「卓袱台返し」あにいもうと(1953) jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
卓袱台返し
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時代背景は 室生犀星の原作発表(1934/昭和9)頃か
幾つもの対立軸があるみたいで面白かった
多摩川をはさんで 川向こう(東京/都会)と
こちら側(地元/田舎)の空気のちがい
地元から出たことが無い鯛一の母は
もん(京マチ子)の妊娠騒動を知り
川向こうで奉公した彼女と それをさせた家族は堕落している、と決めつける
そしてその妹、さん(久我美子)を牽制する
また小畑(学生)、鯛一(製麺所後継)は
自由恋愛を望みながら経済的自立が出来てないので
重要な局面での決定権があやふや
その結果、相手の女性にダメージを与えることになる
妹はバスの中で そんな小畑が能天気に
饅頭を食う姿を見て、鯛一との駆け落ちを中止する
姉妹の兄は経済的にまぁ自立はしているが
自分勝手だし 遊ぶことしか考えていない
姉妹が他のタイプの男性に惹かれてしまうのも
わかる気が…
そんな兄を森雅之が演じていて びっくりした
クライマックスは卓袱台返しもある兄妹ゲンカ
俗世間的に言えば 遊び人の兄と
身を持ち崩した妹のケンカだが
二人の恋愛観、社会観の違いによる闘いの気配も
ちょっと兄貴のシスコンも入っているような…
母親が作ったおはぎが大きい
せっかく用意したのに
こんなことで滅茶苦茶にされるなんて
親の心子知らず!
川師という仕事があったのを初めて知った
川崎六郷辺りが舞台みたいだが
製麺所があるのも用水路があるのも
水に恵まれた土地ならでは
井戸水が美味しい… と、もんが言っている
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