劇場公開日 2020年4月3日

「アニメを超えて世界最高峰の映像体験を約束します」AKIRA あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0アニメを超えて世界最高峰の映像体験を約束します

2019年11月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

呆然自失、驚異の映像体験とはこのこと
世界最高峰のイマジネーションと映像表現を体験できます

原作のあの細密な書き込みが恐るべきことにアニメで再現され動くのだから、あり得ない次元のクリエイティブティーが発揮されています

これを超えるイマジネーションと映像表現は現代に至るまで未だにありません

ブレードランナーチルドレンであることは確かですが、模倣などひとかけらもなく、完全に独創的なイマジネーションです

そのイマジネーション自体だけでなく、それを表現する映像も極めて独創的であり、21世紀の何でもありのCGですら表現できない圧倒的なクオリティと迫力で提示されるのです

つまりクリエイターの頭の中にある映像自体が世界最高峰であり、これを超えるものが未だに無いということなのです
テクニックとかいうものでは絶対にない
天才とか異才という人にしかないものなのです
その上でそれを表現しうる画力を有しているということなのです

2017年に日本で開催されたブリューゲル展で、細密な事で世界的に有名な名画『バベルの塔』が展示されました
その際、その絵画を元に大友克洋先生が内部を元の絵画より細密なぐらいに描かれたものも展示されており、自分も時を忘れて食い入るように見いったでした
それくらい先生のイマジネーションと画力は世界的名画家の代表作にも匹敵し遜色もなく一体化している程の恐るべきレベルなのです

時は31年が過ぎ去り本作と同じ2019年
来年は東京オリンピックです

ジャパンクールとは本作を抜きに語ることは出来ません

これ程のイマジネーションの異才を日本は擁してしたのに、日本の映画界は宝の持ち腐れで31年もの間何をしていたのでしょう

美術(プロダクション・デザイン)に先生が活躍して頂く場は沢山あったはずです
あのEVバイクはシド・ミードよりも上を行くインダストリアル・デザインなのですから!

プアーな美術は、大道具さんの力ではなく、美術のイマジネーションのプアーさなのです

援用すらもできていません
これは日本映画のプロデューサーの責任です

先生のイマジネーションがあれば、どれ程日本映画の美術クオリティが上がったかことかと思うと本当に残念で仕方ありません
今からでも遅くは無いと思います
大友克洋先生の力をもっと発揮して頂くべきです
本当にもったいないことです

あき240