さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たちのレビュー・感想・評価
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アニメブーム黎明期の繋ぎ的存在
第1作目テレビシリーズ「宇宙戦艦ヤマト」全26話に於いてテーマは全て語られていたものの巷の続編要望に応える形で制作されたビジネスや話題性に舵を切った別作品と捉えるのが宜しいかと。確かに映画第1作でヤマトの物語や概要はある程度は知り得てもテレビ全26話を根気よく視聴している人は少ないからヤマトのキャラやメカを使ってもう一度映画として商売、収益を上げようと考えるのは西崎Pならずとも当然であろう。
しかしテーマ性については第一作では「生き抜く」が常にドラマの根底にあったのに対しこの「さらば」のラスト間際では沖田(幻影)が迷える古代に「命が残っているじゃないか」と成功する可能性が微塵もない敵巨大艦への特攻を間接的に推奨しており古代もそれに素直に従うのだが(最終的にはテレサの加担によって成功)、これでは日本古来からの忠臣蔵等の浪花節で得られる悲劇によるカタルシス止まり。
また物語もダメ出し(違和感)箇所が多く「テレザートからの信号受信だけで敢えてヤマトで出撃する理由が弱い」「その理由が極めて曖昧なのに集まる多くの元乗員」「元乗員を阻止せずにヤマトにフリーパスしている防衛軍司令部」「かつては人類を滅亡に追いやったデスラーを受け入れる古代」「彗星帝国の中枢部たる動力室に正攻法の敵の侵入を許した上に破壊される防衛軍」などなど
とは言えこのヤマトブームが雑誌の創刊や翌79年の劇場版999や初代ガンダム(テレビ)に続き80年代以降も業界の活性化へ繋がるので一概に当作品を否定するものではありません。
ヤマト不滅シリーズ化
ガミラスとの闘いから復興しつつある地球でヤマトの隊員も各々職務をこなし、ヤマトの廃船が決まる一方、未知の星から地球に救いを求める信号をキャッチし、白色彗星とやらが勢いよく迫ってくる。
70年代ものすごい人気を博した宇宙戦艦ヤマトだったのをよく覚えていて、今作は初回ストーリーとは違う完全新作だった。確か興行収入が良いことに83年の完結編までヤマト復活を繰り返して、最終的にお腹一杯で完結編を迎える。
45年以上前のアニメとしては作りが別格で凄いとは思うが、構成がぶつ切りで繋がりに無理が垣間見えたし、妙に壮大なシーンしている臭さはツッコミどころ。
最後は特攻を美化しているようで戦後30年ちょいしか経っていなかった当時の感覚には今観るとちょっと引くな。
さらばヤマト‼️
前作がTVドラマの総集編だった事を考えると、今作が完全新作の劇場版だったんです‼️ガミラスとの戦いから1年後舞台に、復興した地球に白色彗星帝国の脅威を伝えるメッセージが届き、地球のため、宇宙の平和のため、宇宙戦艦ヤマトは再び宇宙へ飛び立つ・・・‼️とにかく白色彗星帝国のビジュアルがコワい‼️白い渦だけのシンプルなビジュアルにかぶさるあの音響‼️とにかく幼い私はヒジョーにコワかった‼️「スター・ウォーズ」に影響を受けているとか言われてるけど、SW公開前に「ヤマト」のTVシリーズで見事な宇宙戦やってたわけで、今作の宇宙戦もかなりのド迫力‼️そして男泣き、いや女性も泣いてしまう名場面&ポイントがたくさんの本作‼️ヒーローであるはずのヤマトが復興する地球で疎外感を味わっていたり‼️沖田艦長の眠る丘で酒を酌み交わす乗組員‼️命令無視の出航‼️参加しないと思わせての島・加藤・山本の遅参合流のカタルシス‼️新艦長・土方の名采配‼️ガミラスのデスラー総統の「昨日の敵は今日の友」みたいなイイ奴ぶり‼️雪・土方・山本・真田をはじめとする主要キャラの死‼️そして涙なくしては観られない最後の特攻‼️古代進&森雪はアニメ界最高のヒーロー&ヒロイン‼️あの勇壮なテーマ曲と共に宇宙空間を航行するヤマトの勇姿は永遠に不滅です‼️というわけで私の中の「宇宙戦艦ヤマト」は前作と今作で燃え尽きてしまい、続くシリーズ作はイマイチ好きになれないし、某アイドルが古代進を演じた実写版は言語道断‼️絶対に認めないし、許さない‼️
電影クロスゲージの明度はいつも20!
