劇場公開日 1963年9月21日

悪太郎のレビュー・感想・評価

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3.0"悲恋"

2021年4月19日
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悲しい

楽しい

興奮

題名からイメージする悪ガキの主人公ってよりも、インテリで頭の回転が早くて口も上手い、自分の信念を貫く正義感の強い好青年。

スタッフに木村威夫の文字が、白黒だから美術的に"清順美学"の良さが発揮されているのか判断が出来ない。

風紀委員の上級生たちを論破する場面は理にかなった説得力ある話術でスカッと気持ち良く、男女の恋愛描写が可愛らしくもありラストは切ない。

初期から昔の鈴木清順を観られるだけ、今の所は基本的に"悪太郎"ばかり撮っている清順的不良の美学に心酔され、カルト臭をプンプンと嗅ぎつける!?

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万年 東一

3.5粋な大正青年の青春と恋

2014年1月26日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

鈴木清順の1963年の作品。

大正初め。素行の悪さから“悪太郎”と呼ばれる青年・東吾。母の知人が校長を務める中学に預けられた彼の青春と恋。

鈴木清順と言うと、独特の色彩感覚や奇想天外な展開の作風がもはやトレードマークだが、本作ではその片鱗は見当たらない。
意外や意外、真っ当な文芸&青春映画。
しかしこの年、「関東無宿」や「野獣の青春」も撮っており、実は器用な職人監督である事も思い知らされる。

さて、“悪太郎”とは、手の付けられない、悪戯好き、もしくは乱暴な男児の意。
主人公の東吾青年、勿論、困った破天荒な所もある。
転校が不服で登校初日から人力車に乗って登場、不合格になろうとわざと転入試験をいい加減に解答、試験を待つ間は茶を飲み煙草を一服…(笑)
が、決して荒んでいる訳ではない。
破天荒故、当然上級生に目を付けられるが、威張り散らすだけの奴には面と向かって物を言う。
文学好きな面もあり、読書を禁じる風紀係の上級生に啖呵を切る。かと思えば、その風紀係に文学の素晴らしさを丁寧に教える。
映画の後半はヒロインとの恋。想いは真っ直ぐに伝える。
粋な大正の青年像。
うっすら「倍返し」の人と被って見えた。

ラストはある悲しい別れ。
悲しみを乗り越え、一歩踏み出す主人公の姿には、若者へのエールが込められていた。

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近大