あしたのジョー2のレビュー・感想・評価
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劇場版あしたのジョー1・2とロッキーについて
この三作品は単なるスポーツ映画ではなく、矢吹丈とロッキー・バルボアという主人公を通して男の生き様を描いた映画である。形式もチンピラ出身のボクサーが、偉大な世界チャンピオンとのタイトルマッチを行うまでのサクセス・ストーリーとなっているが、試合結果はジョー、ロッキー共に接戦で世界王者に判定で負けてしまう。しかしここにこそ、この二つの物語の核心と人生の真実がある。なぜなら試合後にジョーは「真っ白に燃え尽きた」と言って、試合結果を待たずに廃人になったか、あるいは死亡したかしており、一方でロッキーは同じく試合後に「俺はベストを尽くしたから結果は関係ない」と発言しているからである。そうなのである。この二人の発言は正に人生に置き換えられる。要は人間死ぬ時に自分はベストを尽くしたと言えるかどうかなのである。そしてジョーとロッキーにほぼ共通する注目すべき点は、二人共が孤児同然の下層社会の出身で、無学同然ということである。これは人間の崇高な生き方と、個人の境遇や学歴には関係性がないことを意味している。つまり全ての人に崇高な生き方は開かれているということである。これは全人類に対する、ある一種の希望のメッセージである。そしてこの二つの物語のもう一つの柱として、男女の恋愛が描かれているのだが、「あしたのジョー」と「ロッキー」では全く別の視点で描かれている。一つはジョーと白木葉子のプラトニックな愛。そしてもう一つはロッキーとエイドリアンの純愛である。二つの恋愛は全く別の結果を辿るが、そこは是非映画を観て堪能して欲しい。正に「あしたのジョー」と「ロッキー」は、単にボクシング映画の金字塔というだけではなく、映画史に名誉ある地位を占めているのである。
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