「カッコよくてクールでハンサムな田中邦衛」ウホッホ探険隊 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
カッコよくてクールでハンサムな田中邦衛
原作未読
原作者は千刈あがたという女性
夫の浮気が原因で妻が離婚を決意する設定の小説や漫画は世の中にたくさんあるが少なくとも女性の発想でこの内容はなかなかない
映画館では観ることができなかったがテレビで何回も観たしVHSでもDVDも観た
今から35年前の作品である
当たり前だがみんな若い
タイトルが『ウホッホ探険隊』
インパクトがある興味をそそるユーモラスなお名前である
ゴリラは出てこない
洞窟や無人島やアマゾンを探検するわけではない
その点ではレギュラーのあるある探検隊と同様である
因みにあくまでも「探険」であって「探検」ではない
原作者も出版社も映画会社も脚本家も監督も俳優も間違いに気づかなかったわけではないはずだ
『ドラゴン危機一発』みたいなものだろう
主人公は中学生と小学生の息子を持つ兼業主婦
外の仕事はインタビュアー
雑誌の記者だろう
文系である
夫は単身赴任で研究員
理系である
職場に愛人がいる
藤真利子演じる愛人が上り込んで十朱幸代演じる主人公と直接対決
女性の立場からすれば悲劇だが脚本家も監督も男のせいかコメディー的な雰囲気を醸し出している
陣内孝則演じるスターも妻の目の前で堂々と見せびらかすように浮気をしている
映画という虚構とはいえすごい時代である
黙っていればバレなかったのに正直に妻に告白して馬鹿な夫は田中邦衛
浮気発覚しなければほのぼのとしたホームドラマだったのに
2人の息子は父も母も大好きなんだろう
母のことが好きなはずだが愛人や父を恨んだりしない長男は器がでかい
もはや父親の立場からすれば理想的過ぎてファンタジーな印象
田中邦衛はハンサムという設定のようだ
あの顔で
やっぱりファンタジーかもしれない
離婚は成立したら愛人と結婚できるかと思ったらそうはいかずそこは原作者が女性なのも頷ける
結局元サヤに収まったのか
エンドロールはそれを印象付ける内容
覆水盆に返らずではなく雨降って地固まる?
ハッピーエンド?
ドロドロとしたものはなくさっぱりとしている
アップルパイのくだりで次男が冷蔵庫のジュースをコップに注ぐとき
母と息子2人が車に乗っているとき
なぜか映像が逆さまになる演出は意味不明
柴田恭兵演じるプロ野球選手の景浦が所属する横浜大洋ホエールズのユニフォームが懐かしい
当時大洋の和製大砲といえば田代だったはず
ホームランを打つ姿はカッコよくてクールだったがハンサムとは言い難い