秋津温泉のレビュー・感想・評価
全9件を表示
ワンダーウーマン1962
「この人じゃなきゃ駄目!って、女性の不思議なところですよね」と、秋津温泉について岡田茉莉子が言ってた記憶。
ワンダーウーマンがスティーブ・トレバーにこだわる理由も理解出来る。それが女のワンダーなのだと。
ひなびた温泉地であてもなく男を待ち続けても、世界を守る為、悪と闘い続けても、女はウーマン。
だらしないがゆえに母性本能を刺激してしまう、生きてるだけであなた罪な男にピッタリの長門裕之。大女優岡田茉莉子の代名詞的作品に愚考ではあるが、彼女以外の配役はあり得ないだろう。
有馬稲子じゃ、男待つより旅館を切り盛りすることに生きがいを見出しそうだし。瑳峨三智子じゃ、さっさと別の男に乗り換えてそう。そう、全て女性がワンダーではないのだ。
ハラワタが煮えくり返りすぎて感情がオーバーヒートしたがゆえの無表情。岡田茉莉子の最も美しい瞬間。怖いけど、美しい。
気の強い女性ほど、一途で誠実というのは真理なのかも。
男如きがワンダーウーマンに敵うはずがない。
秋津温泉‼️
この作品は岡田茉莉子さんですね‼️彼女のいろんな魅力が全編にあふれた作品です‼️戦後の混乱の中で出会った男と女‼️女は温泉宿の娘で、男はたびたび宿を訪れるが、歳月が経って堕落したつまらな中年男になり、女も時代の変化についていけず、命を捨てる・・・。とにかく岡田茉莉子さんが魅力的‼️病弱な男のために一生懸命薬を手に入れようとしたり、終戦の知らせを聞いて涙を流したり、男が宿を再訪してくれたときの嬉しそうな表情、一夜を共にした翌日に男を追いかけて行ったり、そして男に心中を迫り断られたときの絶望した表情とセリフ「どうしてなのよ」‼️純真で明るい少女が戦後の時代の流れの中で、好きだった男との気持ちがすれ違い、人生に絶望していく姿を凄まじい演技力で魅せてくれていて、キャリアの頂点ですよね‼️そんな彼女の姿をフィルムに収めた吉田喜重監督‼️さすがは旦那様‼️そんな岡田茉莉子さんの情感あふれる演技を彩ってくれる、林光さんの音楽も耳から離れないほど素晴らしいです‼️ちなみに美しい風景に癒される秋津温泉のモデルは岡山県の奥津温泉らしいです‼️一度は行ってみたい‼️
男は
女のクローンばかりでは種の保存が効かないから生み出されたワクチンのような存在だとどこかの科学者が言ってたが、本作で出てくる男(長門演じる河本)はハズレワクチンだった。と言えよう。それに対し本年御年90歳とご紹介されている岡田茉莉子さん演じる女はそんなハズレで駄目になるには惜し過ぎる女で現代でも涎ものの入浴シーンを惜しげもなく披露する。しずかちゃん状態だったわけである◎こりゃぁ、前情報なければ前はおっきしておちおち寝られない映画である🎞️若者よ!現代の最新話題作ばかり追わず古きも掘りたまえ。とカツ入れられそうだわw
運命の分岐点
助けられた男より 助けた女の方が
最後は男に入れ上げてしまう
死にかけていた者と そうでない者が入れ変わってしまう
太宰治の出来損ないみたいな男に
新子(岡田茉莉子)は魅力を感じてしまったのだろうか
回復した男はグダグダしながらも 戦後の日本に意外と順応してゆく
温泉宿を継いだ女は 閉ざされた世界の中で
男との思い出も美化していったようにも思えた
この辺が恋愛のわからない処でもあるが
宿というものが〈待ちの姿勢〉である処も
関係していったのかもしれない
日本の敗戦で泣いたあの時が
彼女の終わりの始まりだったのだろうか
(今の日本を予想していたようにも感じられた… )
生きながらえることは大変であるが
そう立派なものでもなかったりする
それでも男には妻子がある
一方、女は温泉宿も失うことになる
妥協しなかった女は 決断しなかった女でもあり
〈拠り処〉すべてを失う
辛い恋愛の映画だった
そして恋愛にも〈純度の高低〉みたいなものがあるのだろうか… と思ったりした
