赤胴鈴之助 鬼面党退治
劇場公開日:1957年8月13日
解説
赤胴鈴之助シリーズの一つ。脚色は前作「赤胴鈴之助(1957)」と同じく岡本繁男、松村正温、吉田哲郎の共同。監督は「二十九人の喧嘩状」の安田公義、撮影は「狙われた土曜日」の相坂操一。主演は前作と同じく梅若正二、「南蛮寺の佝僂男」の春風すみれ、「銭形平次捕物控 女狐屋敷」の林成年、「地獄花」の市川和子、「怪猫夜泣き沼」の三田登喜子。ほかに荒木忍、杉山昌三九、屋上栄五郎、原聖四郎など。
1957年製作/49分/日本
劇場公開日:1957年8月13日
ストーリー
赤胴鈴之助は江戸を出て東海道を西に武者修業の旅に上ったが、途中沼津の宿近くの街道で黒衣・鬼面の怪武士団に襲われている三人の浪士に出会った。鬼面たちは次々と浪士を斬り、最後の一人に迫った時、その男は懐の巻物を崖下の谷川へ落とした。駈けつけた鈴之助は悪者たちを蹴散らし男を抱き起すと、「堀家の遺臣三上右京だ。宝は白峯寺の下に……津沼城下の辺見宗休のところにいるかおる姫に伝えてくれ」といい残して息絶えた。早速かおる姫を訪ねた鈴之助に、彼女は右京なぞ知らぬ、と云い張った。一方、谷川に落ちた巻物は、たまたま野宿していた岳林坊と火京物太夫に拾われた。それには十数年前お家断絶になった堀家の莫大な財宝の在りかが記してある。二人は城下を西へ三里の寺とある巻物の絵図に従い、途中立寄った茶店のお角婆さんがあれは化もの寺だから行くのはよせ、というのも聞かず目指す寺に着いた。ところが、そこで牙をむき出し吹矢を使う山犬神を先頭にした鬼面の怪人たちにのされて、巻物を奪われてしまった。丁度鈴之助もその寺にやって来たが、山犬神に傷つけられ一旦お角婆さんの茶店に引あげた。その夜お角のすすめで茶店に泊った鈴之助は、山犬神に襲われたが、これを追い払った。山犬神は民家の娘をさらって近在を恐れさせていた。鈴之助は再びかおる姫に会い、彼女が堀家の遺児だと確かめると、山犬神と鬼面の怪人たちを討つことを誓った。鬼面の連中は、実は堀家の財宝を狙う悪人団だったのだ。かくして、手助けにやって来た僚友雷之進、お紺と共に寺へ再び入った鈴之助は、山犬神はお角の変装であることを見破り、大奮迅の末、鬼面党一味を仆した。