劇場公開日 1964年6月28日

「主演の春川ますみ、西村晃が凄い。」赤い殺意(1964) M.Joeさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0主演の春川ますみ、西村晃が凄い。

2022年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

「にっぽん昆虫記」の今村昌平監督とあって期待してみたが、素晴らしかった。
昨今の映画ではテレビ放映も想定してか、あまりどろどろとしたシーンは長くは続かない。しかし、この映画は、口論、取っ組み合いなど真に迫力ある生々しさがある。

主人公の女性(春川ますみ)は、妾の子として蔑まれており、のちに夫なる男性(西村晃)とその間の子ども三人で生活している。そこに夫の母親が厳しい態度で接している。
少し頭の悪そうな主人公であり貧しく、夫、その母から押さえつけられて生きているが、子どもだけが生きがいである。そこに泥棒(露口茂)が侵入しあらぬ方向に自体が展開していく。
全体的にはそれぞれの暗い過去や言えない男女関係などどろどろとした中、物語が進んでいく。
主人公の女性と男二人。それぞれの激しい会話、態度、感情むき出しの演技にはとても引き込まれる。そんな中、子どもの発言や行動は、ちょっとした息抜きやユーモアももたらしている。

後半から起承転結の、転・結へと意外な展開を見せ目が離せない。ロケ地の冬の雪山の風景も現実の厳しさを浮き彫りにさせている。主人公の女性はだんだん強くなっていくが、この夫婦の本音の駆け引きと、結末まで一気に見せる展開にとても引き込まれた。

Netflix

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M.Joe