火の出るような猛烈な勢いの愛がこもった彼女の演技が、監督の演出と互いに反射しあって本作を傑作にしています
岡田茉莉子、吉田喜重共に29歳独身
岡田から監督への持ち込み企画で、100作記念作品として彼女がどうしても吉田監督に撮らせたかったとのこと
そしてこの二人は本作公開の翌々年1964年に結婚しています
映像は大変に美しい
岡田茉莉子を如何に美しく撮るかがテーマになっていますが、若干くどいです
岡山県奥津温泉でのロケも大変に美しい、ワイドカラーが活かされています
音楽は重厚で素晴らしいものばかりです
しかし大袈裟に過ぎて邪魔に感じることが多いです
そのかわり効果音が渓谷の秋津温泉の静けさと津山や東京の喧騒との対比を上手く強調しています
原作は1947年発表の小説
17歳から34歳の17年間の結ばれない愛を描きます
物語の内容が岡田茉莉子の心と激しく共振したのだと思います
10年経ってしまったわ
(中略)
私、何にもしなかった
何にも考えないで、何にもしないで
あっという間に10年経ったのよ
そうじゃないわ
きっと色んな事があったのよ
あたしだって一生懸命だった
(中略)
あなたがここにいない間、私何していたと思う
じっと待って、待って待ちくたびれて・・・
(後略)
この台詞は岡田茉莉子本人の女優としての本心をそのまま語った言葉のように思われてハッとなりました
つまり、本作は形を変えた岡田茉莉子から吉田喜重への熱烈なラブレターであったように感じられてなりません
終盤は、岡田茉莉子が演じる新子が34歳になって抜け殻のように生きているシーンとなります
いつまでもあなたを待ち続けます
でも、私はこうなってしまうに違いありません
そしてクライマックス
あなたへのこの愛が成就しないのなら、自分は女優を引退する決意なのです
そう迫っているように思われてなりません
果たしてラストシーンで周作は、初めて彼女への愛と真剣に向かい合うのです
この火の出るような猛烈な勢いの愛がこもった彼女の演技が、監督の演出と互いに反射しあっているのです
それが終盤に、強烈な緊張感をもたらしているとおもいます
多少くどさはあっても、素晴らしい傑作だと思います
岡田茉莉子が美しい というのに尽きる
1962年吉田喜重監督。岡田茉莉子の100本記念作品として、岡田自身が映画化を提案し、監督に依頼し製作された作品。
終戦間近に秋津温泉で出会った二人が17年の間に何度も秋津で会って・・・という話。文芸作であり大メロドラマ。全編大仰な音楽が鳴っていますが「これはメロドラマですよ」という感じでだんだん良く聴こえてくる(かも)
新子役の岡田茉莉子は十代から三十代まで見事に演じ美しさもスパークしております。長門裕之は序盤に彼女から「生きる」ということを見出すのですが、後半はクズ男化してしまい、結果新子はヤンデレに… 今風に言えばそんな話で、彼女が可哀想過ぎる内容。
しかし、お互い好き同士でも一緒になれなかった二人がやっと結ばれる中盤は屈指の名場面。こんなに丹念なラブシーンはあまりお目にかかったことがない。時代時代で二人の関係性が微妙に変わってゆくのも丁寧に描かれ見事です。
この映画の後、岡田茉莉子さんは監督吉田喜重と結婚するわけですが、そういうことを知って観るのも一興かもしれません。
美しい岡田茉莉子が
美しい岡田茉莉子がクズ男に引っかかる物語。前半はテンポ良く進む。岡田茉莉子の明るく輝く存在がゆえに。温泉街を中心に、時代を表す風景は見事に表されている。でもね、後半がしんどいんだなあ。ふたりの関係のみにカメラが回り、その関係と言えばどうしようもないしんどさ。何度見送って見送られてんだか…。
主人公のクズさが半端ないです マジで最初から終わりまで怒りが止まら...
主人公のクズさが半端ないです
マジで最初から終わりまで怒りが止まらないです
タバコを吸うシーンが素敵でした
全9件を表示