秋津温泉

劇場公開日

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解説

藤原審爾原作を「甘い夜の果て」の吉田喜重が脚色・監督した文芸もの。撮影もコンビの成島東一郎。

1962年製作/112分/日本
配給:松竹

ストーリー

昭和二十年の夏、岡山県の山奥の温泉場“秋津荘”の娘新子は、河本周作を自殺から救った。周作は東京の学生だが、暗い時代に絶望し、体は結核に冒され、岡山の叔母を頼ってやって来たのだった。新子と周作の関係はこれから始まった。それから三年、周作は再び秋津にやって来た。荒んだ生活に蝕まれた体の療養だが、岡山の文学仲間と酒を飲み歩き、終いには新子に「一緒に死んでくれ」と頼んだ。そんな周作に惹かれる新子は、二人で心中を図った。しかし、新子の余りにも清い健康な心に周作は、生きることの美しさを取り戻し帰っていった。昭和二十六年周作はまた秋津にやって来た。女中のお民から知らせをうけて新子の心は弾んだ。周作は文学仲間松宮の妹晴枝と結婚したことを告げて帰っていった。それでも新子は、周作を忘れられなかった。二人が出逢ってから十年目、四度び周作がやって来たのは、別れを告げるためだった。松宮の紹介で東京の出版社に勤めることになったのだ。その夜二人は初めて肉体の関係を持った。昭和三十七年、周作は四十一歳。都会生活の悪い面だけを吸収した神経の持主と変ってしまった周作が、松宮の取材旅行の随行員として五たび秋津にやって来た。周作は料理屋の女将お民をみてびっくりした。お民から新子は“秋津荘”を銀行に売り、母親にも死なれて孤独でいることを聞いた。新子は翌晩、周作の旅館に訪ねて来た。二人は静かに酒を飲んだ。その晩、初めて新子は自分から「一緒に死んで」と頼んだ。俗悪な中年男となっている周作は、一笑にふし、肉体の交わりだけに溺れた。翌朝、新子は周作を送ってから、剃刀で手首を切った。知らせを受けて周作が引返した時は、新子は安らかな死顔をみせて、三十四年の生涯に鮮やかな終止符をうっていた。

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映画レビュー

4.0運命の分岐点

2021年4月3日
Androidアプリから投稿

助けられた男より 助けた女の方が
最後は男に入れ上げてしまう

死にかけていた者と そうでない者が入れ変わってしまう

太宰治の出来損ないみたいな男に
新子(岡田茉莉子)は魅力を感じてしまったのだろうか

回復した男はグダグダしながらも 戦後の日本に意外と順応してゆく

温泉宿を継いだ女は 閉ざされた世界の中で
男との思い出も美化していったようにも思えた

この辺が恋愛のわからない処でもあるが
宿というものが〈待ちの姿勢〉である処も
関係していったのかもしれない

日本の敗戦で泣いたあの時が
彼女の終わりの始まりだったのだろうか
(今の日本を予想していたようにも感じられた… )

生きながらえることは大変であるが
そう立派なものでもなかったりする
それでも男には妻子がある

一方、女は温泉宿も失うことになる
妥協しなかった女は 決断しなかった女でもあり
〈拠り処〉すべてを失う

辛い恋愛の映画だった
そして恋愛にも〈純度の高低〉みたいなものがあるのだろうか… と思ったりした

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jarinkochie

4.0圧倒的に美しい胸キュン恋愛ドラマ

美咲さん
2020年9月28日
iPhoneアプリから投稿
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美咲

4.0火の出るような猛烈な勢いの愛がこもった彼女の演技が、監督の演出と互いに反射しあって本作を傑作にしています

あき240さん
2020年1月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

岡田茉莉子、吉田喜重共に29歳独身
岡田から監督への持ち込み企画で、100作記念作品として彼女がどうしても吉田監督に撮らせたかったとのこと
そしてこの二人は本作公開の翌々年1964年に結婚しています

映像は大変に美しい
岡田茉莉子を如何に美しく撮るかがテーマになっていますが、若干くどいです
岡山県奥津温泉でのロケも大変に美しい、ワイドカラーが活かされています

音楽は重厚で素晴らしいものばかりです
しかし大袈裟に過ぎて邪魔に感じることが多いです

そのかわり効果音が渓谷の秋津温泉の静けさと津山や東京の喧騒との対比を上手く強調しています

原作は1947年発表の小説
17歳から34歳の17年間の結ばれない愛を描きます
物語の内容が岡田茉莉子の心と激しく共振したのだと思います

10年経ってしまったわ
(中略)
私、何にもしなかった
何にも考えないで、何にもしないで
あっという間に10年経ったのよ
そうじゃないわ
きっと色んな事があったのよ
あたしだって一生懸命だった
(中略)
あなたがここにいない間、私何していたと思う
じっと待って、待って待ちくたびれて・・・
(後略)

この台詞は岡田茉莉子本人の女優としての本心をそのまま語った言葉のように思われてハッとなりました

つまり、本作は形を変えた岡田茉莉子から吉田喜重への熱烈なラブレターであったように感じられてなりません

終盤は、岡田茉莉子が演じる新子が34歳になって抜け殻のように生きているシーンとなります

いつまでもあなたを待ち続けます
でも、私はこうなってしまうに違いありません

そしてクライマックス
あなたへのこの愛が成就しないのなら、自分は女優を引退する決意なのです
そう迫っているように思われてなりません

果たしてラストシーンで周作は、初めて彼女への愛と真剣に向かい合うのです

この火の出るような猛烈な勢いの愛がこもった彼女の演技が、監督の演出と互いに反射しあっているのです

それが終盤に、強烈な緊張感をもたらしているとおもいます

多少くどさはあっても、素晴らしい傑作だと思います

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あき240

4.0岡田茉莉子が美しい というのに尽きる

散歩男さん
2019年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

1962年吉田喜重監督。岡田茉莉子の100本記念作品として、岡田自身が映画化を提案し、監督に依頼し製作された作品。
終戦間近に秋津温泉で出会った二人が17年の間に何度も秋津で会って・・・という話。文芸作であり大メロドラマ。全編大仰な音楽が鳴っていますが「これはメロドラマですよ」という感じでだんだん良く聴こえてくる(かも)

新子役の岡田茉莉子は十代から三十代まで見事に演じ美しさもスパークしております。長門裕之は序盤に彼女から「生きる」ということを見出すのですが、後半はクズ男化してしまい、結果新子はヤンデレに… 今風に言えばそんな話で、彼女が可哀想過ぎる内容。

しかし、お互い好き同士でも一緒になれなかった二人がやっと結ばれる中盤は屈指の名場面。こんなに丹念なラブシーンはあまりお目にかかったことがない。時代時代で二人の関係性が微妙に変わってゆくのも丁寧に描かれ見事です。

この映画の後、岡田茉莉子さんは監督吉田喜重と結婚するわけですが、そういうことを知って観るのも一興かもしれません。

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散歩男
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