「【”胡蝶の夢。そして叶えられた遠き星からやって来た美少女宇宙人の夢。”今作は、シュール過ぎる世界観を見事にエンターテイメントとして成立させた作品なのである。ヤッパリ押井守監督、凄いな!】」うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”胡蝶の夢。そして叶えられた遠き星からやって来た美少女宇宙人の夢。”今作は、シュール過ぎる世界観を見事にエンターテイメントとして成立させた作品なのである。ヤッパリ押井守監督、凄いな!】
ー 「胡蝶の夢」・・荘氏が夢の中で蝶になり、花々の上を楽しく飛び回っていたが、目覚めた時に自分が蝶だったのか、蝶が自分だったのか分からなかったという故事。ー
■学園祭を翌日に控え、準備に大忙しの友引高校。あたるやラムや面堂やしのぶたちは連日学校に泊まりこんで準備をしていた。
だが、或る時に担任の温泉マークは、毎日同じことを繰り返している事に気付き、保険医のサクラに相談し、彼女も状況を理解していく。
だが、その後も繰り返される毎日の中から、温泉マークは居なくなり、しのぶも居なくなる。
そして、面堂が用意していたハリアーに乗って、閉ざされたループ空間から脱出しようとしたときに、彼らが目にしたのは友引町が直径2キロメートルの巨大なカメの上に存在していて、宇宙空間を飛んでいる姿だった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・最初は、タイムループものと思い観ていた。その時の面堂としのぶとが車で何処まで行っても出られない状況や、あたるの友人達が電車に乗っても同じ駅に到着するシーンは、少し不気味である。
サクラが乗ったタクシーも同じ状況になるが、運転士が”無邪鬼”だと分かるシーンもナカナカである。
”無邪鬼”・・人類が生まれた時から、人々に夢を見させてきたが、人間の欲望により、それは戦争に成ったり、悪夢と化していた。
・作品の根本設定は、レビュータイトルに記した「胡蝶の夢」である。だが、そこにラムという虎皮のビキニを身に着けたあたるの事が好きな美少女宇宙人の純粋なる夢、”あたるたちと、いつまでも楽しく過ごしたい。”という夢を”無邪鬼”が、二人だけの水族館で聞き、その夢を叶えて上げていた、と言う設定が抜群に上手い。
又、ラムと”無邪鬼”が大水槽を見上げながら、話し合うブルーを基調にした幻想的なシーンも良い。
・絵としては、”面堂が用意していたハリアーに乗って、閉ざされたループ空間から脱出しようとしたときに、彼らが目にしたのは友引町が直径2キロメートルの巨大なカメの上に存在していて、宇宙空間を飛んでいる姿”を描いたシーンが、とんでもなくシュール且つインパクト大であり、カメを支えているのが姿を消した巨大化した石造の温泉マークやしのぶと言う展開には、ビックリである。
・”無邪鬼”が作り上げたラムの夢を、彼女たちに飼われていた子豚が”獏”になり、食い荒らしていくシーンもシュールである。
<そして、”皆の夢が覚め”ラムたちが学園祭の準備で疲れて寝ている学校内に戻った時に、珍しくあたるが、可愛い寝顔で寝ているラムの顔を真面目な顔で見て・・、と言う所から面堂やしのぶたちが起きて・・、というラストも巧く纏めていると思う。
今作は、シュール過ぎる世界観を、押井守監督が見事にエンターテイメント作品として成立させた作品なのである。>
■「うる星やつら」は面白き漫画のようであるが、今作を映画館で観た人は、凄く面白い!と思った人と、押井守監督の創り出した世界観に戸惑った人が居たのではないかな。
けれども、今作は押井守監督の幾つかの映画をモチーフにしたと思われるシーンや、奇想天外な世界観を破綻なく、エンターテインメント作品として作り上げた手腕に驚嘆する作品だと、私は思います。
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