植村直己物語のレビュー・感想・評価
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アルピニズムを日本人が理解出来る時代じゃなかった。
知り合いの家で録画してもらって今見ている。
『シシャパンマ』という山があって、中国にある8000メートル級の一番低い山だが、日本人で最初に登ったのが、田部井淳子さんである。そして、渡邊直子さんが8000メートル級の14座をこの山の登頂に成功して、女性として世界で二番目の14サミッターになった。
植村直己さんの偉業は1984年の頃なので、この映画の様な展開で偉業は達成出来たと思う。勿論、アルピニズムを日本人が理解出来る時代じゃなかった。でも、スポ根で観念的に偉業が達成出来る時代だったのである。途中、西堀栄三郎さんが登場するが、それが良い例だと思う。
つまり、植村直己さんの偉業は日本人がまだ世界から認められていた最後の時代なのかもしれない。
日本のアルピニズムには学閥がある。この映画の演者と植村直己さんの繋がりもその学閥の繋がりなのか?と感じた。
さて、14サミッターがなぜ騒がれないか?それはお隣の国の方が日本よりも遥かに多いからだと思う。
だから、渡邊直子さんの偉業も日本では全く騒がれない。たぶん、アメリカ野球に於ける日本人の活躍よりも彼女の偉業は大きいと感じる。
この映画は上野で封切りで見た。ロケ地で努力した演者に冥府をお祈りする。
山伏の荒行
不世出の冒険家であることは彼の実績が物語っているが、それを支えた兄や妻の気持ちを考えると身勝手な自己中男、劇中でも倍賞さんが道楽亭主と怒っていましたね。
単独行や犬ぞりなど昔ながらのやり方に拘るのが植村流、南極物語もそうだったが犬たちが不憫、身重の雌犬を同行させたり、極寒の中頑張っている犬に鞭打つ姿は頂けません。冒険はコンプレックスの克服だったのでしょうか、山伏の荒行にも思えます。
南極探検が頓挫した段階で引退すべきでした、妻と北海道に野外学校を建てる約束は守らねば、遭難は最後の冒険だからと彼らしくない無茶をしたと探検家の野口さんも言っていたが大好きなマッキンリーに抱かれて眠りについたのだから本望かも知れない。
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