「臓器が重くなった錯覚をおぼえた」海と毒薬 こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
臓器が重くなった錯覚をおぼえた
あまりにも重い真実。
そして当時あまりにも軽かった人間の命。
空襲がどうの原爆がどうのと
説得している言葉は言い訳に過ぎない。
この事件が起きた、あるいは被害者の立場は
戦争だからってのも
もちろんあるけれど
社会的図式は現代だってありえる構造ではないだろうか。
学校でも会社でも、病院でも
それぞれの社会の中で
組織に組み込まれて流され、感覚が麻痺し…。
殺人事件でなくたって
加害者にはいつだってなりうる。
または被害者にも。
生々しい手術シーンに吐き気も覚えたし
見終わったあとも息するのさえも苦しく
内臓がもったりと砂でもつまったように重くなった気がした。
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