新・悪名のレビュー・感想・評価

敗戦国日本の占領下における、どうしようもない時代
三国人を含めた市井の人々が生きる為の闇市を守る！
という朝吉が暴れる大義があるので前2作より痛快！
流石の森監督作品。
万里昌代さんの美しさも◎

　「悪名」シリーズ第3作。

　Amazonプライム・ビデオで鑑賞。

　戦後の闇市を舞台に、復員して来た朝吉と、前作で殺害された貞吉の弟・清次(演者は田宮二郎。貞吉と瓜二つと云う設定)が、悪漢どもと対決する痛快任侠アクション。

　続編の形を取りながらリブート版でもあると云う構造。朝吉と清次がコンビになっていく過程は、一作目における朝吉と貞吉の関係性を彷彿とさせました。
　しかしながら、清次のキャラクターは貞吉とは全く違う。進駐軍被れのけったいな英語を使い、ファッションもアメリカのストリートギャングのような感じ。
　朝吉とは当初水と油のような感じでしたが、一連の事件を通して利害が一致しただけでなく、朝吉の侠気に清次が心底惚れ込み、彼の舎弟となったのでした。

　戦後の混乱期を背景に、当時の風俗や闇市、その背後に蠢く利権を貪ろうとする人間たちの企みなど、世相を理解しているとより楽しめる要素が盛り沢山でした。

死んだと思われていた朝吉（勝新太郎）が河内に戻ってきた。
妻のお絹（中村玉緒）は別の男と再婚していた。
弟分で殺された貞を弔いに四国に行くが、そっくりな弟の清次（田宮二郎）が大阪で極道していると聞く。
このキャラは捨てがたい。