「映画史ではちっぽけな扱いだが!」宇宙からのメッセージ MESSAGE from SPACE 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
映画史ではちっぽけな扱いだが!
「我々はちっぽけな存在だが夢だけは無限でありたい」というビック・モロー演じるガルダのラストの台詞。その通りの映画だった。
終映後に拍手が起きたがそれも納得な程の力作だった。
これ「スターウォーズのパチモンの世界に日本のチンピラがいておもろい」みたいな印象だったがむしろ「チンピラがチンピラなりに頑張って人助けする話」だった。
ストーリーが思ったよりしっかりしている。そりゃツッコミどころをあげればキリがないが「俺達の和製スターウォーズを作ったる」という情熱にあふれている。
音楽もリアべの実が映るたびにルークとレイアのテーマのパロディみたいな曲が流れて、アクションシーンも運命の力のパロディのような曲が流れるんだが、そこ含めて面白い。
8人の戦士の集め方が割と強引で。
シロー 真田広之チンピラ
アロン 白人チンピラ
ジャック 関西弁チンピラ
メイア 金持ち姉さん
ガルダ 元軍人
ハンス 王子
ベガ2号 ロボット
ウロッコ ヒロインの付き人
この合計8人がリアべの戦士として選ばれるわけだが、最後の方のロボットは見張りをしてたらたまたま実を見つけたみたいな感じで、ウロッコも最後の方で敵にやられたところで「お前は勇者だったんだ」的な無理矢理選んだ感あり、面白かった。
敵ボスの時代劇口調、ジャックのほぼSF感のない関西弁チンピラのいでたち、序盤で飛行機メカでチンピラを追う警察が日本の白バイ隊員なヘルメットなど、昔観た時はかなり安っぽく見えた当時の日本的要素が今観ると「これはこれで本家スターウォーズにはまずないオリジナル要素で面白い」と思えたので今作は時が経つにつれて再評価されるような気もした。
けれど。序盤の宇宙ホタルを捕まえようとする際の宇宙遊泳の絵の安さのような度重なる面白演出を踏まえると、知る人ぞ知る存在でもいい気はする。
序盤で見せた飛行機のチキンランを伏線とし終盤の宇宙要塞突入で回収する脚本は良かった。
ミニチュア特撮はかなり気合いが入っていてすごいし、やっぱりこれは結構な力作だと思う。