劇場公開日 1980年8月2日

「物語の根っこが脆弱な子供騙し作品」ヤマトよ永遠に ヤナコさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5物語の根っこが脆弱な子供騙し作品

2025年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

Amazonprimeで視聴。
大人になった今見ると、本当にご都合主義な物語と設定・・・・
マジンガーZなどのエンタメに振り切ったスーパーロボット作品のアンチテーゼとして始まった「ヤマトシリーズ」。そのヤマトに対抗心を燃やして出来た「ガンダム」(リアルロボット作品)
本作はちょうどガンダムがテレビ放送時終了後に公開されたという時系列。

映像技術が進化している。戦闘シーンは色々な演出やカット割りやカメラワークが取り入れられている。

「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」もそうだったが、それよりも更に物語と設定が今見るとガバガバで冷めるんだよなぁ。。。。

・いきなり地球占領されて、征服をするなら重核子爆弾を発動させればいいじゃん。
・ヤマトが動き出したのをキャッチしたら「地球側の抵抗・反乱」と見なして発動させればいいじゃん。「爆弾=地球が人質」の意味をなしていないんだよ・・・・
・暗黒星団帝国がどこに有るかわからないのに、なぜ真っ直ぐ目指せる・・・・(説明がどこにもなかった)
・混血とはいえ、ご都合良すぎるサーシャの成長・・・・
・サーシャが姪と告白するシーンはどこ???宇宙空間だよね?????????物語の時系列で言うと1歳だぜ????SFだから、宇宙人との混血だから急成長は良しとしても一歳だぜ??1歳の色恋・・・気持悪っ!! しかも死んじゃうというか演出上スタッフの脚本に殺されちゃうという表現が適切な死に方。(スパイ活動をしても敵のセキュリティーがガバガバというか、スカスカでやりたい放題・・・)
・唐突過ぎる守兄さんの死に方・・・・思わずビックリして声を出してしまった・・・
・雪さん、あの高さから落下してノーダメージって・・・・古代と離ればなれになるにしても、スマートで観客が納得のいく方法、演出があるだろうに。
・真田さんの知識量はどうなってるの????未知の世界なのに、何故わかる??
・ヤマトクルー行き当たりばったりすぎるんよ。。。。
・敵の攻撃中に「考える人の手が逆なんですよ!!」と会話をする余裕・・・・まぁ、偽情報だったということのやり取りで許すとしても、島大介は操縦席から離れちゃいかんだろ?古代も敵ミサイル迎撃しなくては駄目だろう・・・・
・40万光年先から起動できるスイッチって。。。。。どんな超技術だよ。。。。いや、地球も通信出来てるし⁉️ めちゃくちゃだよ。。。

大人になって思うのだが、プロデューサー西崎氏のキャラクターが大いに反映されているというか、個人的に感じ取ってしまうんだよね。まさに昭和の山師の作品。

それ故にざっくりした物語(と設定)で根っこが脆弱だから「アニメ史としての資料的な面白さ」はあっても、大人になった今は楽しい、カッコイイとは思えない。「こういうシーンカッコイイだろう!」というアイデア先行でそこから肉付けしているような印象。それと、お金があったんだろうね。アニメーターのレベルは高いので、それ故に全体像がとてもイビツに感じてしまう。歌手も豪華ですよ。岩崎宏美も布施明も歌唱力が超一流なので、歌だけならお涙頂戴のクオリティーなのに、むしろ別の物悲しさを感じる・・・・歌手の方々の責任は一切なく、演出の罪です。

マジンガーZなどはエンタメに振り切っているから、荒唐無稽な設定でも「楽しさ、格好良さ優先」で今見ても楽しい。
ガンダムは企画段階で設定が練り込まれ、富野監督が「物語」に重きをおいているので根がしっかりしていて、何度見返してもカッコイイし、自分が歳を重ねると新しい発見がある。そして、根がしっかりしているから、続編ができても揺るがない(ユニコーンガンダムなど本当に名作)

ヤマトはシリーズ全般にスーパーとリアルの橋渡し的な存在なのだと、改めて感じる作品です。一度見れば十分。

今、令和でこの作品を再構築しているので、そちらを見てみようと思います。(2199からの新シリーズは整合性を考慮してくれているので、楽しいし、カッコイイと思います)

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ヤナコ
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