「昭和も大変だった史紐解き鑑賞その一」丑三つの村 ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)
昭和も大変だった史紐解き鑑賞その一
私はナマステ王国に居るのでよく分からないけど、最近日本では某ドラマの影響で昭和が見直されてるらしい。
恥ずかしながら私も昭和生まれで11PMやらトゥナイトを親に隠れて観ていたクチだ。
だけど、昭和はもうそれはそれは大変な時代やったんやでー、と言われているけど私も戦後数十年世代なので知ったことではない。
なので、映画で昭和を振り返ってみよう企画第一弾。
ざっくり言うと、秀才で出来る子の呼び声高いツギオちゃんが病気のために兵役免除されちゃって、村八分にされたからはっちゃけたゃったお話。
序盤はツギオちゃん性の目覚めの巻。ずーとるび新井から良からぬことを聞かされたツギオちゃん、夜中にウロウロするとなんかあるぜ、と言われて歩いてみるとなんだか切なげな声が。
窓から家の中を覗くと池波志乃と夏八木勲がぶつかり稽古の真っ最中。すげぇ、さすが東の横綱。
別の日に東の横綱志乃姐さんに誘惑されるも手もなく捻られたツギオちゃんを待ち受けていたのは、西の横綱五月みどり姐さんだった。
志乃姐さんが肉食系とするとみどり姐さんは癒し系、まあどっちもエロい。
前半はひたすらエロエロパート。しかしそんなモテモテ?のツギオちゃんを待っていたのは兵役の前の徴兵検査で発覚した結核の病。出征もできず村でブラブラしているツギオちゃんの相手をしてくれる女はおらず、大好きな夜のイベントもフラれ続き。それどころかすっかり厄介者扱いで、今までのチヤホヤぶりを考えれば、鬱屈した思いが渦巻くのはやむを得ない。
しかも、最後の砦だった田中美佐子演じるやすよちゃんまで二度も結婚話が出てしまい、もう行くとこなし。
遂に決行してしまう。まあ短絡的ではある。
コマンドーのシュワルツェネッガーか、はたまたランボーのスタローンかと思う戦闘前の準備シーン。そんなマッチョな二人に比べて痛々しい程のガリガリガリクソンなツギオちゃん。白いふんどし姿も眩しく、万全の準備をしていざ出発!
そこからは多分20分もかからんうちにあっちでバンバン、こっちでザクザクと殺りまくる。ただ、思ったほどの激しさ、スプラッター耐性アリの人には余裕なレベルの殺戮シーン。ただ、殺しきれんかったりとどめを刺せんかったりと、詰めの甘さもあったりするところが逆に生々しい。
まあご存じの通りこのお話は実際の事件を比較的忠実に描いた映画なんだけど、戦前、戦時中の昭和のド田舎なんてもう魔境みたいなもんで、子供の売り買いだったり口減らしに老人捨ててきたりとほとんど無法状態。それが江戸時代でも明治でもなく、自分の生まれた昭和だって言うんだから、全く恐ろしい時代だったものである。
ちなみにこの映画も昭和後期。昭和の映画なんぞもうゴリゴリエロいシーンが出てくるし、裸はおろかおっ牌出まくりだし女優さんも普通に脱いでる。この映画でも、両横綱はもちろん田中美佐子の初々おっ牌まで出てきて、なに!コメットさんまで出てきたぞ。まさかのコメット牌も…ないんかーいと叫んでしまった。
あ、映画はそこそこでしたよ。プラス志乃姐さん&みどり姐さんの模範演技でプラス0.5、田中美佐子の体当たりで更にプラス1、日和ったコメットさんにマイナス0.5で星4つ。