「押井守味のうる星やつら。胡蝶の夢。」うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5押井守味のうる星やつら。胡蝶の夢。

2024年3月8日
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鑑賞方法:VOD

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内容は、高橋留美子作品のうる星やつらの映画化。押井守監督・脚本が良くも悪くも感じられる。素晴らしい作品。夢がテーマの作品でセルアニメーションの極地とも言える素晴らしさ。40年前の作品とは思えない程の完成度。当時の人はこの作品に心底やられたらしい。それ程までに素晴らしい押井守味の映画です。
 印象的な台詞は『好きな人を好きでいる為に自由でいたいのさ!』主人公諸星あたるの台詞。ラムへの深い呪いとも言える愛情が80年代を感じさせます。
 印象的な場面は、一番最初の方に映る荒廃した友引町で、ほうけた主人公諸星あたるの顔が印象的でした。一番現実世界を望んだのは、主人公だったのかもと感じられる場面は、二度見する程素晴らしいです。
 印象的な、状況はテーマの設定です。良くも悪くも押井守味の作品。考えさせられる難しいテーマは面白いです。実存主義・認識論・胡蝶の夢・ドグラマグラ・仏教感などをトレースしたホラー感たっぷりの印象は面白いです。
当時の映画館では観ることは出来なかった作品ですが、もう伝説に残る程の素晴らしい96分。三幕構成で基本をしっかり押さえながらも最後にタイトルの出る演出にはカタルシスを感じました。ビューティフル ドリーマーこの意味が心に深く響くセルアニメーションでは考えられない程の表現と内容には色褪せないものを感じます。
 この映画のテーマは今この映画を楽しんで見ている一人一人に、今この時こそ夢かも知れないと伝えたい様でした。
『夢は見ている間はやけにリアルだからな』
『善悪は用いる人の心の中にあり。詭弁だ!』
『ラム抜きのハーレムなど不完全な夢!』
『わしが作るんはその人が見たい夢だけや!』
押井守味の台詞はその世界に引き込まれます。

コバヤシマル