阿賀に生きるのレビュー・感想・評価
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公害を糾弾する物語ではない
地元の人々にとっては不本意でしょうが、新潟を流れる阿賀野川と聞くと、昭和電工が垂れ流した有機水銀による公害被害、いわゆる「新潟水俣病」の記憶が強く残っています。本作は、その元凶の工場があった山間で暮らし続けて来た人々を追ったドキュメンタリーです。
公害、特に水俣病と言えば、土本典昭監督の一連のドキュメンタリーが映画史に屹立しており、本作はその阿賀野川版と想像(期待?)していたのですが全く違っていました。正反対の作品とすら言えます。公害被害への国や企業の責任を糾弾する怒号の声は全くありません。認定を求める被害者というのは本作中の人々の一面に過ぎず、カメラが捉えるのは、当たり前の日常を川沿いで淡々と生きるお年寄りの姿です。そこには、昔から続けている物もあり、既に失われた物もあります。また、皆さんの言葉の一つ一つが可笑しく滋味深く少し寂しいのです。そして、川の流れは力強く美しい。こんな撮り方もあったのかと感じ入りました。
それにしても、「新潟水俣病」って熊本の水俣の患者さんや市民にとって何とグロテスクで思いやりのない言葉でしょう。水俣はいつまでどこまで負のイメージを背負い続けねばならないのでしょうか。
ドキュメンタリー好きなら観て損はない。
全部すごい。たまげた。
不勉強は承知ですが、それにしたってすごいです。
ここで描かれているのは、水俣病が、近代化が、阿賀の人々から奪ったものと奪えなかったものの全てだ。奪えなかったものが、何とまぁ豊かなことか!
あくまで予測だけど、公開当時は「なんだ、新潟水俣病の話じゃないじゃん。何なのこれ?」という評価で理解されないこともあったんじゃなかろうか。
全部のカットがすんごい…。見たことないような、すごいカットの連続で、感動しっぱなしであった。
渋谷のBunkamuraル・シネマで今公開されているものは全部見に行こうと思った。
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