昨年末の「ヤマト」に続いて実に45年ぶりの劇場での「さらば」。男なら混雑するとわかっていても観なければならない時がある!(松本零士つながり)と、どうせ観るなら同志であふれているだろう週末の新宿ピカデリーにわざわざ足を運んだところ、開場時間にロビーにできた中高年者の行列は命令を無視してドックに集結するヤマト乗組員のごとし。
…だったわけだけど、21世紀も四半世紀が過ぎようかという現在、沖田艦長の歳をとっくに超えてしまったおっさんには、正直、今はなき千葉・東映パラスで涙したあの感動はどこへやら。そもそも「平和ボケ」の地球から勝手にヤマトが発進するのは軍の一部が暴走してるとしか思えないし、終盤の仲間たちの戦死乱れ打ちから、超弩級戦艦への特攻シーンで沖田の霊が「まだ命という武器が残っている」のセリフなど、感動させんがために人の死が配置されているのがキツすぎる。
テレビ放映をダイジェスト化したヤマト劇場版は、同時期放映されていたアメリカ横断ウルトラクイズと同様、26話をかけて少しずつ目的地に近づく希望の物語であったけど、さらばは命と引き替えに勝利を目指すんじゃ、やはり特攻賛美と言われるのもやむなし。前作で「戦うことじゃない、愛し合うことだった」の古代の名台詞はどこいったんだ?という気すらするのだが、かくいうオレも上映中に場面ごとに感想をぶつぶつ呟きあう同じ座席列のジジイたちを拡散波動砲で殲滅したい気分だったので、偉そうなことは言えない。
最後に、地球の描写でデスラー以上に西崎義展似のモブキャラがいたような気がするのと、シミーズ一丁に白ブーツという森雪のサービスカット、絶頂期のジュリーの歌声に1点プラス。
4K版で復活
評価はあくまで初見当時のものとさせていただく(過去の作品を現代の価値観や映像技術で評価するのは、リアタイ世代としてフェアでないと考える)。
今見るとどうしても作画、設定など突っ込みどころ満載(壊れてもすぐになおっている主砲他)となってしまうのだが、それでも今観ても熱い作品で何度でも泣ける名作中の名作。
4K版は映像、音ともにクリアになっていて、絵柄の古臭さは如何ともしがたいものの、劇場鑑賞に耐えうるレベルになっている(ちょっとクリア過ぎて台詞が画面から浮いて聴こえて感じたのは音響設備のせいか?)。
総集編だった前作と違い、完全新作なので完成度はやはりシリーズ随一。1作目より作画はきれい、展開もスムーズで宮川泰の音楽と沢田研二の主題歌も完璧。ヤマトはこれで完結と考えるファンが多いのも納得(TV版でのラスト改変はもう少し納得のいく内容であればと思うが、さすがにあれは無い)。
今見ると・・・・
小学生の頃、リアルタイムで見て感動し今でも記憶に残る作品です。
その後テレビ放送は見た記憶があるのですが、不思議とレンタルビデオやサブスクなどでは見ることなく現在にいたり「4Kリバイバル上映」で何十年ぶりの再視聴です。
大人になって見たことで「ストーリーの雑さ」に注目が行ってしまい、正直テンションダウンしました。
・軍規違反をしては駄目でしょう。
・その軍規違反だって、あれだけの大人数の乗組員が乗艦するならば絶対にバレるでしょう。
・軍規違反をしたのに、有耶無耶にするのは規律が保てないでしょう。
・雪との結婚設定は、不必要かな・・・・・「地球の危機>結婚」からの古代の行動だけど、核となる「地球の危機」は当初何の根拠も無いテレサのメッセージを受けてのこと。結果論として地球は危機になったけど・・・・・森雪視点で見たら、とても不憫で可愛そうに感じてしまう。
・デスラーとの対戦で相当ダメージを受けているところでの、白色彗星&都市帝国での追加ダメージの整合性が、だいぶ大まかかと。
・超巨大戦艦への特攻前の沖田艦長の言葉(玉砕特攻のすすめ)が、今の時代にそぐわない・・・・・
・一番酷いのは最後のメッセージ・・・・子供の頃はあれがぶっ刺さったけど、結果的にヤマトも古代も、沖田艦長も復活するので・・・・・
普通に白色彗星の接近をキャッチして、アンドロメダ筆頭とする最新戦艦で歯が立たず、そこでヤマト発進というプロットでは駄目だったのかな????
