うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバーのレビュー・感想・評価
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全ては記憶の葉脈に埋もれて そして FOR EVER
1986年2月公開作品 劇場版4作品目 1981年版TVアニメは86年3月に終了 完結編的な意味合いがあったのかもしれないがこの作品のあとに2作品制作公開されている 同時上映は相米慎二監督の『ションベン・ライダー』 監督と脚本は『風の名はアムネジア』『スレイヤーズ 完全無欠版』のやまざきかずお 脚本は他に『Dr.スランプアラレちゃん ハロー!不思議島の巻』『Dr.スランプアラレちゃん ほよよ世界一周大レース』『みんなあげちゃう(1985)』『劇場版ドラゴンボール 神龍の伝説』『YAWARA! それゆけ腰ぬけキッズ!!』の井上敏樹 粗筋 面堂終太郎主導で高校の仲間たちと自主制作映画を制作中 地元の樹齢300年の古木である太郎桜を題材としてさらに面倒家の言い伝え「鬼姫伝説」を加えて映画化 撮影中に太郎桜を切ってしまったのがいけなかった 友引町のに天変地異 太郎桜の切り株がある丘は隆起し小高い山となりてっぺんには湖 湖底には太郎桜の切り株 季節外れの蝉のサナギが木を登り蜻蛉が大量に宙を飛ぶ ラムは飛行能力ならびに電撃能力が著しく衰え角は無くなり失踪する 面堂やラム親衛隊の皆さんのラムへの想いを薄らいでしまう 面堂やしのぶが見た山が具現化し凍りつく 面堂は親類を相手に戦争を始める なんやかんやでラムはみんなのところに戻って来て一件落着? 小鳥の気配が聞こえる 桜の唄が聞こえる 町が見た夢 詩的表現 美しい背景 魅力的なキャラクターデザイン 少々シュールな脚本 藤波竜之介や面堂の妹も登場するがセリフなし 声の配役 ラムの目を盗んでガールハントすることが生きがいの高校2年生の諸星あたるに古川登志夫 あたるのことが大好きな「うる星」からやってきた鬼型宇宙人の娘ラムに平野文 面堂財閥の跡取り息子であたるのクラスメートの面堂終太郎に神谷明 ラムの従弟で鬼族の幼児のテンに杉山佳寿子 あたるの幼馴染かつクラスメートで怪力の持ち主の三宅しのぶに島津冴子 ラム親衛隊のリーダーのメガネ(サトシ)に千葉繁 ラム親衛隊のリーダーのパーマ(コースケ)に村山明 ラム親衛隊のカクガリ(ヒロユキ)に野村信次 ラム親衛隊のチビ(アキラ)に二又一成 ラムの幼馴染で極端なぶりっ子のランに小宮和枝 友引高校の校長に西村知道 あたるのクラスの担任を務める♨先生に池水通洋 妻の尻に敷かれるしがないサラリーマンのあたるの父に緒方賢一 ガミガミな専業主婦のあたるの母に佐久間なつみ 面堂の父に天地麦人 水乃小路スポーツ用品の御曹司の水乃小路飛麿に島田敏 飛麿の妹の水乃小路飛鳥に島本須美 友引高校の保険医で巫女のサクラに鷲尾真知子 錯乱坊と書いてチェリーと読む旅の僧でサクラの伯父に永井一郎
実はこれもうる星の1つのパターン
テレビシリーズでも、何話かに1度は、こういうチャレンジングな回があった。ミステリーぽいのや、心理ものがあった。そのパターンを拡大し、やはりビューティフルドリーマー的なところもあったが、残念ながら作家性は感じなかった。 日常が壊れていく不安感。 これが描けていたが、ただそれまで。 日常が壊れた理由が、友引町にも意識が…というものでは腑に落ちない。 夢が凍りついて現実に出現するのも腑に落ちない。 ただ、絵と音楽は良かった。
ウチ、調子悪いっちゃ!
『~ビューティフル・ドリーマー』が『うる星やつら』の映画シリーズに与えた影響は大きい。 しかしそれは、いい影響だけじゃなく悪影響も。 それが最も表れた4作目。 面堂家の護り樹・太郎桜と代々伝わる“鬼姫伝説”をモチーフに、自主映画製作をする一同。 映画の中で老朽化した太郎桜を斬り倒した時から、友引町に不可解な異変が起き始める。 ラムも力を失い、角が取れ…。 皆で映画を撮るというのは原作エピソードにもありそうで、入りは悪くはない。 が、問題はそれから。 まず、作風。 『うる星やつら』はドタバタ・ラブコメディこそ一番の魅力であり、面白味だ。 しかし本作は、ミステリアスなムード漂う。所々ギャグは散りばめてあるものの、根本的に重苦しく、暗いのだ。 これがあのドタバタ楽しい『うる星やつら』と言えるのか。 こんな『うる星やつら』は見たくは無かった。 さらに拍車をかけているのが、『~ビューティフル・ドリーマー』の悪影響。 現実と非現実、夢か現か。それらが交錯。 誰が見ても一目瞭然。『~ビューティフル・ドリーマー』をもう一度目指したのは明らか。 『~ビューティフル・ドリーマー』も一歩間違えれば怪作になりかねないが、しっかり描きたいテーマと押井守という才能があったからこそ傑作になり得た。 しかし、本作にはそれが欠けている。 本作(と前作)の監督はTVシリーズも手掛け、手腕を発揮しているものの、押井ほどの才気は感じられない。 不可思議な世界観こそ傑作と勘違いしてるようで、その結果、話は支離滅裂…いや、意味不明なものになっている。 ここが本作一番の難点! 傑作や鬼才の真似をすればいいってもんじゃない。 劇中、ラムへの想いを表す為にただがむしゃらに走り続けるあたる。 一見打たれる姿だが、はっきりとした目的も無く、釈然とせず、作品そのもの。 採点は厳しく“2”にしようと思ったが、ラムにポイントプラス。 主題歌に乗せてジョギングするOP、小鳥と戯れたり、妖艶な映画衣装姿…。 ラムの魅力は本作の救い。 面堂やメガネたちがラムをヒロインに映画を撮りたくなる気持ちも分かる。 ひょっとしたら、ここが一番、作り手の気持ちが込められていたりして。
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