、映画館に足を運んだ・・。ー

■今作の魅力(語り始めると、1万字でも書けるので、ほんの少しだけ・・。)

 ◆誰もが経験するであろう”お葬式”をテーマとして映画化した、伊丹夫妻(伊丹氏と、夫人の宮本信子氏)の勇気と自信と恐れ。
ー 後年の宮本氏のTVインタビューを見ると、映画会社からは
 ”タイトルが映画向きではない(それはそうだろう・・)”
 と難色を示されたが、夫、伊丹十三氏の才能を信じ、多額の借金をし、映画製作に取り組んだ事。
 そして、映画公開初日に恐る恐る映画館に夫婦で足を運んだら、長蛇の列が出来ていて、”なんだろうねぇ”と言いながら観たら、「お葬式」を見る人々の列だった事。
  そして、それだけの集客力があったこの映画の面白さ。ー

ーーーーーーーーーーー

 ・突然、女優の妻、千鶴子(宮本信子)の父が亡くなり、おろおろする喪主侘助(伊丹十三)。彼らのマネージャー里見(財津一郎)も、イロイロと奔走するが・・。
 ー 喪主の挨拶について、解説するビデオを二人がのぞき込んで見ながら、口上を真似る場面の面白さ。
 そうだよねえ、40歳になっても、冠婚葬祭の”葬”については、知らない事ばかりだものなあ・・。ー

 ・取り敢えず、通夜は自分たちの家ですることにするが・・。
 急な木造階段を雨の中お棺を皆で担ぎ上げるシーンのハラハラする面白さ。
 ー ロケ費節約のため、今作で登場する家は、実際に伊丹夫妻が住んでいた湯河原にあるログハウス風の家である。ー

 ・更に、翌日侘助の愛人(高瀬春奈)が訪れ、ナント喪中にも関わらず、アオカンをするシーン。
 ー まだ鮮明に覚えているが、喪服姿の高瀬さんが色っぽくて、物凄くコーフンした・・。両親は戸惑っていたであろう・・。
 そんなことを察しているように、千鶴子は”夫が縦に激しく腰を振る中”、空虚な表情で木製の振り子ブランコを”横に揺らしながら”、乗っているシーンが映し出される・・。シュールだなあ・・。ー

 ・風が強い中、受付の箱に置いてあったお悔やみのお札が風に舞うシーン。オロオロしながらかき集める人々の姿。

 ・そして、焼き場のシーン。
 煙突から僅かに上がる煙を見上げながら交わす侘助と千鶴子の何気ない会話。

<誰でもが、いつかは経験するであろう”お葬式”をテーマに、見事に人生の悲喜劇に仕立て上げた伊丹十三監督の初監督とは思えない手腕と、宮本信子夫人が日本を代表する女優として名を挙げた、記念碑的作品。
 伊丹監督の、若き妻、宮本信子さんに対する愛が溢れた作品でもある。>

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NOBU

5.0私達の死生観

2020年12月24日
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故人や宗教そっちのけで珍妙な儀礼に追われる日本人の向こうに私達の死生観を確かに浮かび上がらせた大傑作。

極微妙な成長譚の塩梅が魅力と気付いた。
小林薫の夢怪談、加藤善博の棺釘打ち、財津一郎 の足痺れ等、故人と縁遠い人の見せ場が好きだ。

伊丹十三、早逝が悔やまれる。

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きねまっきい

3.5葬式といえば喪服、喪服といえばセックス

2019年11月3日
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鑑賞方法:VOD

という、謎の刷り込みをされた映画。人の生き死にというよりあくまでも生きている人に焦点を置いている。

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さすまー

4.0今こそ本作のリメイクが求められていると思います

2019年10月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

親の葬式を出した経験の有る人も多いでしょう
本当に些細なことまでリアルなことが可笑しみを持って描かれています

葬式は故人を中心に社会構造や人間関係を凝縮してフラッシュを浴びせたかのように、見えないそれを可視化します
それ故に映画向きとも言えると思います

本作のように全編葬式という作品は珍しいですが、振り返って見ると結構お葬式のシーンのある映画は多いと気付かされます

1984年の公開作品です
考えて見れば団塊世代の親の葬式が多い時代だったのです

本作には葬式のあるある話だけでなく、団塊の世代の人々が社会の最年長世代になる戸惑いと不安がフィルムに写し撮られているのがわかります

無関心、というよりむしろ足を向けていた、古いしきたりとか伝統とかにも否応なしに順応しようと努力する姿は正にそれでしょう

それが本作をヒットさせた要因のひとつでもあったと思います

本作から35年の年月が流れました
今度は彼ら団塊の世代が葬式をだされる側となりました

急速な人口減少が報じられています
少子化はもちろんですが、団塊の世代が寿命年齢に近付いて来たからです
街中にはセレモニーホールと名付けられた葬儀会館が目に見えて増えてきた時代となりました

今こそ本作を再度見直してみるべき時期ではないでしょうか
本作で騒がしく走り回った子供達の世代が本作の主人公の年齢になったのです

社会構造も、人間の関係性も時代と共に変わりました
時代は平成は過ぎ去って令和となったのです
今こそ本作のリメイクが求められていると思います
映画関係者の皆様の奮起を期待致します

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あき240

4.0「葬式」を映画にするという着想がよい。SEX シーンは蛇足だけど。

2019年6月23日
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鑑賞方法:映画館

「葬式」を映画にするという着想がよい。SEX シーンは蛇足だけど。

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もーさん

3.0イマイチか?

2018年9月22日
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評判の割には、他の伊丹作品に比べてイマイチのような気が・・・?
まぁでも、普通に面白いことに変わりはありませんが。

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ハワイアン映画道の弟子

4.0終わりからはじまる人生

2010年2月14日
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鑑賞方法:TV地上波

笑える

知的

お葬式をテーマにここまで描いたのはすごい。
悲しいテーマだけど、悲しくなく。
少し笑えて。

あらためて観てもすごい作品だなと思います。

森の中でブランコの立ちこぎするシーンが印象的。

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のーまん