「がっかり」赤い殺意(1964) 大仁得さんの映画レビュー(感想・評価)
がっかり
いい作品について言えることが多い。悪い作品だと更に言いたくなる。しかしまあまあなら、なかなか。。。
日本映画史上、『赤い殺意』はどれぐらい重要なのかを知らないが、評論家ではない私からすると、たるい。最初は惹きつけられたが30分からストーリーはどこへ進むか、主人公は何が欲しいか、わからなくなる。シュール映画ならいざ知らず、雰囲気的に何も補ってくれなくてがっかりしたのだ。
唯一の見ものは確かに映像だ。照明とアングルとの遊び、現代にも劣らない質の良い撮影だ。
けれども、2時間半この可哀想な女を見て少なくとも心理的な侵入を求めたどころか、なければよかったボイスオーバーをもらう。死んだおばあさんの話も納得できない。ご主人に、ストーカーに、息子に、酷い目にあって、何度『これは最後だ!』と言い出したことか。。。それなのにまた繰り返し、観客には退屈だ。
要するに何を目指したいかわからない制作者の作品という気がしちゃう。
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