劇場公開日 1990年6月2日

「「あげまん」「さげまん」という言葉が嫌いだ」あげまん 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「あげまん」「さげまん」という言葉が嫌いだ

2025年5月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

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ドキドキ

1990年公開作品

監督と脚本は『お葬式』『タンポポ』『あげまん』『ミンボーの女』『スーパーの女』の伊丹十三

あげまんと称された芸者ナヨコと交際することで男が出世する話

宮本信子当時45歳
実年齢よりかなり若い役を演じている
18歳!
当時は「あげまん」という言葉だけでなくこのキャスティングも話題になった
宮本信子に似た感じの無名の若手を探せばいただろうに
市川右太衛門や片岡千恵蔵が45歳の時に『雪之丞変化』に主演したりはしない
親バカと言う言葉あるがここまでくるとそんな言葉はないが「夫バカ」と感じてしまう
愛妻家なのか女優宮本信子に惚れ込みすぎているのか
愛妻家でも浮気をする
浜田雅功が代表例
それが男の性(さが)
白馬の王子様なんて世の中にはいない

津川雅彦がなぜかモテまくる
石立鉄男のようなチリチリの三枚目がやたらモテるTVドラマも昔あったしまあ良いだろう

大滝秀治がゲイの頭取を演じるわけだがその設定が面白い
よりにもよって大滝秀治とは

石井苗子の苗子は「みつこ」と読む
「ティービータックー」の人である
今では日本維新の会所属の参議院議員
俳優としてわりと際どいこともやっていた
それを黒歴史と称するバカもいるがそれは違う

僕は「あげまん」「さげまん」という言葉が嫌いだ
元々あった言葉らしいがそれは知らない
明らかにこの映画で当時流行した言葉だ
語源は「間」とか「運」らしいが苦しい言い訳としか思えない
女性に対してしか使わない言葉で明らかに「まん」とは女性器ことで間違いない
だいたいにして女次第で男が出世するという他責思考が気に食わない
その点では「あげちん」「さげちん」ではなく「だめんずうぉーかー」という造語を作った倉田真由美はかなり有能な人だと改めて思う

配役
一時一ツ橋銀行頭取秘書として働いていた「なよきち」こと芸者のナヨコに宮本信子
一ツ橋銀行三ツ浜支店長の鈴木主水に津川雅彦
白髪長髪に隻眼なのか眼帯をつけている大物フィクサーの大倉善武に島田正吾
一ツ橋銀行頭取の千々岩に大滝秀治
捨て子のナヨコを近所の神社で見つけて中学まで育てた養母に菅井きん
養母の夫で鍛冶屋の養父に柳谷寛
ナヨコを一人前の芸者に育てるため厳しく指導する置屋の女将の雛子に三田和代
62歳の僧侶の多聞院に金田龍之介
多聞院の母のリンに一の宮あつ子
主水の恋人の瑛子にMITSUKO(石井苗子)
主水の愛人の純子に洞口依子
主水の愛人で喫茶店店員のサヨリに南麻衣子
主水の愛人の毛皮屋の女主人に高瀬春奈
高齢の総理大臣に東野英治郎
与党幹事長の鶴丸国男に北村和夫
鶴丸とライバルの政治家の犬飼に宝田明
料亭のおかみに杉山とく子
多聞院の女房に横山道代
多聞院の坊さん仲間の甲に北見治一
多聞院の坊さん仲間の乙に久保晶
人気歌舞伎役者の瀬川菊之丞に加藤善博
コンピューターを使った結婚相談所「コンピューター・デーティングサービス」の職員の寿に橋爪功
タクシーの運転手に里木佐甫良
一ツ橋銀行港町支店次長の蛭田に矢野宣
主水の悪夢に登場する首斬役人に不破万作
探偵らしきカメラの男に上田耕一
大倉の置屋の芸者の清香に黒田福美
医者をやっている犬飼代議士の弟に押阪忍
オートクチュール女主人に内田あかり
映画の中の付き添いの女に柴田美保子

野川新栄