劇場公開日 1995年12月1日

「私的クリスマス映画第2位」あなたが寝てる間に… yo_cgaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0私的クリスマス映画第2位

2024年10月10日
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鑑賞方法:VOD

サンフランシスコから帰る飛行機の中で見た。1本目にニコラス・ケイジのマッシブ・タレントを見て、久しぶりの笑える楽しい映画にいい気分になり、2本目にジョーカーを見て胸糞悪い気分になり(この映画のメッセージやこれを好きな人の気持ちもわかるが、何よりも我が家の温かさを欲していた私のこの時の気持ちには沿わなかった。たぶん10年前に見ていたらこの映画の虜になっていただろう。映画とは、芸術とはそういうものだ)、その気分を直すための、帰国前に気持ちを整えるための映画を探していた。そうして、この害のなさそうな映画を見た。
私の好きなラブコメであるし、何より主演がサンドラ・ブロックなのだ。そうして、見始めてみて舞台はシカゴであると知る。前回のアメリカ出張で行ったのもシカゴであった。あの川沿いを走ったのだ。そう思うと、途端にスクリーン(ではなく小さい画面であるが)の中の皆んなの生活を身近に感じられる。かつて、10年前の私にとって、知らない世界を知るために映画を見ていた。今は、自分の生活が映画のシーンにオーバーラップする。そういうものなのかもしれないが、歳を取るのも悪いことではないと思う。
前置きが随分長くなったが、この映画は私のささくれた心を帰国前に整えて温かくするのに充分で余り有るものであった。
クリスマスのシーンが舞台のアメリカ映画は、だいたい良い映画だと思っている。いつだったか思ったことに、年末の空港と正月の故郷と、桜の花見をする人たちの中に、私はいつだって第一に幸福を見る。つまりは、そんなことを、この映画を見ていた私は感じていた。
登場人物全員にキャラクターがあり、そうして全員が心ある人である。そんな時代もあったのだ。今より少しだけ、それぞれがリッチであったか、もしくは人それぞれにちゃんと目指したいものがあったのだ。何かを目指している人は腐らないし、優しい人であれる。
要するに何を言いたいかと言えば、私はこの映画が大好きである。おそらく、この映画が生まれた当時のアメリカ、というか映画界の雰囲気も好きなのかもしれない。そこに共通してあるのは、わかりやすいストーリーとキャラクターの個性と、地域性と、そうして最後は人の温かさである。
私の一番好きな映画はダイ・ハード2である。今は、パディントン2を見てみたい。そんな風に思っている。

yo_cga