「我が人生NO.1のアニメ作品」うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
我が人生NO.1のアニメ作品
新宿東口映画祭 2024『#うる星やつら2ビューティフルドリーマー 』(1984年)を映画ライターの #よしひろまさみち さんトークショー付で公開40年目にして悲願の劇場大スクリーン、しかも貴重な35mmフィルムで鑑賞。(尚、当時は劇場公開と同時に場内でビデオ(14,000円)も販売しており、その貴重な告知も本編上映後に上映してくれました)
テレビモニターやタブレットでは判別できなかった細部の発見も多かったです。感謝。
第1弾の『#うる星やつらオンリーユー ・ユー』(1983年/同時公開 #相米慎二監督 『ションベン・ライダー』)は連れて行ってもらえたのですが、第2弾の本作品(同時公開 #吉川晃司 主演『#すかんぴんウォーク 』)は劇場では観られず、ガッカリして当時流行っていた「フィルムコミックス」(上下巻 各680円)をなけなしのお小遣いで購入、一言一句違わず完璧にセリフを覚えましたね。
当時10歳の私には『オンリー・ユー』のようなオールキャスト総出演のドタバタスラップスティック・ラブコメディとは全く違う世界観に驚くと同時に、とにかく思いっきり背伸びをして何とか理解しようと懸命に努めてました。
SF、コメディ、パロディをはじめ「荘子」の「胡蝶の夢」、フランツ・カフカの「変身」などの文学、フェデリコ・フェリーニ、ジャン=リュック・ゴダールなどのヌーヴェルヴァーグ作品や岡本喜八監督、実相寺昭雄監督などの様々な映画作品、果ては哲学、宗教とありとあらゆるジャンルがクロスオーバー、正解のない観客に委ねるシーンも多く、確かに10歳児には超難解でしたが、背伸びすることで視野が広がって得られたことも多く、以後の私への影響は計り知れない作品でしたね。
トークショーでは同作品がインスパイアされた作品としてイギリスのTVドラマ『プリズナーno6 』 だと判明して納得、ずっともやもやしたものが晴れました。
今でも同作が傑作と呼ばれているは 高橋留美子 先生の原作漫画とキャラクターの超強力なパワーと、押井守 監督の独自の世界観が化学反応を起こした奇跡ですね。
私も50年以上生きてきて本作を超える劇場アニメ作品にはまだ出会えておりません。
劇場で鑑賞できてホント良かったです。