大人になったからこそ「戦艦を動かし、作戦行動を取るためには規律で鍛え上げられた乗組員達の練度が必要」なことを理解しているので「アニメ(ファンタジー)」であることを差し置いてストーリーの強引さにテンションが下がりました。とはいえ、時代の流れがありますからね。当時であれだけの迫力ある画を手書きで制作されているのは、驚愕です。
それとこの映画公開後のアニメ界全体の進歩、進化から比較するのは無粋なのだと思いつつも「機動戦士ガンダム(初代)」の劇場三部作と比較をすると、ガンダムは全く色褪せなずに楽しめるのは、やはりストーリーがしっかりしているからなのではと思います。(例えば軍規違反に関しては、リアルではなくともポイントを抑えて描かれている、ホワイトベースクルーは玉砕は選択しなかった等)
ただ、当時の制作技術、音楽、声優さんの演技などの「熱量」は今も全く色褪せずハイクオリティーだと感じました。
作品評価としては落とさざるを得ず、申し訳ない
リバイバル上映に大感謝。文化とはかくあるべき。実現した関係各位に敬意を表します。
当時小学生高学年、徹夜で初日に鑑賞。ものすごい衝撃を受けた。その時の自分なら星5。
しかし
ノスタルジー抜きで冷徹に映画作品として点数をつけるなら、星1。素晴らしいメカデザイン、楽曲、作画、声優で加点しての星1.5。
自分の原点となる作品故、辛辣な低評価をあえて残すことを許してほしい。
一作目TV版は26話への短縮を含めて、現代の視点でも傑作と考える。
対して、さらばは脚本が余りにも酷い。
ほぼ全てのキャラが「殺して泣かす」ためのコマにしかなっていない。特攻云々の問題ではなく、一作目で彫り込んだキャラクターたちを碌な描写もなく捨てることで泣かせる、雰囲気だけで作ったような作品を、この歳になるとどうしても評価できない。
恐らくはプロデューサーが雰囲気だけを求め、商業監督を呼んで作らせたのが原因だろうか。
雰囲気作りのために遅刻する島、死ぬ時の雰囲気作りで何故かいい奴っぽくなるデスラー、メソメソし過ぎな森雪、行動原理が謎で鬼畜過ぎるテレサ。などなど。
当時、松本先生が嘆いていた意味が、今ならよくわかる。
不朽の名作
本作品は宇宙戦艦ヤマトシリーズの中で最高であり、映画として傑作だと思います。今観ても神秘的で美しい絵や独創的なデザイン、効果的な音楽が観る人の感情を盛り上げますが、この作品を普遍的にしているのは、宇宙全体の平和が無くては地球も自分も幸せになれないという一貫したテーマにあると思います。
デスラーが復讐から白色彗星のウィークポイントを教えるまでに変化したのも、宇宙全体のために戦う者達の強さを認め、応援したくなったためでしょう。テレサも然りです。最後のシーンは自然と涙が流れました。コスモタイガーの山本、真田さんや斉藤、雪は自己犠牲の精神で亡くなりました。そして古代はヤマト艦長として宇宙の平和のために身を投げました。宇宙の平和のため犠牲となった古代と雪の2人のことを考えると胸が熱くなります。
こんなでしたっけ?
