大利根の対決

劇場公開日:

解説

「明治一代女」の伊藤大輔の書きおろしの脚本を「紋三郎の秀」の冬島泰三が監督し、「愛すればこそ」の伊藤武夫が撮影に当る。出演者は「消えた中隊」の島田正吾、辰巳柳太郎、「隠密若衆」の花柳小菊、「愛のお荷物」の雨宮節子、「次郎長外伝 秋葉の火祭り」の藤代鮎子のほかに新国劇が総出演する。

1955年製作/81分/日本
原題または英題:Duel by the River
配給:日活
劇場公開日:1955年4月10日

ストーリー

湯本の町、賭場で勝ち続けていた左腕のない渡世人朝吉は幽かに聞える弾き語りの三昧の音にひかれて座を立った。朝吉はそのお安の声が三年前死んだ女房お千代と生き写しなのに魅せられたのだ。朝吉はお千代が侍稲葉新吾に落籍される直前に一緒に故郷の小見川へ逃げたが、苦労をかけて死なせた事をお安に語った。お安の夫徳次郎は江戸の宮大工だが腕をいため養生に来、金に困って流しに出ていた。お安の話を聞き朝吉は金を出してやり、徳次郎の腕もお安の看病で殆ど直った。朝吉は賭場で負けた上に偽金を見破られ竹松、卯之等に追われ、出遇ったお安に別れの言葉を残して去った。竹松はお安から朝吉の行方を聞こうとし誤って殺して了った。徳次郎は朝吉を女房の仇と思い小見川へ行き、また竹松等も朝吉を追って来ていた。徳次郎は朝吉の子千代松をそれと知らず遊んでやったりした。お千代の命日に朝吉は家へ帰ったが、竹松等に追われお千代の墓の前へ逃げた。徳次郎は竹松等に朝吉を殺されてはと朝吉の側に立ったが突然島流しから帰ったばかりの新吾が現われ、竹松等は新吾にやられ徳次郎は卯之の最後の一言でお安殺しの真相を知った。新吾は朝吉に切りかゝったがお千代の墓標を見ると力なく立去った。徳次郎は朝吉父女に見送られて江戸へ帰った。

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