劇場公開日 1983年2月19日

「昭和の冤罪の叙情詩」天城越え 群青ノワールさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5昭和の冤罪の叙情詩

2021年5月2日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

まずは主演女優が表情だけで喧騒を静寂にする程の力があり物語など頭に残りませんw
特に冤罪で逮捕される所は検察が無い国にいるかの様な感じで裁判が無い世界線の様だ。
実際、昭和の日本は刑事事件で逮捕されれば人生終了だったと言われており現実にこの様な事はあったのだろう。
この物語の刑事は想像力も調査力も検証力も無く、あるのは暴力のみですw
あぶ刑事なら相手は指定暴力団なのでまあ良いでしょうが一般市民にしてはイケナイでしょう。
最後まで犯人の動機が解らないまま定年した元刑事は滑稽であり愚弄、無知にして愚鈍、現実には存在して欲しくありません。
それにしても悪いのは何だったのか?
この少年の生い立ちなのか、
女のサガを知らない憧憬止まない少年の心なのか
少年にやられた土方の不甲斐なさなのか、
或いはその時代なのか…。
いずれにしても、昭和と天城越えと云う旅情、そして薄幸な妙齢な女性…ムード音楽。
見終えた余韻はメーテルと別れた直後の鉄郎の様だった。

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群青ノワール