公開時映画館で観て胸が熱くなり切なくなったのを覚えています。
巨大なスケールや熱いドラマに当時深い感銘を受けました。
今回45年ぶりの再会(?)で号泣とかしたら恥ずかしいなどと思いながら観たのですが、思いのほか冷静に観られました。
記憶にあった作品とは違って緊張感は薄いしテンポも悪く、ここぞという所の演出も意外とあっさりして物足りなさを覚えました。
そしてこれはあの当時の「熱量」というものがあっての感動だったんだなと妙に納得してしまいました。
またヤマトとの別れであったはずの本作の後に続々と新作が作られて行った歴史を知ってしまっている事も、やはり当時とは同列に語れない要因になっているのかも知れません。
決して失望した訳ではありませんが、色々な補正が無ければ良くて普通の作品に止まる出来かと思います。
45年目にして、初映画館で。
すでにUHD-BDも予約してたので迷いました。
今となっては、時代遅れの作品ですが、スクリーンで観ることが出来る最期かと思いましたので「観て後悔」か「観ずに後悔」を思案し、結局観に行きました(笑)
目的は、土方艦長と斎藤始の勇姿を大画面で見ること(笑)。
リサーチ不足でしたが、劇場なのでやっぱり、ステレオ版・ビスタサイズでの上映の方がよかったですが、山本の戦死シーンも修正されてない初公開時(モノラル)のバージョンそのままの4kリマスター版みたいですね。
しかしながら、画質はさすがに文句無し。
余談ですが、今までのLDやDVD、CS放送のHD版などでは、タイトルや登場人物名が出たときに大体、一枚フィルターをかけたようにうっすら白っぽくなってたんですが、それが無く鮮明でした。
家庭だとヘッドホンでしか聞きとれない、名(声)優たちの台詞の微妙なニュアンスや息づかいが聴き取れ、作画でも、キャラクターの眉や瞳の繊細な動きの表現は何度も観てますが、やはり、琴線に触れ、不覚にも随所で涙が流れました。
やはり、昭和の声優さんは上手い。この作品の出演者(特にテアトル・エコー陣)は鬼籍に入られた方が大多数ですが、いつまでも色褪せることはありません。
作画やストーリーに関しても、平成や令和世代の人からは突っ込みどころ満載なんでしょうが、この作品があったからこそ、
日本のアニメーションが、今日の地位を築いた一翼を担う歴史的な作品であることは
間違いありません。
想いは熱いが……。
今のアニメの基準で観てはいけないが、懐かしさを差し引いても、残念ながら完成度は高くはない。
総集編である一作目に比べれば、大分ましだが、残念な作品と言わざるをえない。
長いし、テンポがなく、レイトショーの時間帯だったため、眠気をもようしてしまった。
先に観た一作目では、少し堕ちた。
デスラー登場から最期までの内容が薄く、見せ場として物足りない。ヤマト側との関係性に説得力を持たない。途中雪も結構ほっとかれて
ラストの場面のセリフが活きてこない。
全体的に、大層なセリフと行動が融合しない。
想いは伝わってくるのだが……。
スターウォーズの影響が如実に表れている。
音楽は素晴らしい。さすが宮川泰!でも
ジュリーの歌で締めるのはどうかな?
最後の製作者側からのメッセージはなんだったのだろうか!? 直ぐに手のひら返しになってしまった。
必修科目の歴史の授業、という感じで
ヤマトの魂は永遠だった
日本のアニメシーンの転換点
大好きな人、ごめんなさい
せっかく、先日、「そうでない」映画(カラー及び白黒)を見たのに・・・。自己犠牲のオンパレード。
文民統制もなされてないような軍。上官の命令を無視する部下。波動砲のような強力な武器を積んだ戦艦を個人の意思で動かすことのできるセキュリティ。なんと恐ろしい組織だろう。
なにもかも、みな懐かしい。
リマスターで画面や音声はクリアになって、公開当時より見やすいと感じました。
やっぱりヤマトの声優さんは、この方々でないと!と、改めて思います。
リメイク版の制作が進んでますが、
やっぱり前作と今作がホントのヤマトだと言えますね。
劇場の大きな画面でこそ見るべき作品だとも今作は言えます。
公開当時、初日を前に徹夜で雨の降る梅田東映劇場前で並んだ記憶が蘇りました。
雨宿り出来る様にと劇場内の階段に避難させてもらえるよう劇場側と交渉していただいた方々の事も覚えてました。
10代の頃にこれほど熱を帯びた経験が出来た事も「さらば…」と言う作品が持つチカラなんだと改めて今回鑑賞して思い出してました。
現在のオタク文化華やかな世代の方々にも、この作品がのちのオタク文化へと続く起点の作品だと感じて欲しいです。
新婚生活とは。
不朽の名作です
思い入れなきアラカンの感想
間違いなくドンピシャな世代ながら初回数話を見逃したからかあまり積極的に触れずに過ごしてきたヤマト。劇場版とか2とか3とか色々と見てはいるが、本作はなんと初見である。後にさらばのラストシークエンスご安彦良和によってなされたものと聞いており、そこを確認したく参上。したがって思い入れ加点はまったくないのである。
確かにラストの艦橋は舞台劇のように見ごたえがあったが、一本の映画として制作されたものとすると、スジの練り方がたりず、中間がどうしても退屈と言わざるを得ない。
そして最後に、もう二度とお目にかかることはないと断言されていることにも驚かされた。
それにしても40数年の日本のアニメ演出・技術の進化は恐ろしいものがある。
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