続・浮雲日記

劇場公開日:

解説

前篇「浮雲日記」と同じく富田常雄の中日・西日・道新三大地方新聞連載小説の映画化。「右門捕物帖 からくり街道」の並木鏡太郎が監督とともに鏡二郎のペンネームで脚色もしている。撮影は「逃亡地帯」の山崎一雄、音楽は「疾風からす隊」の鈴木静一。三田隆、田崎潤、三好栄子、若山セツ子、谷さゆり、三津田健などは前篇と共通の顔ぶれたが、他に「右門捕物帖 からくり街道」の高田稔、「銀二郎の片腕」の横山運平、「続十代の性典」の藤間紫、ラジオの内海突破などが出演。

1953年製作/89分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1953年5月20日

ストーリー

明治二十三年、東京。--朝鮮問題にからんで日清間は漸く緊迫の度を加えはじめ、政府の軟弱を糾弾する壮士たちが巷を騒がせていた。春信介は苦学のために人力車夫に身をやつし、大西周作は街頭で提琴片手に民衆啓蒙の慨歌をうたっている。周作の妹お久は信介への一途な恋のあまり、家主の息子の縁談を断わったことから、報復的に住む家をうばわれる。折しも周作は街頭から国事犯の嫌疑で官憲に拉致されたばかりである。信介は周作を裏切者としてつねずね狙う壮士団大洋社の首魁松岡が深夜返り血をあびた姿であるいているのを見かけたことがあり、周作の無実を信じた。車夫稼業が縁でしりあった参謀本部の赤石参謀のとりなしで、周作は監獄の門を出た。牛飯屋で信介と周作が心ばかりの祝いの盃をあげているところに来合せた松岡を、二人は追って大洋社一派とはげしい立廻りとなる。壮士達をこっぴどく叩きつけたが、松岡の姿は見失った。一方生活のため芸者となったお久は女形役者市川喜之助に執着され、酔いつぶされてあわやという刹那、その料亭に来合せた兄や信介らに救われた。周作はひそかに赤石参謀の委嘱をうけ朝鮮の事情探察にでかけることになったが、事を知った彼の恋人江口男爵の次女千草は愕きのあまり喀血する。医師を呼びにゆく途次、周作は再び大洋社の壮士らにその地下巣窟まで拉し去られ、後を追った信介は徒手よく白刃を捌き、加えて警官隊が巣窟を包囲したため壮士らは散った。直後、隠された爆薬にランプが引火して大爆発、政府倒壊をはかる彼ら無暴なテロ団の努力は水泡に帰し、松岡も信介にとり押えられた。「お帰りまでにはきっと癒ります」という千草を残して周作は朝鮮へ出発、代って信介が提琴片手に慨歌うたいをはじめる。その彼とお久は、今や婚約の身であった。

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