劇場公開日 2024年1月5日

「アニメブーム黎明期の繋ぎ的存在」さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち あすか6102さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0アニメブーム黎明期の繋ぎ的存在

2025年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

悲しい

興奮

第1作目テレビシリーズ「宇宙戦艦ヤマト」全26話に於いてテーマは全て語られていたものの巷の続編要望に応える形で制作されたビジネスや話題性に舵を切った別作品と捉えるのが宜しいかと。確かに映画第1作でヤマトの物語や概要はある程度は知り得てもテレビ全26話を根気よく視聴している人は少ないからヤマトのキャラやメカを使ってもう一度映画として商売、収益を上げようと考えるのは西崎Pならずとも当然であろう。
しかしテーマ性については第一作では「生き抜く」が常にドラマの根底にあったのに対しこの「さらば」のラスト間際では沖田(幻影)が迷える古代に「命が残っているじゃないか」と成功する可能性が微塵もない敵巨大艦への特攻を間接的に推奨しており古代もそれに素直に従うのだが(最終的にはテレサの加担によって成功)、これでは日本古来からの忠臣蔵等の浪花節で得られる悲劇によるカタルシス止まり。
また物語もダメ出し(違和感)箇所が多く「テレザートからの信号受信だけで敢えてヤマトで出撃する理由が弱い」「その理由が極めて曖昧なのに集まる多くの元乗員」「元乗員を阻止せずにヤマトにフリーパスしている防衛軍司令部」「かつては人類を滅亡に追いやったデスラーを受け入れる古代」「彗星帝国の中枢部たる動力室に正攻法の敵の侵入を許した上に破壊される防衛軍」などなど

とは言えこのヤマトブームが雑誌の創刊や翌79年の劇場版999や初代ガンダム(テレビ)に続き80年代以降も業界の活性化へ繋がるので一概に当作品を否定するものではありません。

あすか6102
PR U-NEXTで本編を観る