沖縄やくざ戦争

劇場公開日:

解説

本土復帰を翌年に控えた沖縄を舞台に、沖縄やくざ組織の凄惨な内部抗争と、沖縄やくざ対本土系暴力団の血みどろな戦いを、ドキュメンタルに描くハード・アクション篇。脚本は「新仁義なき戦い 組長最後の日」の高田宏治と「ウルフガイ 燃えろ狼男」の神波史男の共同、監督は「狂った野獣」の中島貞夫、撮影は「ラグビー野郎」の赤塚滋がそれぞれ担当。

1976年製作/96分/日本
配給:東映
劇場公開日:1976年9月4日

ストーリー

昭和46年12月。本土復帰を翌年に控えた沖縄では、本土系暴力団の沖縄進出に対抗すべく、大城(大城朝光理事長)派と、対立関係にある国頭(国頭正剛理事長)派が互いに手を結び、「沖縄連合琉盛会」を結成した。だが、外部に向っては、「琉盛会」は一致団結したものの、その内部、国頭派系内部で紛争が持ち上がった。ことの起こりは、三年前。沖縄やくざの組織統一を計るため、対立する一派を襲撃した時、国頭とは兄弟分の中里英雄理事一派が行動隊をつとめ、中里は逮捕された。その中里派に対して、中里の服役中も出所後も、国頭派の面倒見は悪かった。このため中里は配下三〇名を率いて、国頭派を脱会したのだが、国頭派、特に理事の石川隆信は、この脱会に中里派数名に対して私刑を加えたのである。ここから、両派の血みどろな抗争が始まった。私刑事件に逆上した中里は、国頭および石川の殺害を決意する。その直後、国頭は中里に和解を申し出たが、時すでに遅かった。キャバレー、ユニバースで国頭が中里の若衆・嘉手刈宏と儀間二郎に、至近距離からS&W38口径回転式拳銃で、頭部に二発の銃弾を撃ち込まれたのである。国頭派の実力者、石川は報復のため、二十数名からなる特別行動隊を編成して、即座に中里派数名を射殺した。この報復に怒り狂った中里は、石川の命をとるべく具志川、嘉手刈を引き連れて石川の自宅を襲撃、カービン銃で石川を射殺する。この事件で国頭派は壊滅し、「琉盛会」は大城派の大城朝光がただ一人の理事長となった。だが、その大城は着々と本土系暴力団と手を結ぶ手はずを整えていたのである。自分一人が踊らされていたことを知った中里は、数名の若衆と共に警察の捜査網をかいくぐり、そのほこ先を大城に向けた。数人のボディガードの見守るなかで、大城は日課の朝の散歩中、儀間二郎によって射殺される。そして大城理事長亡きいま、大城派の影の実力者、翁長信康理事は、那覇市の高級ホテルで関西広域暴力団旭会の海津組組長と会合をしていた。中里英雄は、自らの最後の敵である翁長と海津の命を狙うべく海上で釣を楽しむ両名を襲ったのである。中里一派数名と翁長一派・海津組の連合隊の間に、沖縄はじまって以来の一大銃撃戦がここに展開するのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

4.5「戦争、だァい好き」 本土のヤクザを琉球空手の型で威嚇するウチナーンチュ千葉ちゃんの破壊力!!

2021年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
じゃい

3.5他のヤクザ映画にはないヤバさ

2020年1月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

76年東映。 沖縄が舞台ということでどんな感じかな?と思っているといきなり千葉ちゃん大暴れ&止める松方弘樹。わはは。いつもの東映メンツがウチナンチュ役。中でも渡瀬恒彦のエロに忠実だが肝の太い兄ちゃんがナイス。インテリヤクザ役のチイチイも良い。 物語は暴力描写の半端ない荒っぽいもの。「戦争やろうじゃないの。戦争だぁーい好き」と楽しげに言う千葉真一の台詞最高!やり過ぎ感たっぷりの狂気の役作り。だがそれがいい。 沖縄という磁場が暴力を加速させたのか後半ヤバさの乱れ撃ち。確かにこれは戦争だわ。 ラストの凄まじさと幕引きに天晴を言いたい。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
散歩男

3.0やっぱり千葉真一が最強!

2019年1月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

 DVDで鑑賞。  本土復帰を翌年に控えた沖縄を舞台に、地元やくざの内ゲバと本土暴力団侵略への防衛戦争を主軸とした“現在進行形”の抗争を扱った作品。  “実録路線”が掲げるドキュメント・テイストの神髄とも言えそうなハードな内容に、無条件に体中の血がたぎりまくりでした。  中里(松方弘樹)の獰猛振りも捨てがたいですが、個人的にはやっぱり千葉真一演じる国頭に軍配が上がりました。「仁義なき戦い 広島死闘篇」の大友勝利を彷彿とさせるようなクレイジーさが堪りませんでした!ただただ暴力のために生まれて来た“バイオレンスの申し子”のような行動が圧巻の一言。「コイツに遭遇したら一巻の終わりだろうなぁ…」と思わせられました(笑)  中島貞夫監督が貫いたドキュメンタリー・タッチの演出が、当時の沖縄の一触即発の空気感を見事に表現しているようで圧倒される想いでした。しかし、実際は京都で撮影されていたということを後で知ってびっくり仰天しました(笑)

コメントする (0件)
共感した! 2件)
しゅうへい

4.0本土復帰

2018年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

沖縄が本土に復帰、やくざも地元勢力と本土からの大勢力がにらみ合っていた。 地元ヤクザの一人(千葉真一)は本土を嫌っており、狂犬のごとき暴れん坊、その他のメンバーは本土の傘下に入るのもやむなしと考えていた。 この狂犬の弟弟子(松方弘樹)の心は揺れ動いていた。 実録やくざ映画の傑作。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
いやよセブン