「パ・フォーマンス」ア・ホーマンス 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
パ・フォーマンス
松田優作が初監督も務めた1986年の作品。
同名漫画を原作にしているが、かなり大胆脚色されているとか。
新宿。
過去の記憶が無い男“風”とはみだしヤクザの山崎の友情。
二大ヤクザ組織の対立。
やがて抗争に巻き込まれていく…。
この定番とも言える設定を、優作監督は異色の作風に仕上げた。
無国籍ムード漂う新宿。まるで、海外の監督が撮る日本のような。
文芸作品やドラマ作品続き、久々に本格アクションに復帰。
アクションも盛り込まれているが、それ以上に男二人の友情、裏社会で生きる者たちのハードボイルド・ドラマとしての印象強い。
それらをちぐはぐと見るか、好みと見るか。
聞けば、製作に当たって色々ごたごたあったとか。
が、優作監督の演出やクールでスタイリッシュなカメラワーク、編集、音楽など、例え多少あざとくてもカッコいい。
もっとワンマンショーかと思ったら、石橋凌が良かった。
主役のような魅力と存在感。
(それから、寺島進のデビュー作でもある)
にしても、最後に明かされる“風”が記憶の無い理由。
びっくり仰天!
だって、○○○○○だった!
原作調べてみたら、死んだ主人公って設定以外は全く別。
急にSFに。そう考えると、何処か『ブレードランナー』風な無国籍ムードの新宿はありっちゃあありなのかな…?
タイトルは、“アホ”と“パフォーマンス”を掛け合わせた造語。
色んな意味でやはり、松田優作の“パ・フォーマンス”映画であった。
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